修「ルールは至ってシンプルだ」

子供達「うんうん」

修「まずは椅子を円の形に並べる。個数は、参加人数より1つ少なくする」

文「あれ?全員分なくてもいいのですか?」

修「いや、座れなかった1人が鬼になるんだ」

香「なるほど!」

修「そしてだ、鬼は『服の色が黒っぽい人』とか、特徴的な事を言うんだ」

慧「それを言ってどうするんだ?」

修「それに当てはまる人は立つ。そして、鬼を含めて他の椅子に座りに行く。あ、この時に注意しないといけないのが、同じ椅子には2回連続で座れないってこと。そして、座れなかった人が、次の鬼だ」

夜「おい、一個忘れてるぞ!」

修「え?…あ!そうだ!『フルーツバスケット』って鬼が言ったら、全員動くんだ!」

子供達「んー…難しそうだけど…面白そう!」

修「よし!やるぞ!」

全員「おー!」











夜「って俺かよ!」

全員「ほら、なんか言って」

多数決により、夜籟が鬼になった。面白いことに、半分以上の人が夜籟に指を指した。その次に多かったのは俺だけど…

夜「くっそ…なら、飛べる人!」

えぇッ!?それ!?

修一、文、香奈、慧音が立ち、計5人が一斉に空いた椅子に向かって走り出す

修「ぅおおお!」

なんていうか!負けたくない!

文「この椅子は…渡しませんッッ!」

修「んなッ!」

さ、さすが幻想郷最速(?)…足も速い!狙っていた椅子を取られた!

修「くそ!…あ」

あれ…全員…座ってる

慧「いや、これはなかなか楽しい!」

文「本当ですね!これはもう、特報にできるレベルです!」

いや、そこまですごくないから!

修「んー…えと…じ、じゃあ、髪が長いと思う人!」

子供が数人、香奈、慧音が立つ。文?ショートヘアだけど

香「えーとえーと…」

子供「お姉ちゃんこっち!」

香「あ!ありがとう!」

おぉ、連携プレーか!ちなみに俺はもう座ってるもんねー

慧「…」

あ、座る場所がない…って顔してる。まあ実際そうだけど

慧「まいったな…そうだな…今、楽しい人!」

全員が立つ。おぉ、楽しいんだ!

修「よっ」

ふっ…なかなか姑息な技…『隣の椅子に座る』の発動だ。誰も見ていないな?

夜「…せこ」

修「ふっ…勝ち負けを競うものに、せこいなんてことは通用しないんだぜ?」

夜「大人気ねぇな」

大人気ない…だと…?

大人気(だいにんき)じゃなくて、大人気(おとなげ)ね?

修「…はい、次からしません」











子「あー僕かー…」

慧「さあ、今度はなんだ?(ワクワク)」

文「なんですか?なんですか!?(ウキウキ)」

修「…何が来るんだ」

子「…フルーツバスケット!」

な、なんだってー!

全員が一斉に立ち上がり、椅子に向かって走り出す。一足遅れた修一は、不利になってしまった

修「くそ、もう大半が座られてる…あ!」

さっきいた辺りに一個だけ空いてる!

修「ぃよし!」

座れた!香奈よ、すまない!

子「あれ?しゅうちゃんさっきそこ座ってなかった?」

修「え?…あ!!」

…しまった

子「ほら、立って!ここはダメだよ!」

修「…はい」

でもさ、もう座る場所ない

香「では修一さん、失礼します♪」

ぐ…座られた…次は俺が鬼か

修「…博麗神社に行ったことがある人!」

香奈、慧音、文が立つ…って、あれ?少なッ!!

修「え、ちょ!す、少なくない!?」

子「博麗神社って…妖怪に占拠されてるっ
ていう、あの神社でしょ?

な、なんだってー!(2回目)

いやいやいやいや、確かに妖怪が寄ってくるけども!占拠されてるわけじゃないから!

慧「よし…!」

とか言ってたらもう全部座られたしね!また俺が鬼だしね!

修「くそー!…そだな…野菜が好きな人!」

慧音、文、香奈、子供達複数人が立つ

修「ふぉおあッッ!!」

誰もよらない椅子に向かう

修「よっしゃ!」

今度は座れた!

文「あ、れ、?うわ…あ、ない…」

へぇ…今度は文が鬼と…

文「そうですねぇ、文々。新聞が楽しみな人!」

んー…まあ、若干楽しみだな

修一、慧音、が立つ

…って2人だけ!?

文「頂きッ!」

修「ぅおッ!?」

ものすごい勢いで修一の横を文が通りすぎ、修一が座っていた椅子に文が座る

なるほど、わざと人数が少ない質問をして、人という障害物を減らし、椅子に一直線に向かう事が出来る環境を作り出したと…こいつ、すげえ

慧「…あれ」

修「…あ」

…慧音の座る場所がなくなった。席は一つ空いてるが、それは慧音がさっき座っていた椅子…2回連続で座るのは禁止だ。って事は…

修「失礼します~」

慧「まいったな~」

まいったな~って言ってるけど、とても楽しそうな顔をしてるな

慧「じゃあ…宿題を忘れた人!

…誰一人立たない

慧「よかった…(ホッ)」

確認しただけかよ!

慧「なら…迷いの竹林で迷ったことがある人!」

子供が少数立つ…迷ったって、大丈夫だったんかな?

慧「よっ!」

子供「あちゃ、僕か…」

やばい、空気が良すぎる!楽しすぎる!あれ、なんでもバスケットってこんなに楽しかったっけ!?

子供「折り紙が得意な人!」

香奈だけが立つ

香「…ふぇえ!?私だけ!?」

子供「わ~い」

え、折り紙が得意な人って、香奈だけなのか!?俺はあまり得意じゃないです

香「む~…じゃあ…お姉ちゃんが好きな人!

女の子が全員立ち、一部の男子、そして慧音に文、修一が立つ。俺が立つ理由?立たないと怒られそうだから。まあ、自分で生んだからって事もあるけど

ってか香奈人気だなぁ!?なんでそんなに人気なんだ!?











そして、なんでもバスケットはとても長い時間続き、終わる頃には日が暮れ始めていた

そして全員、笑顔で別れた

大成功だった!最高!

夜「予想的中…ってね」

修「お前の場合予想的中じゃねえし、未来予知とかせこいよ」

夜「はは、ごめんごめん。じゃあ、帰るよ」

修「そんじゃ」

夜「おう」

手を降って別れを告げる。迷いの竹林に向かって歩いて行くが、やはり迷うのか、途中から飛んでいた。単に楽だからだろうけど

文「いやー、楽しかったですねぇ!」

修「そうだなー、どうするんだ?これを記事にしたりするのか?」

文「当然じゃないですか!これは流行ります!大流行です!」

香「そうですねぇ!」

修「ぅわぁッ!?」

か、香奈!?さっきまでいたか!?まさか存在感を薄くしてたのか!?ひでぇ奴だ!

慧「いや、今回は本当にありがとう、私も久しぶりに楽しく過ごせたよ」

修「あぁいえ、ではこれで」

慧「わかった。それじゃあ」

文「では、私もこれで」

修「おう、じゃあ!香奈、帰るぞ」

香「は~い」

そして、全員解散した











後日、文々。新聞には、なんでもバスケットの記事が載っていた

流行っているのか?と思い、人里に行ってみると、椅子がないということで、あまりやっている姿は見えなかった。だがそれは椅子ありの話。なんと、なんでもバスケットの椅子なしバージョンが開発されていて、むしろそっちの方が流行っていたという事が発覚した