〈あらすじ〉
紗恵の能力が、なかなか便利だった








一方、修一達は

修「…おくうよ、もう、大丈夫か?」

空「うん、大丈夫」

その言葉を聞いた修一は安心し、安堵の息を漏らす。安心からくるため息は、久しぶりだ
幻想郷に来てからため息が増えた気がするが、それは恐らく、この幻想郷の世界観にまだ完全に慣れていないからだろう。だが、女性と触れ合うと鼻血が出るという、昔からのジンクスはなくなっている。それは、ここで女性との触れ合いが多くなった事から、慣れた結果だろう

修「それはそうと、霊夢とか来そうで嫌な予感…おくう、お前死ぬんじゃね」

空「ありえないわ!私の能力は世界一!!!!誰にも負けやしない!!!!」

その、何処かの国の軍人のようなセリフを吐いた空に、またため息をつく。
ため息の理由は、先ほどの事が原因でもあるが、その他には、霊夢が絡んでくるという他からの影響も関係していた。
霊夢が絡んでくるとなると、嫌な予感しかしないのだ

修「とりあえずさ、霊夢が来たら俺から事情とか話すから。そんな好戦的にならなくていいよ。おくうもしんどいだろうし」

ただめんどくさいだけだ

空「んー…」









一方夜籟達は…

夜「地下なのに、結構人とか妖怪とかいるんだな」

霊「そうね、まぁ嫌われ者の妖怪しかいないって聞いたけど」

その言葉に対し、夜籟は不吉な未来を感じた。嫌われ者の妖怪、やはりそれなりに恐ろしいのだろうか…

夜「…こんな所を…修一は訪れたって言うのか…」

霊「待ちなさい。今、修一と言ったわね?」

夜「あれ、言ってなかったっけ」

霊「言ってないわよ。まさかあいつが事の発端とか言わないわよね…?」

と、霊夢は自分で言いながらも、それはないと思ったのか、呆れた表情になる

霊「でもあいつが異変を起こした張本人だとしたら…なかなか梃子摺りそうね…」

夜籟も、その意見には賛同した。なんせあいつは、能力という能力を使いまくる。正確が好戦的でないことは、唯一の救いか…もしあいつが好戦的な奴だったら…と考えると、とても恐ろしい

そんなやつだからこそ、修一が敵に回ると、圧倒的に不利になってしまうのだ。もし修一が敵に回ったとしたら、恐らく勝ち目はないだろう

夜「でもあいつは…」

霊「…あいつは?」

夜「…なんでもないよ。行こう」

霊(…?)

霊夢に疑問を抱かせたまま、夜籟と霊夢、そして紗恵は、その地下都市を進んでいった









?「う……かはっ……」

琴「ん……なかなか鈍っちゃったな」

村の集落から、飛ばずに地底に向かう間欠泉に行くには、人気の無い森の中を突っ切っていく必要があった

琴音はあえて飛ばずに森の中を突っ切っていた。ウォーミングアップの為だ

そんな時現れた4体の妖怪全員まとめて5秒以内で始末した。あの妖怪達は、しばらくは動けないだろう

琴「まぁ、そりゃ少しは鈍る……か…」

首の骨を鳴らしながら、琴音は妖怪に背を向けて間欠泉に向かう

妖怪「っ……!!!」

突然の不意打ちだった。地面に伏していたはずの妖怪が、残された力を振り絞って上半身を起こし、琴音の心臓めがけて弾を撃った。

琴「……」

琴音は振り返っていない。だから弾を見ていない。妖怪が弾を撃ったところすら見ていない。
だが、琴音は左手でその弾をはじき返した。

妖怪「は……?!」

琴音がゆっくりと妖怪の方へ振り向く。妖怪を見る目は、微笑んでいるようにも見えた。

琴「お前……よっぽど殺されたいんだな

すると琴音は、ポケットからスペルカードを取り出す

妖怪「っ……こっちだって…!!!」

妖怪も、懐からスペルカードを取り出す

琴「鍵符…」

妖怪「狂符『バレット・マドネス』!!!」

妖怪が弾幕を展開、撃ち出す弾は地面を弾け飛び、琴音めがけて飛んでいく

しかし、琴音には当たらない。彼女はまるで面白くなさそうにため息をつく。そして…

琴「『洋琴鍵盤潰』」

スペルカード、宣言

バキャッ

妖怪「ぅああ━━━

ゴパァッ…

一瞬の出来事だった。琴音がスペルカードを宣言した瞬間、上から四角い弾が降り注いだ。
その弾が妖怪の腰部に直撃、骨盤を砕いた。
その激痛に妖怪は耐えられず、思わず叫ぶ。が、その瞬間に、妖怪の頭部に弾が直撃。見事に頭は割れ、周囲には血や肉片などが飛び散っていた

琴「自業自得だ、このクソ妖怪」

頭と腰が潰れた妖怪の亡骸を蹴り飛ばした琴音は、その場を去った











〈あとがき〉
お久しぶりです。信常友楽です。
7月の更新から4ヶ月ぶりの更新(かな?)です。大変長らくお待たせしました。こう、時間はかかりますが、確実に話は進めていきます。

さて今回は、琴音の本性?が現れました。彼女は、ピアノを弾いていた時と比べ、恐ろしいほどの力を有していました。これは、乗っ取られた。などではなく、琴音本来の力の強さが現れました。さぁ、彼女の登場で、物語はどのような進展を見せるのか。

次回も、お楽しみに