…う…頭が痛い…足も…腕も…俺は一体、何をしていたんだっけ…えーと…思い出せない…確か、誰かを運んだのは覚えているんだけど…うーん…もう少し休みたいな…全身痛いし。
…すか…
…大丈…すか
「大丈夫ですか!?」
誰かの声にハッと目が覚める。修一は、声の主を探す。そして、正面に声の主と思わしき人がいた。
「…えっと…ここは…」
振り返ると、気が遠くなりそうな程の階段…俺はここを知っている。記憶をたどっていく。魔理沙と共に冥界に行くために、階段登って、おんぶして…あ、思い出した。
そうだ。ここで倒れたのか。ここでぶっ倒れたのか。と、修一は確信した。なら、魔理沙もここにいるはず…と、あたりを見渡す。
「いた…」
修一の真後ろに魔理沙はいた。まだ寝込んではいるが、先ほどよりも顔色は良くなっている。やっぱり、病み上がりでこの長い階段は無理があったんだな。
「あの…大丈夫ですか?」
「え?あぁ…大丈夫。それより…誰ですか?」
「それはこちらの台詞です。どうしたんですか、こんな所で倒れてて…なにかあったとか…」
「あぁ、いや、この長~い階段を登っていたら、俺も魔理沙も疲れが出てきて、ここに着いた時に限界が来たんだと思う。」
「…ところで、お名前は?」
「あ、ごめん、忘れてました。俺の名前は、 暁 修一。以後、お見知り置きを。」
「修一さん…でよろしいですね?」
問題などない。即答だった。
「えぇ、構いません。」
「わかりました。では、私の名前は、魂魄 妖夢と言います。よろしくです。」
「妖夢…でいいかな?」
「はい。構いませんよ。」
「そうか…妖夢…妖夢?」
どこかで聞いた響きだな。と思う。たしか魔理沙が…あ。
「妖夢?間違いないよな?」
「え?えぇ。間違いなく妖夢です。」
「よかった…いや、俺は魔理沙と共に妖夢って奴を探してたんだよ。まぁ、探すというよりかは、会いに行くと言った方がいいかもしれないけど…」
「…私に…ですか?なんで…」
「いや、魔理沙から聞いた話だと、一番信用できそうな気がして…俺ってさ、人の話を疑えないんだよね。」
妖夢の目つきが鋭くなった。
「…修一さん。人の話を疑わず、すぐに真実として捉えるのは危険ですよ。もし私があなた達に敵対する存在だったら…」
キッと何かを首元に突きつけられた。目に見えない速さゆえ、 何を突きつけられたのか、そもそも突きつけられたのかさえ分からなかった。
って、やばい…嫌な予感しかしない
「…このまま襲われていたのかもしれないんですよ。」
「は…はい。」
あまりの圧倒感に、金縛りにあったかのように体が動かなくなった。
「…私はそういう警戒心のない人があまり得意ではありません。」
首元に突きつけていたと思われる刀を、ゆっくりと鞘に収める。
チャキッと完全に鞘の中に刀身が入りきった瞬間、ドッと疲れが出てきた。額から汗が流れてくるのがはっきりと分かる。人は、緊張から解かれると汗が出てくると聞くが、これは別の汗だと思う。
「警戒心を持ってくださると私としても嬉しいのですが…」
「え?ぁ、え、はい…」
「はぁ…まぁ、私は別に敵対するとか、そんなことはしないので安心して下さい。それに、魔理沙は信用でき………る………と思うので安心ですけど。」
「なんで戸惑うんですか。」
かるいツッコミをいれてみる。
「なんていうか…まぁ、信用できるけど…魔理沙自身、事がごちゃごちゃになると強行手段に出ることが多いからあまり得意では…」
「…なんか納得できる。」
確かに魔理沙は強行手段をモットーにしていてもおかしくないようなイメージだ。現に紅魔館の門番をぶっ飛ばした上、無理矢理入ったりしているし…と思った。
