一旦妹紅の家に戻る。修一は妹紅にお願いし、筆と紙をもらい、夜籟に渡す。スペルカードを作るためだ
例外もあるが、基本的にはあった方がいい。例えば、火符とか、水符とかだな」
夜「うん」
修「んで、スペルカードを作るのに必要なことは、イメージしながら名前を書く事だ。やってみな」
スラスラーっと、筆でスペルカードの名前を書いていく夜籟
修「斬符『ブランディッシュスラッシュ』…か」
夜「やめろ恥ずかしい」
修「餓鬼くせぇなおい」
夜「うるせぇ!お前人の事言えんのかよ!」
修「ははははは!無理」
夜「無理なのかよ!…まあいいや、で?名前は書いたけど、ここからどうするんだ?」
スペルカードをペラペラさせて修一に問いかける
修「ん?もう完成だけど」
夜「あっそう…え」
文「スペルカードは簡単だよって言ったけど、ね?簡単でしょ」
夜「いや、あの、簡単すぎるんですが」
妹「じゃあ、ややこしくするのか?」
夜「…いや、遠慮しときます」
雅「どれ、外で試してこい」
~少年外出中~
夜「いっきまーす」
全員「了解」
夜籟が札を持った状態で腕をクロスさせる
夜「斬符『ブランディッシュスラッシュ』」
その瞬間に、夜籟は腕を何度も何度も振りかざす。その度に夜籟は青白い波…いや、青白い刃を前方に放つ
ジャキィィッバキィィッ
前方の竹を斬る、斬る、斬る
全員「…」
夜「ふぅ…どう?」
修「いや、お前本当に弾幕初心者か?」
文「ありえない…初心者のくせにこんなに竹をなぎ倒すなんて…」
妹「まあ、そうだな…結構強い方だと思うぞ」
雅「同感だ」
お…意外。なかなか高評価だ
夜「はは…よし、修一!俺と勝負だ!」
全員「え」
妹「…雅、修一の強さはどれぐらいだ?」
雅「守矢神社の巫女と同じかそれ以上だ」
実際、修一はミスってあの巫女を倒してしまった。それほどの実力はある
文「夜籟、やめといた方がいいかもよ」
夜「いや?そんなことないさ。こんなヤツに負ける俺じゃあないよ」
修「んなッ…言ったな?」
こんなヤツと言われた事に少し腹を立てる修一
雅「よ、よせ…」
夜「はは、じゃあ俺に勝ってみろよ~」
修「ふっふっ…久しぶりに楽しめそうだな」
雅「…間違っても殺すなよ。酷くて重傷だからな」
夜「え」
え、今なんて言った?殺すなよ?酷くて重傷?え、え?嘘?
修「じゃあとっとと始めるぞ。ほらほらー、ご自慢の腕を見せてごらんよ~?」
修一の髪は、赤くなりつつある
夜「いや、ちょ、何?重傷って…ってか、髪の色が…」
修「あーごめんごめん、俺さ、キレたりしたら重傷を負わせる程の弾幕がでないとも限らないからさー」
夜「聞いてねえって!」
修「んなもん知るか。やるならとっととやれよ!」
修一に威圧され、身動きがとれない夜籟
夜「ざ…斬符『ブランディッシュスラッシュ』!」
腕を何度も何度も振りかざし、修一に向けて刃を投げ飛ばす
修「どうした、まだまだ甘いぞ?」
夜「全然当たんねぇえ!」
修「今度はこっちだ…春宵『桜吹雪-暁-』!」
夜「おま、お前も使うのかよ!」
修「二度とその口からこんなヤツって言わせねぇ!おらァ!」
夜「ぎゃあああ!」
修「大丈夫?」
地面に座り込み、項垂れている夜籟に修一が声をかける
夜「…調子に乗ってた…許して」
文「夜籟、あまりにも隙だらけだよ、あれじゃ、こっちの弾も当たらないし、向こうの弾を読むこともできないよ」
妹「そうだなー、まあ、初めてやったんだ。これから学んでいけばいいさ」
夜「そんなもんなのかな…」
弾幕勝負…恐ろしい
修「そうだ…夜籟、お前家とかどうすんだよ」
夜「…どうしよう」
妹「そうだな…そろそろ独立して欲しいな。夜籟が襲ってくると思うと、夜も安心して眠れないからな」
夜「ばっ…!」
ば、バカか!そんなことするわけないだろ!
妹「ともかく、できれば一晩で解決してほしい」
夜「一晩で…か」
妹「建てるとか」
夜「そんなサラッと言えるようなことじゃないって…」
修「確かに…建てるんじゃ時間がかかる…」
ほら、修一もそう言ってる…一晩で建てるなんて不可能だ
修「よし、作るか」
夜「おい」
変わんない。変わんないから。家を建てるも作るも同じだから
修「まっててー…準備オッケー」
文「…何も起きてないけど」
修「まだ行動をしてないからね…んじゃ、作りますか…よっ…」
腕を前に伸ばし、指をパキパキ鳴らすと、上昇する
修「夜籟、お前の理想の家、覗かせてもらうよ」
夜「は?おま、何を言って…」
修「以前まで使えた能力が復活したんだよ…境界を操る…物を創る…この2つを駆使すれば、お前の望む家を作れる。物を創る能力も、常識を操る能力のおかげで、触れてない物を創る事も出来るようになったからな」
夜「え、ちょ、何を言ってるのかさっぱり…」
修「なるほど…3階建ての?1階は客室…2階はリビングと風呂とキッチン…3階はベランダ付きの寝室と…んで、各階に1つずつトイレを配置…階段は螺旋状…全体的に明るめのいr」
夜「まてまて…おま、読みすぎ」
修「うっし。できた」
夜「…」
理想だ。理想の家が目の前にある…訳が分からない
夜「…」
修「おめでとう、ここがお前の家だ」
文「見事ですねぇ~」
カメラのシャッターを切りまくる文
妹「家が近い…」
雅「近所付き合いも大切って事だ」
慧「そういうことだ」
妹紅と雅がとっさに振り向くと、そこにいたのは、腕を組んで考え込んでいる慧音だった
妹「慧音じゃないか…」
慧「朝からジャキィィとかバキィィとか、すごい音がこの辺りから聞こえたから見に来て見たら…まさかあなた達だったとはね。見ない人が…3人ほどいるけど、誰?」
妹「あー、えーとな………だ」
慧「了解だ」
修「んじゃ!」
夜「おう!」
夜籟に別れを告げ、地面から足を離して新築の家から離れていく
雅「修一、また、俺のも作ってくれないか」
修「いいよー、ついでに俺のも作るし」
にしても、夜籟のヤツ…喜んでたな
…今日は博麗神社に泊まらせてもらうか
第3章 ~夜籟、幻想入り~ 完結
第4章に続く