「いやー、パチュリー、この本ありがとな。」
今僕は紅魔館に来ている。パチュリーに本を返しに来た。この本読んで作った陣はたった一つなんだけど…
「そう、役立ったのね、魔法陣。で、どういう使い方をしたの?」
「え?地面に威力増大の陣を書いて、火を炎のレベルにまで上げた。それだけ。」
「ふぅん…ちょっとその時の陣を書いて頂戴。」
「あぁ、いいよ。」
パチュリーに紙とペンを渡される。…電気も工場もないのに一体何処でペンを手にいれたんだ…
「なぁ、このペンは何処で手にいれたんだ?」
「このペン?スキマ妖怪に渡されたの。たまには役立つわね、あの妖怪。」
「あぁ、紫か…」
うん、納得。あの妖怪は、幻想郷と外を行き来できるからな…
「………よし、これで間違いない。」
「どれ、ちょっと見せて…」
しばらくして
「修一、私なりにアレンジしてみたわ。前より威力が増すし、制御もしやすくなったと思う。ついでに陣を小さくしたわ。これで書きやすくなるでしょ。」
「どんなの?」
紙を見る。…俺が書いた陣がかなりアレンジされている。ダメだ。原型とかけ離れている。しかも簡単に描けそう。
「ちょっと外で試してみたら?」
「オッケー、やってくる。」
すたこらと外にでる。えーと、何もないところ…あ、あそこなら…
「美鈴~」
そう、門の外だ。
「あ、修一さん、もうお帰りに?」
「いや、パチュリーに、魔法陣のアレンジをしてもらってね、今から試そうと思うんだけど、館内じゃ咲夜さんに殺されそうで…」
「な、なるほど…それで門の外に。」
「そゆこと。…俺もどうなるかわかんないんだよ…」
「そうですか…それなら、あそこに川がありますが、そこは人気もないですし、比較的安全だと思いますよ?」
「へ~、向こう?」
「はい。あそこです。」
「ありがと。いってくる。」
「あ、はい。」
ほう、あの川か…
「よっと。」
魔法陣が描いてある紙を川の畔に置く。
「よっ。」
火を起こす。前より少し威力が上がってる。やったね俺。
その火を魔法陣の真上に持ってくる。
さあ、ここからが勝負だ。
とにかく火を安定させたまま魔法陣を発動させてみる。手もかざさずに。
「……」
魔法陣が発動する。神社に帰って考えていた事だが、もしかしたらモーションなしで発動できるのではないかという発想から、今回はノーモーションで発動させる事に成功。やばいな、楽だ~。本当に制御しやすい。
すると魔法陣の力で強化された火は炎にレベルアップ。しかしまだ強くなる。火炎の光で赤くに染まる川。やばいな、超熱い。しかし、まだ強くなる傾向があるため、もうここでストップ。
「ふぅ…熱いな…風でも起こすか…」
最近使えるようになった風属性の魔法を使う。なぜ氷でなく風なのか。それは、まだ氷が使えないからです。うわー、涼しい。しばらく自分の周りだけ風を起こしたいけど、まだそこまで制御できないからな…パチュリーのとこに戻ろう。
「…という結果だ。」
「どう?使いやすかったでしょ?」
「あぁ、かなり制御しやすかった。ノーモーションで発動出来たし…」
「でしょうね。あと、これは修一の七つの魔法すべての威力増大効果があるわ。両腕に入れ墨感覚で目立たない程度に書いといたら?」
「あー、でも消えないんだろ?」
「消えるわよ。消したい時は私のところに来たらいいわ。」
「あ、それならお願いしたいな。」
「入れるのね。どこにする?」
極力目立たないところ…そんな、二の腕とかにしたらヤンキーもいいところだ。温泉行けなくなる。だとすると…
「手のひらに。」
目立たない場所っていったのに結局手のひら。
「あぁ、そこね。わかったわ。すぐ終わるわよ。」
パチュリーが両腕をかざすと、俺の手のひらに魔法陣が刻まれた。しかもご丁寧に小さく、わかりにくい色に。
「おおお!ありがとう!」
「いいわよ、別に。それより、レミィに挨拶しなくていいの?」
「レミィ?」
「レミリア・スカーレット、ここの主人。挨拶しに行った方がいいわよ。」
「あー、確かに。」
「咲夜、修一を案内してあげて。」
「わかりました。」
いきなり現れる咲夜さん。いや、びびった。
「どこに案内すればよろしいのですか?」
「レミィのところに。」
「かしこまりました。修一様、こちらへ。」
「あ、はい。」
とりあえずついて行く。図書館を出て廊下に出るが、見渡す限り本当に赤色。他に色ないのか?
