瞼の裏、夢への入り口で見る風景。
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
インスピレーションの源は、ディエゴ・ベラスケスの描いた幼きマルガリータ王女の肖像。
そしてこの作品で"亡くなっている"のは王女でもパヴァーヌでもなく、
全てを含めた、古き良きスペインの風習と情緒。
「小さな王女がスペインの宮廷でこんなパヴァーヌを踊っていたのだろう、もうそんな光景を目にすることはできないけれど。」
ラヴェルはそんな独り言をこの曲に込めたのだろうか。
眠りに落ちる瞬間、一日に想いを馳せたとき。
その映像は、瞼の裏でふんわりとぼやけている。
昼間見た花も、愛する人の微笑みも、夕日に染まる通いなれた道も。
今日という日は、終わってしまうのだ。もう二度と、同じ景色を観ることはない。
あたたかい思い出の、埋葬。