ミチロウは初めから薄汚れた姿で登場して来た。

爆裂都市の時も、女性週刊誌の記事でもスキャンダラスに取り上げられて、ビニ本の男優になったりライブでは豚の頭や臓物を客に投げつけたり、全裸になって女性客にフェ◯させたり。


ミチロウは全共闘世代を嘲笑い左翼を全否定して、だからザ・クラッシュが大嫌いで、YMOも細野晴臣もボロカスに言われていた。


文学少年だったミチロウがまるで失語症に陥ったかの様なメジャーからのセカンドアルバムで、スターリンはハードコアパンクの頂点を極めた。

つまりこの手のサウンドをやり切ったミチロウはその後大きく方向転換をする。バンドも当然解散したが、ベルリンの壁の崩壊と同じ年にバンドを再結成。


それから再びソロになったミチロウはアコギを抱えて命燃え尽きるまで全国を駆け回った。


僕は酷く後悔している。だってミチロウは僕の住むこんな田舎にまで来てくれていたのに、その時は来てくれている事すら気づかずに、それからミチロウは天国の扉を開けてしまったから。