「…集まれ。」
雅が何かつぶやく。しばらくすると、向こうから3人の冷斗が飛んで来た。
「…プランBだ。行くぞ。」
「まて、あいつはどこだ。一人足りねぇぞ。」
一人の冷斗が雅に問う。
…確かにそうだ。一人足りない。
…まあ、《天候を操る程度の能力》を持っている冷斗だろうけど。
「あぁ、あいつは今、誰かと戦っている。俺たちがあいつの元に向かうぞ。言っておくが、手出しは許さないからな。」
「分かってるよ、それぐらい…」
「とどめだァ!!」
魔理沙は冷斗に、マスタースパークを放つ。修一たちはその後ろでその極太レーザーを眺めていた。
「ちッ、また負けた…」
「へっ、対した事なかったな。」
ふと、魔理沙の目の前を通っていく一人の姿が見える。
「冷斗、大丈夫か?」
「ん?…ぁあッ!!あん時の!!」
「ん?あぁ、なんだ魔理沙か。」
「なんだじゃないぜ!というか、一回でも負けたら、もう勝負しかけてくるんもんじゃないぜ!!」
「いや、そういう用事じゃないんだけど…」
「?…じゃあ何のようだ?」
「ついて来て。」
「は?何を言っ…」
一瞬、修一の目が本気になる。様は、目力が強くなる。
「…頼む。紫がいない以上、お前達、実力者に頼むしかないんだ。」
「あ、あぁ…いいぜ?…で、私は一体何をするんだ?」
「それは、みんな集まってから話す。東風谷、雅、冷斗、行くぞ。」
「うん。」
「ああ。」
「チッ、ちょっとは休ませろっての…」
冷斗は4人とも、霊夢、咲夜、魔理沙に、撃退された。と言っている。レミリア?多分木陰にいたから、撃退はしていない。という思考だろ。
「霊夢!」
異変解決した霊夢は、木陰で休んでいた。
「ッ!…って、恭次郎じゃない。」
「誰だよ恭次郎って。修一だよ。」
「あらごめんなさい、修一。」
とんでもねぇ間違いだな…
「まあ、ここで一つ霊夢にお願いごとが。」
「何?今から神社に帰って宴会の準備をしようと思ってたのに。」
「まあそれもいいけど、頼む。」
霊夢がすこし考え込む。
「…そうね、宴会の準備を手伝ってくれるなら、考えてあげるわ。」
「手伝うよ。」
即答だった。
「ならいいわ。で?何をすればいいの?言いわすれたけど、する事にもよるわよ?」
「…とりあえず着いて来て。」
これで、俺と雅、冷斗に東風谷に魔理沙に霊夢。
「よし、あとは…」
「咲夜…やっと見つけた。」
咲夜は、日傘をさして、その影にレミリアがチョコンと入っている。
「あら、修一様、さっきぶりですね。」
「さっきぶり。…って、レミリアは、曇りとかじゃないと不自由なんだな。」
レミリアが少し睨んでくる。
「う、うるさい。」
「…冷斗、曇らせてくれ。」
「軽いよ、それぐらい。」
空が曇り始める。かなり分厚そうだ。
「あ、ありがとうございます。」
傘を閉じる咲夜。なんか反論し難い立場にいるレミリア。
「…で、失礼ですが、一体なんのご用でしょうか?」
「いや、手伝って欲しい事があるんだ。」
「手伝って欲しい事…ですか?」
「修一…といったかしら?」
レミリアが話しかけてくる。
「あ、あぁ。」
「何を手伝って欲しいのかしら?」
「…東風谷、魔理沙、霊夢、お前達も聞けよ?」
「え?」
「ん?」
「え?」
「えぇッ!?」
「はあ!?」
「え?」
「…」
「ひえー…」
雅の考えたプラン…6つある内の1つ、プランBとは、外から幻想郷に侵攻してくる人間を、実力者の手で追い出すという計画だった。
「…たのむ、そろそろくるはずだ。」
「わ、分かったわ…容赦しなくていいのね?」
「あーでも…殺さない程度に。」
「弾幕はパワーだぜ?手加減しろっていうのか?」
「そういう事だ。」
「あら、それは困りましたわね。私の弾幕はリアルなナイフですから。手加減のしようがありません。」
「あ…」
「大丈夫よ咲夜、私が出るわ。曇りなんだったら、私も自由の身よ?」
なにやら嬉しそうな顔を見せるレミリアに、咲夜が微笑む。
「それは良かったです。」
「…来た!」
森の奥に見える何人もの影。
森から出てきた何人もの影は、全身黒スーツの男たちだった。
「ほう…これまた盛大なお出迎えだな。」
リーダー的なヤツがつぶやく。
「とうとう来たか。残念だが、この世界はお前らが来ていい場所じゃない。さっさと帰るんだな。」
雅が説得をする。
「嫌だ…と言ったら、どうする?」
「意地でも追い出す。」
そう言って、空を飛ぶ雅。
「やはり、こいつも飛べるのか…」
「こいつも…?どういう事だ。」
「さっき、ここにくる時に飛んでいる妖怪を見つけてな、今捕らえている。おい、連れてこい。」
そういうと、部下と思われる男たちが、何か鎖で繋いで運んで来る。
運ばれて来たのは、黒いワンピースっぽい何かを着ている、金髪の…赤い髪飾り…って…
「…あれは…」
修一は目を凝らす。見覚えがあるからだ。
「…ルー…ミア…!!」
「この鎖は特別でな、こいつで動きを封じた妖怪、妖精の能力を抑える事ができる。もちろん、物理的な力も、人と同じぐらいに落とせる。」
「てめえ…何してくれてんだ!!」
「やる気か?ならかかってくるんだな!!」