学生時代ロンドン・パンクにドップリ漬かっていた僕は、特にお気に入りだったバンドがピストルズとザ・クラッシュとザ・ジャムだった。


この怒れる若者代表の三つのバンドには本当に心酔していた。特にピストルズのジョニー・ロットン(その頃は既にPILのジョン・ライドンだったが)とザ・クラッシュのジョー・ストラマー、それからザ・ジャムのポール・ウェラーの音楽や発言それにルックスに至るまで強く影響を受けた。


あの頃既にジョン・ライドンとジョー・ストラマーはカリスマ的存在で憧れの対象だったけど、ポール・ウェラーの存在は二人とは少し違う立ち位置だった様に思う。


誤解を恐れずに言って仕舞えば、僕はウェラーにはより身近な存在に感じていた。見知らぬ街のサンディニスタとか革命とかを歌うより、ウェラーによる当時のロンドンの鬱屈とした若者を代弁する様な歌の世界に、日本の片田舎に暮らす僕にはより一層心に響いたのは間違いない。


それから今から思えばザ・ジャムのパンクというよりパワーポップな小気味良いロックンロールが単純に大好きだったとも言える。



彼らのファーストはどこかモノクロなイメージだったけど、このセカンドでは楽曲もストレートで押し切るだけではなく、多彩なイメージを与えてくれる楽曲が増えたそんなアルバムだった。


だから個人的にお気に入りのザ・ジャムのアルバムの中でもかなり好きなアルバムがこのセカンド。