〈あらすじ〉
ポン酢が美味しい!






 





幻想入り、そして異変を(間接的に)起こした…あれから、既に2ヶ月程が経った。修一は幻想郷にも慣れ、家も人里に築き、仕事も始め、既に里の住民の1人として過ごしていた。そんなある日のこと…





修「んー…今日もいい天気だなー」

香「そうですねー」

修一と香奈は、人里をぶらぶら散歩していた

修「にしても、もうあれから2ヶ月ぐらい経つんだな…」

香「そうですねー」

修「家も作れたし…本当よかったなー」

2ヶ月の間に家を築いたんだけど…色々あったんだよな





だいたい2ヶ月前~

相変わらず修一は博麗神社に泊まり、一日を過ごしていた

霊「ねえ修一」

修「んー?」

早朝から居間でくつろいでいると、霊夢が話しかけてくる

霊「えーとね…うん…そろそろ…ね?」

ん?なんか様子が変だな…いつもの霊夢じゃない…何か言いたいようだけど、言いにくそうな感じがするんだが…

修「えーと…どういう意味?」

霊「え…いやだから…その、もうそろそろ、いいんじゃないかしら?」

修「そろそろって…何が?」

霊「だから…あーもう、直接言いたくないのよね…察してくれない?わかるでしょ?」

直接言いたくない!?なんで?あの霊夢が、直接言いたくない!?どういうことだ…?

修「そんなに言いたくないのか?」

霊「ええそうよ。だから察して頂戴」

察して頂戴って言われてもな…わからないものはわからないんだよな…

修「あ、もしかして」

霊「分かってくれた!?」

霊夢の目が輝いて見える。輝くほどの事なのか?

修「これが告白か!?」

ドスッ

修「痛ッ……てぇ!!!」

霊夢の腹パンが修一にヒットする。力加減をしてくれたのか、それともそれほど力が無かったのか、さほどダメージは無かった。痛いけど…まあそれはどうでもいいとして…

霊「告白な訳ないでしょ」

修「ち…違ったか…というかそんな冷たい目で見なくても…いててて…」

霊「もう…そろそろ自分の家を作りなさいってことよ」

修「…あぁ、そういうことか…それぐらいなら、普通に言ってくれればいいのに…」

霊「あんたねぇ…私は博麗神社の巫女なの。わかる?人を追い出すような、非人道的な事はあまりしたくないのよ」

修「…なるほど」

道ゆく妖怪を特に何の理由もなくぶちのめすのは、非人道的だと思うんだがな…言わないでおこう

霊「そろそろこっちもお金が無くなってきてね。悪いけど、食べるものに困っちゃうのよ。あんたは自分の能力で家を作れるんでしょ?ってことで、ほら、人里にでも行って家を作ってちょうだい」

そういうと霊夢は、修一を玄関まで誘導していく

修「…待て待て!」

霊「まだここで暮らすというのなら、今日から修一には、料理に買い物、洗濯掃除をやらせる上に、人里で仕事をやってもらって、その仕事の給料の9割を私が使うことになるけど。いいかしら?」

流石にキツイ!!!