「修一様。こちらです。」
「えと、ここ?」
「はい。」
「ヘェ~。でけぇ…」
なんか普通の扉より大きい気がする。んで咲夜さんは、レミリアお嬢様、お客様です。パチュリー様の命で連れて来ました。とか言ってるし。
「では、お気を付けて。」
「あ、はい。」
妙に重そうな扉を開けて、部屋の中に入る。あ、ここも赤い。まて…お気をつけて…?
「咲夜、こいつは誰?」
「暁 修一という、外の人間です。」
…あれが主人?まだ子どもじゃないか。髪が水色で目が赤い。…どっかでそんなキャラクターいたような…
「あ、はじめまして、暁 修一です。」
「私はこの紅魔館の主人、レミリア・スカーレットよ。あなたは外の人間なのね。」
「え?はい。」
「さて、あなたの血は美味しいのかしらね。少しいただくわ。」
「え?ちょっと……あれ?」
体が動かない。ピクリとも。額から汗がでる。やばい、何かやばい。
「さてと、どこから吸って欲しい?」
「ちょっと…咲夜さん…」
咲夜さんに助けを求める。しかし首を縦には振らない。
「申し訳ありません。お嬢様の命令や、不満になる行動などは禁じられております。」
「そ、そんな…」
くそっ、動けない…逃げたいのに…仮に動けても倒せる気がしない。
「じ、じゃぁ咲夜さん、このレミリアさんはどれぐらい血を吸うんですか?」
「そうですね、大体重度の貧血から、失血死するぐらいお吸いになられます。ご希望がございましたら、お葬式の手続きもさせてもらいますが、火葬がよろしいですか?土葬がよろしいですか?」
「そ、そんな…いきなり葬式の話なんて、不吉な事やめて…」
「あら?そんなに嫌なのかしら?」
「嫌も何も、死にたくはないって。」
「ふぅん、まあ、どうでもいいけど…」
っ!レミリアが目をそらしたら体が少し動いた。よし、今のうちに妹紅の能力をー‼
「…お前、今何をした?」
よし、間に合った。でも体は動かなくなった。
「え?よ、予防を。」
「そ、じゃ、首からいただくわね。」
かぷっと首筋に犬歯が刺さる。
「いッ…」
「………」
血をごくごく飲んでいるレミリアは、無口になった。てかこぼしすぎ、こぼしすぎ。
「う…」
「………」
頭がふら~ってなる。血がかなり吸われてるのがわかる…というか、飲んでる量よりこぼしてる量の方が多いような…
「ちょ…ストッ…」
「………もうひょっとらへ(もうちょっとだけ)」
やばい…頭が…
「…う……」
「あ!起きた!」
「こ…小傘?なんでここに…」
「え?私は昨日からずっとここにいたよ?」
「あら、修一、起きたの。」
「霊…夢?」
「そうよ。」
「って事はここって…」
「そう、博麗神社よ。」
「やっぱり…あれ?でもなんでここに…」
「咲夜が運んで来たのよ。死んだ修一をかついで。」
「え…死んだ?」
「そうよ。あんた死んでいたのよ。あんたの事だから不老不死になってやり過ごすと思ってたからどうってことなかったけど…ただ、小傘がねぇ…」
「え?私?」
「最初泣いてたのよね~。修一が死んだーって。」
「う…」
「マジか。」
「修一の能力を言ったらすぐ泣き止んで、全く、変なやつに好かれたわね。」
「え、ははは…」
「全く…もうこんな時間よ?」
「え?」
ぱっと外を振り返る。…あ。真っ暗だな。
「いや、ごめん、お詫びにご飯でも作るよ。」
「あら、いいの?じゃぁ、お願いしようかしら。」
「おぅ、任せとけ。これでも料理は苦手ではないぞ。」
