泉谷しげるを知ったのは映画「爆裂都市」を観てから。そこでの泉谷の薄汚い役に興味は湧かなかった。



それから泉谷しげるに興味を持ち出したのは、アナーキーのアルバムに泉谷のカバー「春のからっ風」が収録されていたから。アナーキーのカバーが素敵だったという事も去る事ながら、その時点では原曲を一度も聴いた事が無かったのだが、何故か元々の楽曲としてのパワーを強烈に感じた。


それでレンタルビデオショップで「狂い咲きサンダー・ロード」を借りて、映画とそこで流れる泉谷のロックにいたく感銘を受けた自分がいた。



オープニングの「電光石火に銀の靴」から、ザ・フーの映画「さらば青春の光」を思わせるラストに流れる「翼なき野郎ども」まで、泉谷のイカしたロックは僕の体を問答無用で貫いた。




あの頃の泉谷のロックは間違い無く日本のロックの頂点だったと思う。


圧倒的名盤「’80のバラッド」は、泉谷曰く音をキラキラさせる名人の加藤和彦さんのプロデュースによって、泉谷の生み出した名曲達がより一層魂の奥深くに突き刺さる様なサウンドでレコードに刻まれている。