バンドCO-CóLOとして第一弾にリリースされたシングル「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」のB面として「愛の嵐(スカンジナビア幻想)」は収録されていた。
僕はこの曲を初めて聴いた時からなんて素敵なバラードなんだと感じた。あまりに悲しい別れを歌った歌だけど、沢田研二のストーリーテラーに徹した見事な歌詞と妖美な歌声、それを支えるCO-CóLOの演奏があまりに素晴らし過ぎるのだ。
沢田研二の相変わらず艶っぽい説得力のあるボーカルに寄り添う様に、主人公の心象風景なのか、それとも恋人である女性の悲しい思いを表したものなのか分からないが、石間秀機のギターと篠原信彦のキーボードの、控え目でいながらそれでいて実に表現力豊かな音色がまるで啜り泣く様に変幻自在に空間を飛び交うサマは、一つの良質な短編映画を見た様な気にさせられる。
「愛の嵐(スカンジナビア幻想)」、圧倒的な名曲だ。