90年代前半、僕はソウル・ミュージックにドップリハマっていた。ちょっと遠出してソウルの名盤を買い漁っていたのもこの時期で、そんな中にオーティス・クレイのこのアルバムもあった。


元々オーティス・クレイはピンクのジャケットの「いとしのエリー」も収録されているライブ・イン・ジャパンを持っていたので、全く知らないソウルシンガーという訳では無かったが、スタジオアルバムはこのCDで初めて聴いた。


ソウルの名門ハイ・レコードに移籍してからリリースされた「Trying to Live My Life Without You」はダイレクトに僕のソウルに響いて来たんだ。(死にゆく愛にしがみついて)とかのフレーズだけで思い切り僕の琴線に触れまくった。


どれだけイキがってカッコつけて見ても、結局男は皆んなこんなにも女々しい生き物なんだ。俺は違う、一緒にするな、そんなのはおまえだけだと言われたらそれまでだが。


僕はそんな女々しい男としての自分を受け入れながら、あの当時オーティス・クレイのこの熱くワイルドな歌声のソウル・ミュージックにのめり込んでいった。その思いは今も変わる事なく永遠に。