修「いや、そうじゃなくて。何かを忘れてる気がして…」

霊「忘れ物?あんた持ち物なんかあった?」

修「いや、持ち物じゃなくてこう…もっと大切な何かが…」

霊「もう…あんた持ち物なんてほとんどないでしょ?それに、仮にもしその忘れ物を見つけたら、私が持って行くから」

修「お、助かる」

霊「はい!じゃあそういう事で。あまり無理しないようにするのよ」

修「母親かお前は。まあ、わかった。それじゃあ」

そういうと、修一は博麗神社から外へ足を踏み出し、放浪を始めた

修「さーて、どこに家を建てようか…タイムリミットは、1日…急がないとな~











香「…んー、よく寝た~…」

修一が放浪を始めて20分程経った頃、香奈が目覚める。目が覚めた香奈は、当然のように居間へと向かう

香「あ、霊夢さん。おはようございます~!」

霊「あら香奈。おはよ……?」

香「…?」

霊「…香奈、あなた…寝てる間存在感消してた?」

香「?はい、ある程度ですけど…虫に寄ってこられたら嫌ですので。それが…どうしました?」

それを聞いた霊夢は膝から崩れ落ちる

霊「香奈…今は冬よ。虫なんていないわ…」

香「え?…あ、そうでしたー!あはは!」

霊「あはは!じゃないわよ!修一の言ってた忘れ物って…あんたの事だったのね…」

香「え、修一さんが?…そういえば、修一さんは何処に…?」

霊「今頃、自分の家を建てるところを探して、幻想郷中を放浪しているところよ」

香「…」

霊「…うん、今…修一はここにいないわ」

香「…存在感消さなきゃよかった











修「んー、やっぱここかな」

魔法の森とか、妖怪の山では暮らせそうにない…暮らすのに一番無難なのは…やっぱり人里だった

修「空き地とかなんかないかな…というかここで一番偉い人に聞けばいいか」

そう思った修一は、その辺を歩いていた人に声をかけてみた

修「すいませーん」

村人「ん?どうしたんだ兄ちゃん」

修「この里で、一番偉い方って、誰ですかね?」

村人「偉い方?もしかして、村長とか、そういうの聞いてるんか?」

修「そうです」

村人「ここにはそういう人はおらんよ。そうだなぁ、村を統率しているわけじゃ無いが…あの塾の講師は、この村の人々にとって、一番偉い方だぞ」

それを聞いた瞬間、修一は何かを悟った

修「…塾の講師ですか」

村人「おっと兄ちゃん、気をつけなよ?」

修「え、何を?」

村人「一目惚れせんように…な

あぁ、やっぱりあの人か…











修「あーやっぱり」

慧「…何がだ?」

やっぱり慧音さんでした

慧「えーと…何の用かな?」

修「あのですね、俺もそろそろ家を建てようかと思いまして、ここで暮らしたいんですよ」

慧「あ、あぁ、別に構わんだろ…というか何故私に聞くんだ?」

修「いや、ここの里の人達は、慧音さんの事を、この村の偉い方。って思ってるらしいので…とりあえず聞いてみたんですが…」

慧「偉い方?…もしかして、村をよく警備したりするからなのか?」

修「…それは知りませんけどね」

慧「それもそうだな。えーと、家を建てるんだったな。それならその辺でいいんじゃないか?」

修「あ、いいんですか?あの辺りで(確かに結構いい場所かもな)」

慧「あぁ、構わないさ。大工はどうするんだ?」

修「あ、別にいいです。自分で作るので

慧「…それを理解できないのは、私が馬鹿だからなのか?それともお前が馬鹿なのか?もしくはお前が普通に有言実行できるような事なのか?」

修「最後が正解ですね」

まあ、家を建てるというか、作るのは簡単だしね。この考え方は異常だろうけど

修「じゃあ、あの辺に作らせて頂きますね?」

慧「あ、あぁ…(どうやって作るんだ?)」

修一は塾のある建物から外に出て、その辺の土地を見て回る。そしてとある場所で立ち止まった

修(誰かが使った痕跡もない…ここなら大丈夫だな)

そう思うと修一は、念のために近くの村人に、この土地は使っても大丈夫かどうかの確認をとる

修「あのー、すいませーん」

村人「ん?あ、また兄ちゃんか」

修「ん?あ!奇遇ですねぇまた会うなんて」

さっきの人じゃないか、奇遇だな~。やっぱ世界は意外と狭いもんだな

村人「そうだな、奇遇だな。それでどうしたんだ?また何か聞きたいことがあるんか?」

修「あー、ここの土地は使っても大丈夫かなーと思って」

村人「ん?あぁ、あそこは昔っから何もないただの土地だ。所有者もいねぇ。使いたいんなら、兄ちゃんの自由に使いな」

修「あ、ありがとうございます!じゃあ早速家を作るか…」

そういうと修一は指を鳴らしながらさりげなく能力を起動し、土地まで歩み寄る

村人「作る?そうか、兄ちゃんここで家を建てる気なんだな?待ってな、腕のいい職人を知ってるんだ」

修「いや、俺一人で十分ですよ

村人「?兄ちゃん、何を言ってるんだ?一人で作るなんて、何年かかると思って…」

村人は喋りながら嘲笑う

修「はぁっ!!

ガタガタッ…ゴゴゴゴ!ガキッッ!ズドォォン!

