〈あらすじ〉
黒い何かがやってくる!逃げよう!









香「逃亡『全速離脱』!!!」

ドッ

夜「うっ、眩し……?!」

こ、ここは……地上……!?

香「ふう……」

夜「香、香奈……お前今……何をした」

その言葉に反応した香奈はドヤ顔で振り向く

香「スペルカード……逃亡『全速離脱』。このスペルカード、1キロ限定ですが、音速を超える速さで移動可能なんです」

夜「これまたたまげた……」

香「逆に言えば、それしかできませんけどね」

夜籟に向けて、てへぺろな表情を向ける

夜「まぁ……助かったよ、ありがとう」









琴「ッ……!」

その頃琴音は、黒い空間の中で一人彷徨っていた

琴(なんなんだここの空間は……息ができなくなったと思えばできるようになるし、できるようになればできなくなる……)

イライラしだした琴音は、何もない空間に拳をぶつける

ポロッ

琴「ッ!?腕が……?!」

琴音の腕が肩からごっそり、胴体から切り離される。しかし、痛みは全くない。

琴「……痛く……ない?」

そう思った瞬間、肩の中を抉り取られるような痛みが、琴音を襲う。あまりにも突然、そして初めて味わう激痛に、琴音は言葉に鳴らない悲鳴をあげながら肩を抱える。が、突然痛みは消える

琴「はッ……はッ……ほ、本当にこの空間は……なんなんdい゛あ゛あぁぁぁアアッッッ?!!?!」

すると、肩を抱えていた腕まで、さっきと同じように切り離される。それに便乗するように、琴音の両足も切り離される……









修「常識コラップス……相手自身の常識を非常識に、非常識を常識に変換するスペルカード……ほんと、味わいたくねぇわ」

そう言いながらため息をつくと、黒い空間が一気に一点に集まって消滅する。中から出てきたのは、五体満足の琴音の姿だった。五体満足ではあるが、琴音の目は死んでおり、体も震えている。とても健康とは言い難い状態だ。

修「……もしもし」

琴「ひっ……!」

修一の言葉を聞いただけで涙が流れ出す琴音。恐怖のあまりか、腰が抜けて立てないようだ。

修「よくも香奈と夜籟にあんなことをしてくれたな。これはその仕返しだ。大丈夫、このスペルカードで死ぬことはない。死ぬほど辛い目に遭うだけだ」

琴音は修一の目を、まるで狩られる直前の狐のような目で見ることしかできなかった









〈あとがき〉
いや、更新遅れました、申し訳ないです
最近休みがないのが普通に感じてきました。休日にする事とか見つけられません。
さて今回はちょっと書いてても辛い内容になりました。琴音ちゃんをあんな酷い目に遭わせたのは、あくまで修一君です。私は何もしていません。何も。
では、今回はこの辺で。

次回もお楽しみに