〈あらすじ〉
わかりやすい雅









その頃地底では、修一達が間欠泉を通って地上に出ようとしていた

修「はぁ……ほんと骨が折れる……」

香「ま、まぁ、死ななかっただけマシですよ」

修「まぁ、そうだな」

そう思った時、視界の中に、間欠泉の先に見える太陽と重なった、何者かの影が入る

……と思ったら突然!弾幕が修一達を襲う!!

紗「危なッ!」

夜・香「んぎゃあああ!!!」

琴「……」

紗恵は、その突然の弾幕を回避、夜籟と香奈に関しては、神回避であった。琴音は……経験の差で何事もなかったかのように避けきる

そんな中、修一だけは、その弾幕を無言で避け、目の前の「彼女」を見据えていた

修「なんで早苗がここに……」

早「……あっ!修一君だったんだ!」

修一の先にいる早苗は、目の前の人が修一であることを、今初めて知ったようだった

修「あっ!……じゃねえよ!いきなり撃ってくるなんて……なんか訳あってなのか?」

早「いや、特に何もないよ」

修「特に何もない!?……常識というものをもってくれよ……」

とんでもない理由に、ため息をこぼす修一

早「ううん、これはここで生き抜くために必要な物の考え方だよ!」

修「……つまり?」

早「この幻想郷では、常識にとらわれてはいけないんだよ!

修「な……」

な、なんてことだ……俺の知る限り、早苗は意外と素直なやつ……常識にとらわれてはいけないということで、さまざまな「非常識」な行動を起こしていると、人として疑われてしまう……信仰もクソもない、それをわからせないといけないな……

修「早苗!常識にとらわれてはいけないというけど、常識は常識でもたないと、ここでは生き抜けないぞ!」

早「私の意見が違うって言うの?いいわ。そっちが否定するんだったら、私は私の意見を押し通すのみッ!」

そう言うと、さっきまでの姿勢が、より警戒度の高い姿勢に切り替わる

修「弾幕を通じてじゃなきゃ伝わんねえか……!」

修一も同時に、弾幕戦を体勢を整える

夜「……修一、がんばれー」

紗「がんばれー……」

香「頑張ってくださいー……」

琴「頑張って……」

物陰に隠れた4人が小声で修一の応援をする

早「前回負けたのは、私の油断と経験の浅さが原因……でも今回は違う!全力で勝ちにいくからね!」

修「望むところだ!」









修「た、確かに、前より密度が高いような……!」

早「し、修一君、こそっ!」

弾が大量に飛び交う中、お互いが一歩も譲らず、進展がない戦いになっていた

香「す……」

夜「すごい……」

岩陰に隠れながらその戦いを見守っていた香奈と夜籟は、口を開けたままそう呟いた









修「ぶっ!!」

少し経った頃、修一の顔面に早苗の弾が直撃し、体ごと半回転する

早「そこっ!!」

早苗がここぞとばかりに、ひるんだ修一に向けて弾を一点集中させ、一気に解き放つ

早「もらったあああっ!!」

修「かかったな!」

修一がそう言うと、早苗の背後には、修一が撃ったと思われる弾が、大きな円を描いて早苗に迫っていた

早「なっ!」

突然の弾の襲撃に、一瞬怯む早苗。しかしすぐに体勢を立て直し、弾を全て避ける

修「っぶねぇ……!」

早「しまっ……」

早苗が弾を避けきったところで、修一がすべての弾を避けきり、息を切らしながらそう呟いた。早苗はその状況を理解し、ため息をつく

早「これは、決着がつかないね……」

修「そうかもな……お互い互角ってところか……」

スペルカードを使わなかったのは久しぶりだが、こういう戦いも悪くないな……









香「す、すごい……」

夜「あ、あんなの真似できねえ……」

さっきまでの戦いを見ていた二人はそう呟く

香「いや、ほんとに修一さんが敵じゃなくてよかったって思います」

隣にいる夜籟にそう語りかける

夜「天賦の才能……ってか」









〈あとがき〉
気合いで書いていたらいつもより長くなったかと思います。ですが、長いに越したことはありませんね
今作以降こそ更新率が低下すると思われます……それならそうで、閑話という、他の形で投稿はしていきたいと思っています。
さて今回は、修一VS早苗でした。早苗に関しては、油断と経験の浅さを克服して修一に再挑戦、修一も修一で、成長していない訳ではありません、欠点を克服した早苗とも張り合えました。お互いの成長と実力が同じところにきたのでしょう。負けず劣らずといった戦いとなりました。

次回もお楽しみに