ひたすら暗い、そのあまりの暗さにアルバムを一回通して聴いてからなかなか二度目の手が伸びなかったチャボのセカンドアルバム。よほど精神的に安定してないと向き合えなかったそんな重たい作品。


チャボのファーストは文句無しの傑作で昔からの愛聴盤だったけど、このセカンドはそんな風にはならなかった。だって初めに書いた様に随分と陰鬱なアルバムだから。


別に特別暗い内容の歌だとかそんな訳ではないけど、きっとあの当時のチャボにとっては最も落ち着くメロディがこのアルバムに収められていたダウナーな楽曲達だったのではないだろうか。


一体いつくらいからだろう、RCの曲の中でチャボのギターの存在感が薄くなって行ったのは。


シングル「すべてはalright」のパルコのPVでやりたくない事をやらされたりして、ただバンドでギターを弾きたいだけのチャボからしたらミイラなんかやりたくなかったし、それが凄いストレスでサングラスにマジックで黒く塗ったり奇行が目立ち始めて。


チャボのファースト、サードは如何にもRCサクセションのギタリストのソロアルバムらしかったけど、このセカンドは全くギターに主軸を置いていない。


この時期のチャボは最も内に篭ってしまっていた時期で、自宅で奥さんのひさこさんと猫とギターと音楽と本があればそれで充分だったのだろう、きっと。


じゃあ何故ソロアルバムなんかを作ったのかと言われたら黙り込んでしまうのだが。


強いて言えばチャボ自身のヒーリングの為か。

いずれにしてもチャボのこのアルバムから聴こえて来るのは、大雑把に言って仕舞えばチャボが少年時代を過ごした新宿の情景に尽きる。