「う…」
後ろで声がした。今修一の後ろにいるのは魔理沙だ。魔理沙の声か?と思った。
「あ、魔理沙。大丈夫か?」
案の定声の主は魔理沙だった。
「ここは…あ、修一…と、妖夢か…ってことはここは…白玉楼か。」
「白玉楼?」
「あ、修一さんにはまだお話していませんでしたね。ここは冥界にある、白玉楼という屋敷です。」
「へー…冥界か…」
冥界…冥界って死後の世界だよな………
ぅえッ⁉
バッと自分の手を見る…透けていない。
「…どうしたんだ?修一…」
「えっ…ああ、俺死んだのかと思って…ここ冥界だから。」
「いや、だからさ、ここにくる前言っただろ、死にはしないって。」
「うん…まぁ…とにかく妖夢。」
え?私が何か?といった表情でこちらを向く
「少し…協力してくれないか?」
「で…どういう理由なんですか?」
妖夢に案内されて、白玉楼の…茶の間って感じの部屋に来ている。会話の内容は、協力とは何に協力するのか。そもそもなぜ私なのか。という事。
「全体的な理由を言わないとわからないよな…なぁ、魔理沙。」
「まぁ…そうだな。」
「まぁ、これまでの事を言わないと理由は語れないし、それだけは話させてくれないか?」
「…まぁ、いいですけど。」
妖夢の了承も得たので、今までの経歴を話す。修一のご先祖様の事から、昨日の事まで。とにかく話した。こういう話はもう飽きてますよ。でも話さないとダメなんですよね。
「…というわけ。」
「…つまりあなた達は、私にその冷斗という奴を倒す事を手伝ってほしい…という事ですね?」
「はい。駄目…ですか?」
「駄目というわけではないんですが…こちらの都合にあわなければ、残念ながら、お手伝いできません。」
という事は、妖夢が協力してくれる確率は、半々、又はそれ以下って事だ。
「なるほど…まぁ、こっちも、無理にとは言わないから別にいいけど。ただ、俺たちが急用があるってなった場合は、協力してくれると嬉しいんだけど…」
「まぁ…場合によりますね。まぁ、行けない方が少ないと思いますが。」
仕方が無いといった感じだった。
「わかりました。」
「あ、用事はこれでおしまいですか?」
「あー…魔理沙、どうなんだ?」
魔理沙に聞いてみる。
「まぁ…別に無いが…一応幽々子にも話を通しておいてくれ」
「わかりました。」
それに了承したようで、こっくりと頷く。
「幽々子?誰?」
「ここの主と思ってくれ。」
魔理沙がそういう。
「わかった。」
「では、幽々子様にも話を通しておきます。」
「頼むぜ。」
念を押した魔理沙が立ち上がる。
「じゃ、俺たちは帰るぜ。じゃぁな。」
「あぁ、お邪魔しました。」
魔理沙について行く修一。
廊下、玄関、中庭を通り、階段前のまで来て、ゆっくりと、階段を降り始める。
はずだった…
「久しぶりだな!修一だっけ?」
後ろからの突然の奇声が聞こえた。振り返らずにはいられなかった。
振り返った修一は、その場で驚愕、硬直した。
「冷…斗!?」
その姿は紛れもなく冷斗だった。冷たい目、修一と同じぐらいの身長、不気味な笑み…間違いなく冷斗だった。
それに対し修一は、驚きを隠せなかった。また誰かを傷つけるのか!と、怒りもこみ上げて来た。
「冷斗…お前…」
「え?どうした?」
嘲笑う冷斗に、修一が聞く。
「なんでここにいるんだ!なんでだ!お前は俺が倒したんじゃなかったのか!?」
そもそも、冷斗はこの前俺が仕留めたはずだ。その言葉には、怒りも混じっていた。
「あれ?言ってなかったっけ?次はこうはいかないって…君、耳大丈夫?」
「…てめぇ…調子のんなよ…?」
心の底から怒りがこみあげてくる。能力の発動も既に行っている。妹紅の能力しか使っていないが…
