ザ・クラッシュは現役時代にはライブアルバムを一枚もリリースしてこなかった。その後バンドが解散してから十数年経過してからやっと待望のザ・クラッシュのライブがオフィシャルでリリースされた。


このライブ・アルバムがリリースされるまでの間僕は海賊版ビデオやCD、それにクラッシュの映画「ルード・ボーイ」やその他のパンクのドキュメンタリービデオでしか、クラッシュのライブを目にしたり聴いたりする事は出来なかったのだ。


やっとオフィシャルでリリースされたクラッシュのライブ・アルバム「ライブ・クラッシュ」に僕は大満足した記憶がある。ほぼ年代順に並べられた選曲も秀逸で更には録音状態も良いし、何よりライブに於いて出来不出来の激しいクラッシュのベストテイクを選りすぐって収録しているので、ベストの状態のクラッシュのライブが楽しめる。




ところでクラッシュのライブでいつも思い出すのは日本公演の事。様々な理由をつけて僕は世界一大好きだったロックバンド、ザ・クラッシュのライブに行かなかった事をいまだに後悔してる。


当時ザ・クラッシュの担当ディレクターだった野中規雄さんも仰っていたが、来日コンサートのオープニングに流れていた「ガンマンの祈り」を耳にしたら、今でも自分の深いどこかにスイッチが入るのが分かる。


つまり多感だった10代だったあの頃の自分に一瞬にして戻っているのに気づくのだ。

君が居たあの輝かしい頃に。


僕にとってのクラッシュは単に一つのバンドなどでは無く、色んな想いが詰まった特別なロックバンドなのである。