「あ、私も手伝いたい…」
「手伝ってくれるのか?いや、悪いな、まぁしたいんだったら、お願いしようかな?」
「うん、任せて!」
「あんた何時までいるのよ…」
「修一が帰るまで。」
「マジか。」
「ねぇ、作るんだったら早く作ってよ…」
「あぁ、そうだな。小傘、頼む。」
「わかった。」
…しまった。ここは幻想郷だということを忘れていた。ガス、電気があるわけない。
「さて、参ったな…って小傘は何をしてんだ?」
さっきから釜をずっと見つめてる。
「え?お米炊いてるの。いい具合に炊きたいから、ずっとここでお米見てていいかな?」
「え?いいけど…傘邪魔じゃぁ、たためば?」
「おっと。」
やっぱり邪魔だったんだな。
「さてと、俺はどうしようか…」
完全に参った。今近くにあるのは、塩、香辛料の類少々、人参、大根、レンコン、ピーマン、じゃがいも、白菜…なんか野菜炒め作れって言ってるみたいだな…レンコンはいらんな…よし、そうするか。え?ピーマン?なんでここに?
『気にしたら負け。』
「………」
頭の中に紫さんの声が響いた…そうか、気にしたら負けか…まぁいいか。
さてと、フライパン…がないから、鍋で応用するか。
火は、薪をおいて、魔法で、よっと。よし、これでいいか。
さぁ、本格的な料理いってみよう!!
「お待たせ。」
「お待たせ~」
「ああ、出来たのね。どう?うまく出来た?」
「いや、外の世界との台所の作りが違うから、最初はかなり焦ったけど、小傘のおかげでなんとか…」
「へへへ~」
「まぁいいわ、いただきましょう。」
「そうだな。」
「美味しそう…」
「それじゃ、」
「「「いただきます。」」」
お米…美味すぎだろ。
野菜炒め…至って普通
まぁ、全体的に美味い。
「米美味すぎだろ…何?どこの米?コシヒカリ?」
「コシヒカリ?何それ、里で買ってきた米よ。」
「里で買ってきた?マジで美味い。」
「多分、炊き加減がいいのね。小傘…やるわね。」
「へへへ~、驚いた?」
「いや~、驚いた。小傘、今度からこれで人を驚かせば?みんな驚くぞ?」
「うそっ。」
「本当。なぁ、霊夢。」
「私は知らないわよ、」
霊夢は上の空だな。お前、巫女としてどうなんだよ。
食事後しばらくして、
「そういえばさ、魔理沙ってミニ八卦路って武器的なの持ってるだろ?」
「持ってるわね。」
「霊夢は武器的なの持ってるのか?」
持ってなさそうなんだけど…
「持ってるわよ。」
あ、持ってるんだ。人は見かけで判断してはいけないな。
「札とか針とか…」
まて、怖い。針て、針ておま、何に使うんだよ。
「霊弾だけじゃないんだな…」
「そういうこと。」
「小傘は?」
「私?私はこの傘をぶんぶん回して…」
「傘が武器か…」
「うん。」
「俺も武器欲しいな…槍とか…」
男の子の憧れですよ。槍とか、太刀とか、拳銃とか。
「あ、槍なら紅魔館のレミリアが持ってたわよ。」
「あー、だぶるの嫌だな…それなんて名前?」
「えっと…スピア・ザ・グングニルだったと思うわ。」
「なんか…そのまんまだな。」
「でも確か、妹も似たようなの持ってたわね。」
「マジで?っていうかレミリアに妹がいんの?」
「レーヴァテインって名前の槍だったかしら…」
「無視かよ……槍…あ、あの槍なら…霊夢、それってスペルカードで出現させるんだよな。」
「え?そうよ。」
「スペルカードの作り方を教えてくれ。」
