ジミ・ヘンの数あるライブアルバムの中でどれが1番好きかと問われたら僕は迷わず「ヘンドリックス・イン・ザ・ウェスト」の名前をあげるだろう。


ジミのワイルドでトリッキーなギタープレイはライブに於いて更にその真髄が発揮される。このライブアルバムは一つのコンサートの完全収録では無いが、それでもジミの素晴らしさは十二分に感じ取る事の出来る優れた名盤だと思う。演奏されている曲もベスト盤的な趣のある上に珍しいビートルズのカバーなどを演っていてそれはそれで楽しめる。


ジミの死後彼のフォロワーは沢山出てきた。僕の好きなギタリストで言えばスティーヴィー・レイ・ヴォーンとスティーヴィー・サラスとかがそれだけど、やはり本家には到底敵わないというか、ジミのボーカルとギターと作曲能力を超えるギタリストは出てきていないのが現状だ。


先ずジミは楽曲がすこぶる良い。それからオリジナリティ溢れる独創的なギター奏法もボーカルも兎に角素晴らしいの一言に尽きる。だからトータルでジミを誰も超えられないのだと思う。


20代前半の頃、休日の朝このアルバムを爆音で聴いていた事をふっと思い出して、切れ味鋭いジミのギターがあの頃の心地良い朝を演出してくれていた。