修「全く…あいつら訳わかんない…」

なんで…あんな些細なことで恋に落ちるかな。というか、何か事前に打ち合わせをしていたような程、うまい具合に話が進んでいたし…

修「…っていうか、この方向は…」

博麗神社の裏を通り、そして、湖に出た…これは間違いない、この方向にあるのは…紅魔館

修「…やべぇ、紅魔館とか久しぶり…」

とか言っていると、目の前に氷の塊が飛んできて…

修「ってあぶッッ!?」

チ「あー!惜しかった…!」

?「ちょっとチルノちゃん、よしなよ…」

…誰だ?チルノは知ってる。知らないのはその隣にいる緑の髪の妖精だ

チ「大丈夫!あたいは最強なんだから!」

修「え…ま、まじすか!?」

と、言ってみる。あえて引っかかるってのも、案外面白そうだし!

チ「そうよ!あたいは最強なの!だからお前みたいなひ弱で腰抜けで、おまけに腑抜けてるヤツなんかに負けないわ!

?「ち、ちょっと!言い過ぎだよ!」

修「ほー…ひ弱で腰抜けで、おまけに腑抜けてる…な…?」

あー久しぶりだなーこの感覚…髪が少しずつ赤くなっていく

修「じゃあ弾幕勝負といこうじゃないか」

チ「へっ!お前程度のヤツを相手にするのは好きじゃないけど、準備運動がてら、相手にしてやってもいいわよ?」

修「はっはっは…なら俺も準備運動といくか~」

?「すす、すいません!チルノちゃんが変な事言ってしまって…!」

修「え?」

チルノと修一の間に、さっきの妖精が入り込む

チ「だ、大ちゃん!大丈夫だって!こんなへなちょこにやられないって!」

大ちゃん?っていうか今さりげなくへなちょこって言ったよな…

修「えーと…大ちゃんって?」

大「あ、え~、私のことです…ちゃんとした名前がないので、とりあえず、大妖精ってことで…それで、大妖精を言いやすくして、大ちゃんに…」

えへへ…と小さく笑う…っていうか名前無いのに笑うか普通!?さすがは幻想郷、常識通じねぇ…

チ「ということで勝負開始だ!」

修「このタイミングで!?」

チ「とりゃァ!」

修「聞いてねぇ!」

チルノは氷の妖精…だから、弾幕も氷…ってことは?

修「!火符『プレッシャーファイヤー』!」

俺の作成したスペルカードの第1号!プレッシャーファイヤーです!

チ「きゃー!火だァ!」

あ…やべ、弾幕じゃなくて、チルノがヤバくないか?これ…

チ「くそー!ここはひとまず退散だ!」

修「えェェ!?」

チルノが弾幕を撃つのをやめて、一目散に逃げ出す

大「ち、ちょっと待ってよー!」

修「…」

やべぇ…いろいろやべぇ…











修「いやー、やっぱり赤いなこの館」

紅魔館に着いた修一は、再びその赤さに驚く

美「?誰ですか?」

修「あー!美鈴!」

美「…不審者発見!」

修「なんでそうなる!?」

美「はぁッ!」

その場で美鈴が拳を打つ

ドォンッ

修「ぎゃァァア!」

とっさに横によける。美鈴は拳をその場で打っただけだから、物理的には当たっていない。だが、忘れていけないのは、美鈴の格闘術は並じゃないということだ。というか人間業じゃない。というか人じゃない。なにせ、その拳の衝撃波で、後ろの木がミシミシと音を立てて、倒れる程だからだ…本当怖い

修「め、美鈴!俺は怪しくねぇよ!」

美「いいや、怪しいです!私はあなたのことを知らないのに、何故あなたは私のことを知っているのか!これは…そう!巷でいう、ストーk」

修「違う!そう間違われたの2回目だけどストーカーなんかじゃねぇよ!」

咲「そうよ、美鈴」

修「ぬぉアッ!?」

突然目の前に現れるな!咲夜!いや、咲夜さん!