「簡単よ。まず、この紙と、筆を用意して、その技や武器をイメージして、名前を書いていくの。」
「そ、そんなに簡単なのか…よし、作ってみる。」
「がんばって。」
えーと、あの槍は…赤くて…ぐるぐるねじれてて…先が二股で…
「…よし、出来た。」
「何それ。」
「…名付けて、聖槍『スピア・オブ・ロンギヌス』だ!!!」
和訳すると、ロンギ○スの槍のはずだ。
…間違ってても、改正はしない。
「変な名前…使ってみたら?」
「変な名前て、…まぁ、何はともあれ、使ってみるか。いやまて、使い方知らない…」
「簡単よ。カード名を言って、終わり。」
「マジで?簡単。」
「簡単よ。ほら、外に行って試してみなさい。」
「了解。」
「さて…いきます。」
「がんばれー。」
「頑張れ~!」
「いくぞ!聖槍『スピア・オブ・ロンギヌス』!!!!」
カッとカードが光る。すると、目の前に赤い光で包まれた棒が生まれ、手元に握られる。
「…成功だ。求めていたものと同じだ!」
「それが…スピア・オブ・ロンギヌス…ただの槍じゃない。」
まあ、このエヴ○好きは、学校一と言っても過言ではないからな…エヴァに関して俺に勝てるヤツは真のオタ…だけだろうな。
いや、本題はそこじゃない。このスピア・オブ・ロンギヌスは、どういう物なのかを調べないと…
「振ったら何か起こるかも。」
適当に振ってみる。
カキィィィィンと、オレンジ色で半透明な八角形のシールドっぽいものが出来る。これって…あれ?ロンギ○スの槍からA.T.フィー○ドが発生するなんてまず無いのに…あれ?なんかおかしい。
「な、何それ…盾?」
「ま、まぁ、一種の…」
これが正しいロン○ヌスの槍なら、A.T.○ィールドをいとも簡単に突き破るはず…
「…えい」
槍でつついてみる。破れた。戻す。直った。指でつついてみる。硬すぎ。あれ~?おかしいな。A.T.フィ○ルドと、アンチA.T.○ィールドの二つの特性を掛け合わせてる…マジかよ。
「それより、そろそろ紫の能力は使えるのかしら?」
「あぁ、そういえば。」
確認してみる。うん。確かに…使える。
…よし。帰るかな…?
今僕は紅魔館に来ている。パチュリーに本を返しに来た。この本読んで作った陣はたった一つなんだけど…
「そう、役立ったのね、魔法陣。で、どういう使い方をしたの?」
「え?地面に威力増大の陣を書いて、火を炎のレベルにまで上げた。それだけ。」
「ふぅん…ちょっとその時の陣を書いて頂戴。」
「あぁ、いいよ。」
パチュリーに紙とペンを渡される。…電気も工場もないのに一体何処でペンを手にいれたんだ…
「なぁ、このペンは何処で手にいれたんだ?」
「このペン?スキマ妖怪に渡されたの。たまには役立つわね、あの妖怪。」
「あぁ、紫か…」
うん、納得。あの妖怪は、幻想郷と外を行き来できるからな…
「………よし、これで間違いない。」
「どれ、ちょっと見せて…」
しばらくして
「修一、私なりにアレンジしてみたわ。前より威力が増すし、制御もしやすくなったと思う。ついでに陣を小さくしたわ。これで書きやすくなるでしょ。」
「どんなの?」
紙を見る。…俺が書いた陣がかなりアレンジされている。ダメだ。原型とかけ離れている。しかも簡単に描けそう。
「ちょっと外で試してみたら?」
「オッケー、やってくる。」
すたこらと外にでる。えーと、何もないところ…あ、あそこなら…
「美鈴~」
そう、門の外だ。