~3分後~

修「うっし。これでいいや」

とりあえず、今流行りの三階建ての家を作った。うん。周りに溶け込んでない。目立ちすぎ

村人「にに、に、兄ちゃん…まさか…よよ、妖怪か!!?」

村人が腰を抜かして修一を指差す

修「え?いやぁ、ちょっと人間離れしただけの人間ですよ~、大丈夫大丈夫、何もない限り人に危害は加えないですから」

村人「そ、そうか…よかった…

安心したのか、ため息をつきながらその場で仰向けになる

慧「なるほど…家を作るとはこういう事か」

村人「けけ、慧音さん!!!こ、こ、こんばんは!!」

村人は慧音さんの存在に気づいた瞬間立ち上がり、丁寧に挨拶をする。お前腰抜けてたんじゃなかったのか?

慧「こんばんは。今は昼だけど」

村人「あ!!そ、そうですよねー、あは、あははは!」

修(惚れてやがる…)

村人「なんにしろ…兄ちゃんとは、仲良くやっていけそうだn」

修「あああ!!!そうだ!!!雅の家!!!

村人「うおぉっ!い、いきなり大声を出さないでくr」

雅「やっと気づいてくれたか」

修・村人「ぎゃああああ!!!











雅「幾ら何でも殴ることは無いだろ…ッ、まだ痛い…」

雅が現れた瞬間、修一は後ろを振り返りながら雅の顔面に右ストレートを喰らわせた。村人は腰が抜けていたにも関わらず、全力疾走で逃げ出した。というかあいつ絶対腰抜けてない

修「だ、だって…横から突然現れたら誰でもびっくりするというか…」

はぁ…とため息をつく雅

雅「修一、お前…俺のこと忘れていただろ

修「いえ、全然?」

全くの嘘です。完全に忘れてました

雅「まあいい…で、前から頼んでいた家なんだが」

修「うん」

雅「あの家の隣に作ってくれ」

修「はいはい~…おりゃっ!!

ドドドド…ガンッッ!ゴゴゴゴ…ガタァッ、ガシィッ!!

~3分後~

修「俺ってすごくない?」

雅「お前じゃなくて能力がすごい」

ぐ…結構痛いぞその言葉…

?「…」

修「…ん?今誰かの声が…」

どっかで聞いたことのある声に聞こえるんだよな…

雅「気のせいだろう」

?「…ん!」

修「…いや、やっぱり誰かの声が…」

雅「じゃあ聞くが、どこから聞こえるんだ?」

修「さぁ…というか聞こえないのか!?耳を澄ませて聴いてみろって…ほら…シー…」

そういって修一と雅はその場でしゃがんで耳を澄ます

?「…さーん!」

修「…誰かを呼んでる?っていうかこの声って…えーと…」

空を見上げながら思い出してみる

修「んー…どっかで聞いた声…最近も聞いたような…ん?なんだあれ…」

空を見上げたところに、うっすら人影が見える。その人影は確実にこちらに向かってきているように見えるが…

香「修一さーーん!!!!」

修「か、香奈!!??」

って、なんかものすっっごい速くね!!? 

香「修一さーーん!!!避けてーー!!!速すぎて止まらなーーい!!!きゃーーーー!!!!!」

修「\(^o^)/オワタ」

ドカァァァン!!ポキッ





~次の日~

香「昨日は大変でしたね~」

修「そうだな、お前の愛のあるその胸のタックルで、俺が首を折ってそのままお逝きになったからなぁ、大変だったなぁ」

香「(汗」

修「…まあ、もう気にしてないけど」

それを聞いた香奈は安心して胸を撫で下ろす

香「いや、でも申し訳ないですー…私の胸が少し大きいばかりに…」

修「少しというレベルなのかどうかわからないけどな」

いつもはあまり見ないようにしているんだけど、実際見てみると結構大きいんだよな…逆に今までよく気づかなかったな。こんなに大き…いやいや待て、なんの話だこれは。忘れろ

修「なんにしろ、家を建てることはできたんだ。次は仕事を探さないと…な」





〈あとがき〉
はい。香奈は結構大きいです。並よりは大きい感じなのではないかt(殴
はい。大丈夫です。これ以上この話はしません。
今回は、家が建つまでの経歴でした。修一の能力はこういうところで役に立ちますね。私もこういう能力が欲しいです…今の私に能力があるとしたら…早寝遅起きができる程度の能力ですかね

では、次回もお楽しみに!