咲「今丁度、お嬢様のティータイムだから、静かにしなさい」

お嬢様って…レミリアの事か

美「うぅ…すいません。では、一撃で仕留めます

修「だから怪しくないって!」

咲「…美鈴、この人は、お嬢様のお知り合いなの。殺したりしちゃったら…わかるわよね?」

美「す、すいません…なら半殺しに

修「結局そうなるの!?」

咲「修一様、ご案内いたします」

美「え?」

咲夜は館の門を開けて、修一の中に入れる。その後、美鈴に再び話しかける

咲「後…修一様は、お嬢様の認めたお方だから」

美「へぇ…」

そうして、修一は紅魔館の中へと足を運ぶ。その途中で、美鈴の驚愕の声が聞こえた気がするが、気のせいということにしておこう

そして、紅魔館の玄関を通り、廊下に差し掛かった頃に、咲夜さんが話しかけてくる

咲「修一様も、紅茶を飲まれますか?」

修「え、いいんですか?」

咲「はい、構いませんよ?ではこちらへ」

と言って案内されたのは、喫茶店のような椅子や机が並べられた、ベランダ?だった。そこからは、紅魔館の庭を一望でき、安らぐには絶好の場所だった

レ「あちちッ!フーッフーッ(なにかを冷ましてる」

修「…あれ…?レミリアがいる…」

というか…なんだろ…レミリアの何かが欠けてる気が…

レ「あちィッ!…あ」

修「あ…どうも」

レ「ささ、咲夜ッ!」

咲「はい?」

レ「えと…いつからここに?」

咲「はい…お嬢様が紅茶を飲んで火傷…なさった…ところぐらいからです…」

と、咲夜が言う。笑いを押し殺しているのがバレバレだぞ

レ「う~!」

…わかった、カリスマ性だ。カリスマ性が消えかけている。というか消えている

修「まぁまぁ…レミリアー、お久しぶり」

レ「コホン…えー、久しぶりね、修介」

修「修一だって言ってんだろ!」

咲「ぶッ!」

咲夜が吹いた気がして振り向いた時には、もう彼女の姿はなかった…

レ「…とりあえず修一、紅茶でもいかが?せっかく来たんだし、ご馳走するわ」

修「おー、いいの?頂いちゃっても」

レ「構わないわ。咲夜!」

咲「お…お呼びでしょうか…」

だから、笑いを押し殺しているのがバレバレだって咲夜さん

レ「彼に紅茶…そうだ修一、あなたはどんな紅茶を飲む?レモンティーとか、アイスティー、ストレートティーもミルクティーもあるわ」

ほー、その辺はやっぱり詳しいんだな。まあ、俺でもわかるから、ドヤ顔決める程じゃないな、レミリアさん…

修「じゃあ、ミルクティーで」

レ「わかったわ。じゃあ咲夜、ミルクティーとストr」

咲「ミルクティーとアイスティー、かしこまりました」

レミリアの注文を聞く前に咲夜が消える

レ「え…あ…さ、咲夜…?」

咲「お待たせいたしました、ミルクティーとアイスティーでございます」

咲夜さんは、時間を止めて紅茶を作ったんだな?あー、これでナイフさえ投げ飛ばさなかったらなぁ~、最高なんだけどな~…っとと、話がそれた…

修一は、そっと渡されたミルクティーを受け取る。うわ、温かいなぁ、丁度冷えてきたし、この時期には嬉しい温かさだ

ちなみにレミリアは、渡されたアイスティーを手にとって、口を開けてぽかんとする

レ「…なんで、アイスティー?」

咲「ストレートティーだと、少々飲みにくいかと思われますし、なにより火傷をなされます。それを未然に防ぐのが、メイドの仕事です」

レ「え、ちょ、ま(ry」

咲「それでは、ごゆっくり」

と言って、咲夜は消え、ベランダに残されたのは、修一とレミリアだけだった

修「レミリア」

レ「…何?」

修「ドンマイ」

レ「…うー!!」