「あ、修一さん、もうお帰りに?」
「いや、パチュリーに、魔法陣のアレンジをしてもらってね、今から試そうと思うんだけど、館内じゃ咲夜さんに殺されそうで…」
「な、なるほど…それで門の外に。」
「そゆこと。…俺もどうなるかわかんないんだよ…」
「そうですか…それなら、あそこに川がありますが、そこは人気もないですし、比較的安全だと思いますよ?」
「へ~、向こう?」
「はい。あそこです。」
「ありがと。いってくる。」
「あ、はい。」
ほう、あの川か…
「よっと。」
魔法陣が描いてある紙を川の畔に置く。
「よっ。」
火を起こす。前より少し威力が上がってる。やったね俺。
その火を魔法陣の真上に持ってくる。
さあ、ここからが勝負だ。
とにかく火を安定させたまま魔法陣を発動させてみる。手もかざさずに。
「……」
魔法陣が発動する。神社に帰って考えていた事だが、もしかしたらモーションなしで発動できるのではないかという発想から、今回はノーモーションで発動させる事に成功。やばいな、楽だ~。本当に制御しやすい。
すると魔法陣の力で強化された火は炎にレベルアップ。しかしまだ強くなる。火炎の光で赤くに染まる川。やばいな、超熱い。しかし、まだ強くなる傾向があるため、もうここでストップ。
「ふぅ…熱いな…風でも起こすか…」
最近使えるようになった風属性の魔法を使う。なぜ氷でなく風なのか。それは、まだ氷が使えないからです。うわー、涼しい。しばらく自分の周りだけ風を起こしたいけど、まだそこまで制御できないからな…パチュリーのとこに戻ろう。
「…という結果だ。」
「どう?使いやすかったでしょ?」
「あぁ、かなり制御しやすかった。ノーモーションで発動出来たし…」
「でしょうね。あと、これは修一の七つの魔法すべての威力増大効果があるわ。両腕に入れ墨感覚で目立たない程度に書いといたら?」
「あー、でも消えないんだろ?」
「消えるわよ。消したい時は私のところに来たらいいわ。」
「あ、それならお願いしたいな。」
「入れるのね。どこにする?」
極力目立たないところ…そんな、二の腕とかにしたらヤンキーもいいところだ。温泉行けなくなる。だとすると…
「手のひらに。」
目立たない場所っていったのに結局手のひら。
「あぁ、そこね。わかったわ。すぐ終わるわよ。」
パチュリーが両腕をかざすと、俺の手のひらに魔法陣が刻まれた。しかもご丁寧に小さく、わかりにくい色に。
「おおお!ありがとう!」
「いいわよ、別に。それより、レミィに挨拶しなくていいの?」
「レミィ?」
「レミリア・スカーレット、ここの主人。挨拶しに行った方がいいわよ。」
「あー、確かに。」
「咲夜、修一を案内してあげて。」
「わかりました。」
いきなり現れる咲夜さん。いや、びびった。
「どこに案内すればよろしいのですか?」
「レミィのところに。」
「かしこまりました。修一様、こちらへ。」
「あ、はい。」
とりあえずついて行く。図書館を出て廊下に出るが、見渡す限り本当に赤色。他に色ないのか?
「修一様。こちらです。」
「えと、ここ?」
「はい。」
「ヘェ~。でけぇ…」
なんか普通の扉より大きい気がする。んで咲夜さんは、レミリアお嬢様、お客様です。パチュリー様の命で連れて来ました。とか言ってるし。
「では、お気を付けて。」
「あ、はい。」
妙に重そうな扉を開けて、部屋の中に入る。あ、ここも赤い。まて…お気をつけて…?
