ブライアン・フェリー初となるこのソロ・アルバムはロキシー・ミュージックのサード・アルバムと同時期の1973年にリリースされた。


所謂グラムロック時代のフェリーによる作品で、アルバムの内容はと言えば60年代を中心としたフェリーお気に入りのゴールデンポップスのカバーで、フェリーの歌もエキセントリックながら艶もあり煌びやかなサウンドも文句無しで素晴らしい出来栄えとなっている。


個人的にフェリー関連のアルバムの中で「アヴァロン」と双璧をなす、超が着くほどお気に入りのアルバムがこのファーストソロ。


レコード時代のA、B面一曲目はそれぞれディランとストーンズの名曲を持ってきているが、その他の曲は基本的にオーソドックスなラブソングで、愛する人への募る想いを歌ったものが多い。


僕はこのアルバムを前にしていつもこう感じるのだ。このアルバムはカバーというスタイルを借りながらフェリーはいつまでも消えることの無い愛する人への深い愛を歌っているのだと。


今尚、貴女への想いは消えるどころか熱く燃えたぎり、たとえどれだけ遠く離れていても貴女への想いは変わる事なく永遠に。


去っていった恋人をひたすら女々しく思い続ける事。ただそれだけの為にあるアルバム。