修「多分な、紗恵の精神の中に、あの台を作ってやれば…いけるんじゃないかと…思うんだ」

あの台とは、勿論、修一の中の世界にある、あの台である

紗「…なにそれ」

修「まあまあ、とりあえず今から、紗恵の精神の中に入るから」

というと、修一はカーテンを開けるようにスキマを開ける

紗「期待してる」

修「まあ、任せろ」

と言い、修一は紗恵の精神の中に入り込んだ…

~少年移動中~

修「さて…本当にできるかどうかわかんないけど…とりあえずやるか!」

物を創る程度の能力を発動。そしてあの台をイメージしながら作っていく

修「…こんなもんか」

修一の目の前には、修一の中の世界にある、あの台があった

修「…あ、でも、どうやってカード入れるんだろ…そもそも、入れたところで発動するのか…?」

と思っていると、その台は独りでに動き、カードの差し込み口がシャキンッ出てきた

修「…できそうだな」

あらゆるものに姿を変える程度の能力の情報が詰まっているであろうカードを、その差し込み口に差し込む。すると、その差し込み口は、カードを挟んだまま、完全に閉まる

修「…えらいあっさりだけど、できたっぽいな…まあ、本人に確認するのが一番か」

と思い、修一はスキマを開け、再び香奈の精神に戻る

~少年移動中~

紗「あ…おかえり」

修「元気ないなぁ…あ、そうそう、多分成功した」

紗「ほ、本当!?ど、どうやって使えば…」

そういうと紗恵は、顔を撫でたり腕をこすったりする…

紗「あーもう!右腕だけでも変化しなさいよ!犬でもなんでもいいから!」

ボンッ!

紗恵の右腕に、煙が漂う

紗「!?…きゃあッ!」

修「どうした!…うぉあッ!」

…紗恵の右腕が、犬の手になってる

紗「…言葉にしたら、変化できるって事?」

修「…そうなのか?」

紗「…猫に」

ボンッ

紗恵が煙に包まれ煙の中に、

紗「にゃ?(え?)」

修「…まじ?」

紗「…にゃにゃ!(修一さんに!)」

ボンッ

紗「…まじかよおい」

修「え、俺?」

紗「いや、なんか…まあ…うん…」

修「…その喋り方って、俺を真似てる?」

紗「いやいやいや、そんな事しないって!」

修「でもさ、似すぎ」

紗「まあ…確かに」

これは…んん??

今後、この能力の考察とかも必要そうだなぁ











香「…あ!」

香奈の目の前に、スキマが現れ、そのスキマから修一と…修一!?

霊「え、し、し、修一が…ふた、2人!?分身したの!?」

夜「いや…分身じゃない…片方は偽物だ…というか似すぎだ!」

紗「…もう、この体やめた方がいい?」

修「んー、そう…だな」

紗「まあ、このままだと、ややこしくなるしなぁ…よし、私に!」

ボンッ

香「きゃッ!」

霊「ッ!」

夜「ぶふぉッ!?」

煙が辺りに漂う…

夜「ゲホッ…えと……え!?」

霊「な、何よ今の……え!?」

香「煙たいです~……え!?」

紗「へぇ、これが…私…ね」

そこにいたのは、黒のロングヘアーに、右側の袖にだけ花の模様が描かれた、橙と赤色、2色の着物を着た、香奈とは似つかない紗恵だった

紗「この着物…なかなかいいデザインしてるわね…気に入った!」

…体一つで、性格も変わるのか?さっきまで暗かったのが嘘のようだ

夜「…」

霊「…夜籟?」

ん?…夜籟が動かない

修「おーい、夜籟?まさか、紗恵の能力にびっくりして気絶したか?」

香「修一さん、こういう時はビンタが一番!」

修「なるほど。とうッ!」

べチィッ!

夜「痛…」

…んん?本当に様子がおかしいな…現実を受け止められずに混乱したか?

夜「あ…あ…かわいい…」

紗「!?」

…え

修「…まじ?」

紗「…うれ、うれしい…!」

夜「すんごい美人だ…顔が美しい分、心も美しいんだろうな…」

紗「!!」

修「」

夜「お付き合いする女性は、心が綺麗なら良いっていうけど…紗恵ちゃんは…顔も心も綺麗なんだろうなぁ…」

紗「!!!」

…紗恵ちゃん?なんか夜籟が危ない方向に向かってる気がしてならない…!おーい、戻ってこーい

紗「…優しいんですね、褒め倒された感じ…今まで物に当たるしか無かった私に、そんな褒め言葉はもったいない…」

夜「いや、むしろ足りない。君の美しさは本物だ」

紗「!!!!」

香「…落ちましたね」

香奈がつぶやく

修「…落ちたってまさか…」

香「えぇ、お察しの通り、恋に落ちました

修「あの程度でか!?」

…嫌な予感はしていた!!でもまさか、え~…まじ?

夜「…ん?俺、今なんて言った?」

修「…え?」

紗「…あれ、私、今なんて…」

修「お前も!?」

あーもう!好きにしろ!

霊「…修一?」

修「ちょっと散歩。なんていうか、付き合ってられない」

と言って、修一は博麗神社から飛び立った