「咲夜、こいつは誰?」
「暁 修一という、外の人間です。」
…あれが主人?まだ子どもじゃないか。髪が水色で目が赤い。…どっかでそんなキャラクターいたような…
「あ、はじめまして、暁 修一です。」
「私はこの紅魔館の主人、レミリア・スカーレットよ。あなたは外の人間なのね。」
「え?はい。」
「さて、あなたの血は美味しいのかしらね。少しいただくわ。」
「え?ちょっと……あれ?」
体が動かない。ピクリとも。額から汗がでる。やばい、何かやばい。
「さてと、どこから吸って欲しい?」
「ちょっと…咲夜さん…」
咲夜さんに助けを求める。しかし首を縦には振らない。
「申し訳ありません。お嬢様の命令や、不満になる行動などは禁じられております。」
「そ、そんな…」
くそっ、動けない…逃げたいのに…仮に動けても倒せる気がしない。
「じ、じゃぁ咲夜さん、このレミリアさんはどれぐらい血を吸うんですか?」
「そうですね、大体重度の貧血から、失血死するぐらいお吸いになられます。ご希望がございましたら、お葬式の手続きもさせてもらいますが、火葬がよろしいですか?土葬がよろしいですか?」
「そ、そんな…いきなり葬式の話なんて、不吉な事やめて…」
「あら?そんなに嫌なのかしら?」
「嫌も何も、死にたくはないって。」
「ふぅん、まあ、どうでもいいけど…」
っ!レミリアが目をそらしたら体が少し動いた。よし、今のうちに妹紅の能力をー‼
「…お前、今何をした?」
よし、間に合った。でも体は動かなくなった。
「え?よ、予防を。」
「そ、じゃ、首からいただくわね。」
かぷっと首筋に犬歯が刺さる。
「いッ…」
「………」
血をごくごく飲んでいるレミリアは、無口になった。てかこぼしすぎ、こぼしすぎ。
「う…」
「………」
頭がふら~ってなる。血がかなり吸われてるのがわかる…というか、飲んでる量よりこぼしてる量の方が多いような…
「ちょ…ストッ…」
「………もうひょっとらへ(もうちょっとだけ)」
やばい…頭が…
「…う……」
「あ!起きた!」
「こ…小傘?なんでここに…」
「え?私は昨日からずっとここにいたよ?」
「あら、修一、起きたの。」
「霊…夢?」
「そうよ。」
「って事はここって…」
「そう、博麗神社よ。」
「やっぱり…あれ?でもなんでここに…」
「咲夜が運んで来たのよ。死んだ修一をかついで。」
「え…死んだ?」
「そうよ。あんた死んでいたのよ。あんたの事だから不老不死になってやり過ごすと思ってたからどうってことなかったけど…ただ、小傘がねぇ…」
「え?私?」
「最初泣いてたのよね~。修一が死んだーって。」
「う…」
「マジか。」
「修一の能力を言ったらすぐ泣き止んで、全く、変なやつに好かれたわね。」
「え、ははは…」
「全く…もうこんな時間よ?」
「え?」
ぱっと外を振り返る。…あ。真っ暗だな。
「いや、ごめん、お詫びにご飯でも作るよ。」
「あら、いいの?じゃぁ、お願いしようかしら。」
「おぅ、任せとけ。これでも料理は苦手ではないぞ。」
「あ、私も手伝いたい…」
「手伝ってくれるのか?いや、悪いな、まぁしたいんだったら、お願いしようかな?」
「うん、任せて!」
「あんた何時までいるのよ…」
「修一が帰るまで。」
「マジか。」
「ねぇ、作るんだったら早く作ってよ…」
「あぁ、そうだな。小傘、頼む。」
「わかった。」
…しまった。ここは幻想郷だということを忘れていた。ガス、電気があるわけない。
「さて、参ったな…って小傘は何をしてんだ?」
さっきから釜をずっと見つめてる。
「え?お米炊いてるの。いい具合に炊きたいから、ずっとここでお米見てていいかな?」
「え?いいけど…傘邪魔じゃぁ、たためば?」
「おっと。」
やっぱり邪魔だったんだな。
「さてと、俺はどうしようか…」
完全に参った。今近くにあるのは、塩、香辛料の類少々、人参、大根、レンコン、ピーマン、じゃがいも、白菜…なんか野菜炒め作れって言ってるみたいだな…レンコンはいらんな…よし、そうするか。え?ピーマン?なんでここに?
『気にしたら負け。』
「………」
頭の中に紫さんの声が響いた…そうか、気にしたら負けか…まぁいいか。
さてと、フライパン…がないから、鍋で応用するか。
火は、薪をおいて、魔法で、よっと。よし、これでいいか。
さぁ、本格的な料理いってみよう!!
