80年代のモンスターアルバムであるプリンスの「パープル・レイン」を改めて聴いてみると、今でもその先鋭性とポピュラリティーの同居した楽曲達に驚愕する。


今の時代白人だとか黒人だとか区別する事自体ナンセンスだし、全く意味を成さない事を踏まえた上で敢えて言うなら、「パープル・レイン」のプリンスは80年代のジギー・スターダストだったのではないだろうか。


勿論音楽性もアルバムコンセプトも違い過ぎるのだが、「パープル・レイン」のプリンスは黒人アーティスト側からのグラムロックに対するアプローチだった様な気がしてならない。


何故ならジギーもボランもその根底に流れるものは他でも無いあなたに希求する、一切の駆け引きも必要としない無償の愛。


そこにプリンスは強く共鳴したのだと感じるのだ。だから「ダイ・フォー・ユー」の様な曲が出来たのだろうし、「パープル・レイン」の様に永遠に聞き継がれる名曲もプリンスの手によって生み出されたのだ。


プリンスは一貫して真実の愛を追い求めた。それは性別や肉体をも超越した世界で。



僕に必要なのは、僕が君の為に死ねるという事を信じる君 

         byプリンス