今の修一の心の中は、怒りで埋め尽くされた。
…すか…
…大丈…すか
「大丈夫ですか!?」
誰かの声にハッと目が覚める。修一は、声の主を探す。そして、正面に声の主と思わしき人がいた。
「…えっと…ここは…」
振り返ると、気が遠くなりそうな程の階段…俺はここを知っている。記憶をたどっていく。魔理沙と共に冥界に行くために、階段登って、おんぶして…あ、思い出した。
そうだ。ここで倒れたのか。ここでぶっ倒れたのか。と、修一は確信した。なら、魔理沙もここにいるはず…と、あたりを見渡す。
「いた…」
修一の真後ろに魔理沙はいた。まだ寝込んではいるが、先ほどよりも顔色は良くなっている。やっぱり、病み上がりでこの長い階段は無理があったんだな。
「あの…大丈夫ですか?」
「え?あぁ…大丈夫。それより…誰ですか?」
「それはこちらの台詞です。どうしたんですか、こんな所で倒れてて…なにかあったとか…」
「あぁ、いや、この長~い階段を登っていたら、俺も魔理沙も疲れが出てきて、ここに着いた時に限界が来たんだと思う。」
「…ところで、お名前は?」
「あ、ごめん、忘れてました。俺の名前は、 暁 修一。以後、お見知り置きを。」
「修一さん…でよろしいですね?」
問題などない。即答だった。
「えぇ、構いません。」
「わかりました。では、私の名前は、魂魄 妖夢と言います。よろしくです。」
「妖夢…でいいかな?」
「はい。構いませんよ。」
「そうか…妖夢…妖夢?」
どこかで聞いた響きだな。と思う。たしか魔理沙が…あ。
「妖夢?間違いないよな?」
「え?えぇ。間違いなく妖夢です。」
「よかった…いや、俺は魔理沙と共に妖夢って奴を探してたんだよ。まぁ、探すというよりかは、会いに行くと言った方がいいかもしれないけど…」
「…私に…ですか?なんで…」
「いや、魔理沙から聞いた話だと、一番信用できそうな気がして…俺ってさ、人の話を疑えないんだよね。」
妖夢の目つきが鋭くなった。
「…修一さん。人の話を疑わず、すぐに真実として捉えるのは危険ですよ。もし私があなた達に敵対する存在だったら…」
キッと何かを首元に突きつけられた。目に見えない速さゆえ、 何を突きつけられたのか、そもそも突きつけられたのかさえ分からなかった。
って、やばい…嫌な予感しかしない
「…このまま襲われていたのかもしれないんですよ。」
「は…はい。」
あまりの圧倒感に、金縛りにあったかのように体が動かなくなった。
「…私はそういう警戒心のない人があまり得意ではありません。」
首元に突きつけていたと思われる刀を、ゆっくりと鞘に収める。
チャキッと完全に鞘の中に刀身が入りきった瞬間、ドッと疲れが出てきた。額から汗が流れてくるのがはっきりと分かる。人は、緊張から解かれると汗が出てくると聞くが、これは別の汗だと思う。
「警戒心を持ってくださると私としても嬉しいのですが…」
「え?ぁ、え、はい…」
「はぁ…まぁ、私は別に敵対するとか、そんなことはしないので安心して下さい。それに、魔理沙は信用でき………る………と思うので安心ですけど。」
「なんで戸惑うんですか。」
かるいツッコミをいれてみる。
「なんていうか…まぁ、信用できるけど…魔理沙自身、事がごちゃごちゃになると強行手段に出ることが多いからあまり得意では…」
「…なんか納得できる。」
確かに魔理沙は強行手段をモットーにしていてもおかしくないようなイメージだ。現に紅魔館の門番をぶっ飛ばした上、無理矢理入ったりしているし…と思った。
「う…」
後ろで声がした。今修一の後ろにいるのは魔理沙だ。魔理沙の声か?と思った。