「お待たせ。」
「お待たせ~」
「ああ、出来たのね。どう?うまく出来た?」
「いや、外の世界との台所の作りが違うから、最初はかなり焦ったけど、小傘のおかげでなんとか…」
「へへへ~」
「まぁいいわ、いただきましょう。」
「そうだな。」
「美味しそう…」
「それじゃ、」
「「「いただきます。」」」
お米…美味すぎだろ。
野菜炒め…至って普通
まぁ、全体的に美味い。
「米美味すぎだろ…何?どこの米?コシヒカリ?」
「コシヒカリ?何それ、里で買ってきた米よ。」
「里で買ってきた?マジで美味い。」
「多分、炊き加減がいいのね。小傘…やるわね。」
「へへへ~、驚いた?」
「いや~、驚いた。小傘、今度からこれで人を驚かせば?みんな驚くぞ?」
「うそっ。」
「本当。なぁ、霊夢。」
「私は知らないわよ、」
霊夢は上の空だな。お前、巫女としてどうなんだよ。
食事後しばらくして、
「そういえばさ、魔理沙ってミニ八卦路って武器的なの持ってるだろ?」
「持ってるわね。」
「霊夢は武器的なの持ってるのか?」
持ってなさそうなんだけど…
「持ってるわよ。」
あ、持ってるんだ。人は見かけで判断してはいけないな。
「札とか針とか…」
まて、怖い。針て、針ておま、何に使うんだよ。
「霊弾だけじゃないんだな…」
「そういうこと。」
「小傘は?」
「私?私はこの傘をぶんぶん回して…」
「傘が武器か…」
「うん。」
「俺も武器欲しいな…槍とか…」
男の子の憧れですよ。槍とか、太刀とか、拳銃とか。
「あ、槍なら紅魔館のレミリアが持ってたわよ。」
「あー、だぶるの嫌だな…それなんて名前?」
「えっと…スピア・ザ・グングニルだったと思うわ。」
「なんか…そのまんまだな。」
「でも確か、妹も似たようなの持ってたわね。」
「マジで?っていうかレミリアに妹がいんの?」
「レーヴァテインって名前の槍だったかしら…」
「無視かよ……槍…あ、あの槍なら…霊夢、それってスペルカードで出現させるんだよな。」
「え?そうよ。」
「スペルカードの作り方を教えてくれ。」
「簡単よ。まず、この紙と、筆を用意して、その技や武器をイメージして、名前を書いていくの。」
「そ、そんなに簡単なのか…よし、作ってみる。」
「がんばって。」
えーと、あの槍は…赤くて…ぐるぐるねじれてて…先が二股で…
「…よし、出来た。」
「何それ。」
「…名付けて、聖槍『スピア・オブ・ロンギヌス』だ!!!」
和訳すると、ロンギ○スの槍のはずだ。
…間違ってても、改正はしない。
「変な名前…使ってみたら?」
「変な名前て、…まぁ、何はともあれ、使ってみるか。いやまて、使い方知らない…」
「簡単よ。カード名を言って、終わり。」
「マジで?簡単。」
「簡単よ。ほら、外に行って試してみなさい。」
「了解。」
「さて…いきます。」
「がんばれー。」
「頑張れ~!」
「いくぞ!聖槍『スピア・オブ・ロンギヌス』!!!!」
カッとカードが光る。すると、目の前に赤い光で包まれた棒が生まれ、手元に握られる。
「…成功だ。求めていたものと同じだ!」
「それが…スピア・オブ・ロンギヌス…ただの槍じゃない。」
まあ、このエヴ○好きは、学校一と言っても過言ではないからな…エヴァに関して俺に勝てるヤツは真のオタ…だけだろうな。
いや、本題はそこじゃない。このスピア・オブ・ロンギヌスは、どういう物なのかを調べないと…
「振ったら何か起こるかも。」
適当に振ってみる。
カキィィィィンと、オレンジ色で半透明な八角形のシールドっぽいものが出来る。これって…あれ?ロンギ○スの槍からA.T.フィー○ドが発生するなんてまず無いのに…あれ?なんかおかしい。
「な、何それ…盾?」
「ま、まぁ、一種の…」
これが正しいロン○ヌスの槍なら、A.T.○ィールドをいとも簡単に突き破るはず…
「…えい」
槍でつついてみる。破れた。戻す。直った。指でつついてみる。硬すぎ。あれ~?おかしいな。A.T.フィ○ルドと、アンチA.T.○ィールドの二つの特性を掛け合わせてる…マジかよ。
「それより、そろそろ紫の能力は使えるのかしら?」
「あぁ、そういえば。」
確認してみる。うん。確かに…使える。
…よし。帰るかな…?