夜「…着い…た…!」

道中妖精に襲われて、死に物狂いで逃げながら来たものだから、疲労感が半端じゃない

夜「…ここだろ…?博麗って書いてるし…でも誰もいない…ん?」

誰だろ…茶髪の女性が座り込んでる

?「あれ…何も聞こえ…ない…」

夜「すいません」

?「ひあッ!?」

夜「うぉァッ!?」

びっくりした…!急に話しかけたのが悪かったかな…

?「だ、誰ですか?…って、夜籟さんじゃないですか!」

夜「…あ!お前確か、修一と一緒にいた…香奈か!」

香「そうです~お久しぶりですね~!」

相変わらずヌルい感じだな

夜「で…何してんの?」

香「いやぁ、今私の中に、修一さんと霊夢さんが入ってるんですよ~」


夜「…もう一回」

香「え?今私の中に、修一さんと霊夢さんが入ってるんですよ~」

夜「えと…それを理解出来ないのは、単に俺がバカだからなのか、そもそもとんでもないことが起きてるのか…どっちなんだ?」

香「後者ですね~」

夜「なるほど(よかった後者で…)。で、今どこに修一がいるんだ?目か?脳か?」

香「あぁ、肉体じゃなくて、精神の中にいるんです」

精神…って、え!?

夜「マジかよ…」

まあ確かに…肉体だったとしたら…いや、考えるのをやめよう。とても健全でいられなくなる

そう思った瞬間、香奈の頭の前にスキマがうまれる

修「よっと…いてて…」

夜「…」

中から修一が出てくる

霊「よっ…ってあれ、誰?」

ついでにもう一人出てくる…誰だこいつ…

修「ん?あぁ、夜籟だ…ってえ!?なんでいるんだよ!」

夜「いやその、暇だったから、なんとなく?」

霊「なんだ、参拝客じゃないのね。あ、そうそう、賽銭箱は向こうにあるから」

なんていうか、賽銭を入れるために誘導してるよなこの人

香「…修一さん~、私途中から何も伝えられない、聞こえない状態になったんですけど…なんでですか?」

紗「私が…意図的に止めた」

スキマの奥から、紗恵が顔を覗かせる

香「うわぁッ!あの時の!」

瞬時に防御姿勢に入る香奈を、霊夢が止める

霊「…香奈、紗恵はね、あなたに嫉妬をしてたみたいなの」

香「…嫉妬?」

紗「そう…迷惑かけてごめんなさいね…」

霊「ということで修一」

修「はい!?」

なぜ俺に振ったし!!

霊「紗恵の体を作ってやりなさい」

修「ほう…って!?そ、そ、それは…」

霊「何?やりたくないっていうの?」

修「いや…だってさ…女の子の体を作るって…それ、それは…すっごいいやらしく感じる

紗「同感」

霊「…はぁ…なら、彼女に何か能力を与えてあげなさいよ」

紗「それは嬉しい…!」

修「…それぐらいなら…できるか?」

物は作れても、能力は作れねぇよ!

修「まぁ…やってみるけど…」

とりあえず、欲しい能力を聞こう

修「紗恵、どんな能力がいい?」

紗「…全てを破壊すr

修「却下」

紗「…生物を亡き者にすr

修「却下だ」

紗「…残念」

修「残念なのはお前の欲しい能力が怖すぎることだ!」

全てを破壊するとか、生物を亡き者にするとか…そんな恐ろしい能力は絶対作らない!

紗「なら…あらゆるものに姿を変える程度の能力…

修「…悩むけど…まあ、それならいいか」

とりあえず、自分の中の世界に入り込む。その度に気絶するのはどうかと思うけどね…











修一は久しぶりに、修一の中の空間にやってきた

修『能力創生…だっけ』

シュインッと、モニターが修一の目の前に現れる。どうやらあっていたみたいだ。というかまだ使えるんだな…これ

~少年作成中~

修『うっし…あとはこれをどうやって紗恵に与えるかだ…普通にこのカードを持っていくとか?』

とりあえず、作成した能力の書かれたカードを取る。台に差し込み口が出てくるが、今回は無視だ。その空間の出口に向かって走る











修「うっ…」

香「あ!目が覚めた!」

霊「あんた…急に倒れたからびっくりしたじゃないの!」

夜「全く、びびらすなy」

香「何があったんですか!?」

ははッ、夜籟最近まともに喋れてねぇなぁ

修「実は…能力を作るとき、俺は気絶する」

という説明にした。能力を作る度に、自分の中の空間に行ってなんちゃらかんちゃらって、説明が面倒くさいから省略!

紗「つまり…できたって事?」

修「能力はな…ほら、これがその能力のカード…ッてぇ!?」

ある!あるよカード!マジかよ!

…よく考えたら、これって…楼観剣と白楼剣を出現させる原理と同じじゃあ…

紗「それが…私の能力になるの?」

修「なったらいいんだけどなぁ…無理じゃないと思うんだけど…多分、何か方法があるはず…なんだけど、その方法が何なのか…さっぱり」

…方法っていってもな…カードをスキャンする台がある訳でもないしな…

修「…まさか!」

何か思いついたのか、紗恵の覗き込むスキマの大きさを広げ、その中に修一が入り込む

霊「修一!?」

修「多分、これで成功する!」

自信たっぷりに言うと、修一はそのスキマを閉じ、香奈の精神の中は、紗恵と修一の2人っきりの状態になった

紗「…」

修「よし…じゃ、がんばって能力を与えてやるからな、楽しみにしてろ!」