「あ、魔理沙。大丈夫か?」
案の定声の主は魔理沙だった。
「ここは…あ、修一…と、妖夢か…ってことはここは…白玉楼か。」
「白玉楼?」
「あ、修一さんにはまだお話していませんでしたね。ここは冥界にある、白玉楼という屋敷です。」
「へー…冥界か…」
冥界…冥界って死後の世界だよな………
ぅえッ⁉
バッと自分の手を見る…透けていない。
「…どうしたんだ?修一…」
「えっ…ああ、俺死んだのかと思って…ここ冥界だから。」
「いや、だからさ、ここにくる前言っただろ、死にはしないって。」
「うん…まぁ…とにかく妖夢。」
え?私が何か?といった表情でこちらを向く
「少し…協力してくれないか?」
「で…どういう理由なんですか?」
妖夢に案内されて、白玉楼の…茶の間って感じの部屋に来ている。会話の内容は、協力とは何に協力するのか。そもそもなぜ私なのか。という事。
「全体的な理由を言わないとわからないよな…なぁ、魔理沙。」
「まぁ…そうだな。」
「まぁ、これまでの事を言わないと理由は語れないし、それだけは話させてくれないか?」
「…まぁ、いいですけど。」
妖夢の了承も得たので、今までの経歴を話す。修一のご先祖様の事から、昨日の事まで。とにかく話した。こういう話はもう飽きてますよ。でも話さないとダメなんですよね。
「…というわけ。」
「…つまりあなた達は、私にその冷斗という奴を倒す事を手伝ってほしい…という事ですね?」
「はい。駄目…ですか?」
「駄目というわけではないんですが…こちらの都合にあわなければ、残念ながら、お手伝いできません。」
という事は、妖夢が協力してくれる確率は、半々、又はそれ以下って事だ。
「なるほど…まぁ、こっちも、無理にとは言わないから別にいいけど。ただ、俺たちが急用があるってなった場合は、協力してくれると嬉しいんだけど…」
「まぁ…場合によりますね。まぁ、行けない方が少ないと思いますが。」
仕方が無いといった感じだった。
「わかりました。」
「あ、用事はこれでおしまいですか?」
「あー…魔理沙、どうなんだ?」
魔理沙に聞いてみる。
「まぁ…別に無いが…一応幽々子にも話を通しておいてくれ」
「わかりました。」
それに了承したようで、こっくりと頷く。
「幽々子?誰?」
「ここの主と思ってくれ。」
魔理沙がそういう。
「わかった。」
「では、幽々子様にも話を通しておきます。」
「頼むぜ。」
念を押した魔理沙が立ち上がる。
「じゃ、俺たちは帰るぜ。じゃぁな。」
「あぁ、お邪魔しました。」
魔理沙について行く修一。
廊下、玄関、中庭を通り、階段前のまで来て、ゆっくりと、階段を降り始める。
はずだった…
「久しぶりだな!修一だっけ?」
後ろからの突然の奇声が聞こえた。振り返らずにはいられなかった。
振り返った修一は、その場で驚愕、硬直した。
「冷…斗!?」
その姿は紛れもなく冷斗だった。冷たい目、修一と同じぐらいの身長、不気味な笑み…間違いなく冷斗だった。
それに対し修一は、驚きを隠せなかった。また誰かを傷つけるのか!と、怒りもこみ上げて来た。
「冷斗…お前…」
「え?どうした?」
嘲笑う冷斗に、修一が聞く。
「なんでここにいるんだ!なんでだ!お前は俺が倒したんじゃなかったのか!?」
そもそも、冷斗はこの前俺が仕留めたはずだ。その言葉には、怒りも混じっていた。
「あれ?言ってなかったっけ?次はこうはいかないって…君、耳大丈夫?」
「…てめぇ…調子のんなよ…?」
心の底から怒りがこみあげてくる。能力の発動も既に行っている。妹紅の能力しか使っていないが…
今の修一の心の中は、怒りで埋め尽くされた。