テンプテーションズといえば誰がなんと言ってもやはり第一に「マイ・ガール」のデヴィッド・ラフィンを思い浮かべる。


スモーキー・ロビンソンの書いたこの曲を、ラフィンの特徴的なワイルドでありながら滑らかなボーカルで歌い上げた不朽の名作。


その後ラフィンは4年間テンプテーションズの中心メンバーとして、多くのヒットを生み出しテンプテーションズを牽引していった。そんなラフィンがテンプテーションズのメンバーとして最後のアルバムとなった「雨に願いを」は実に素晴らしい。


元々はフェイセズのライブアルバムで知ったこの曲、原曲のテンプテーションズのバージョンの凄さはフェイセズのカバーの比ではない。


僕が初めてテンプテーションズのこの曲を耳にしたのは、モータウン25周年を記念してリリースされたテンプスの二枚組ベストから。


その曲の持つパワーに、言葉では決して言い表す事の出来ないラフィンのボーカルの強烈なる魅力に只々圧倒されたのを覚えている。


表層部分の荒々しいボーカルの中に隠れた優しくマイルドな表情を見せるラフィンのその独特なる歌声はまさに唯一無二の存在。


そんなグレイトなボーカリストであったラフィンだったが、コカイン中毒と自分の名前を冠したグループ名の要求、更には金銭トラブルによって残念ながらバンドを解雇され、ソロアーティストになったがグループ時代の様な輝かしい栄光を手にする事はなく1991年にコカインのオーバードーズで亡くなった。