以前僕は中国に非常に興味を持ち、所謂チャイナ・ウォッチャーもどきの末席を汚させて頂いていると勝手に自負していた。


特に近代の中国、辛亥革命から始まる中華民国から中華人民共和国の激動の時代の本を読み漁った時期がある。


そんな中で中国が如何にして反日になったのか、台湾という存在は、香港という位置付けはいかなるものなのかを遅まきながら知る事になった。





最近、香港の雨傘革命に参加したり、その後のデモを扇動した罪等で逮捕収監されていた、周庭さんの事が久しぶりにニュースになっていた。


刑期を終えてからの周庭さんは、香港国家安全維持法による取り締まりを恐れ、まるで失語症にでも陥ったかの様にずっとSNS上で沈黙を貫いていた。


そんな周庭さんが香港政府に政治的な発言をしないという条件付きでカナダに留学していたのだが、ここに来てもう二度と香港には帰らないと発言し、収監中の恐怖体験まで語り、中国政府と香港政府を大いに刺激し、又もそれらに対し怒りを買ってしまった様だ。


それから香港警察は、もし周庭さんが12月中に香港に戻って警察に出頭しないのなら指名手配をすると。




今現在、中国大陸では文化大革命程息苦しく過酷では無いものの、習近平や中共及び政府批判をした者に対する処罰が極めて厳しい対応となっている。


それもこれも国家安全法の施行により、国家に有害な言動を取る人間を容易に逮捕収監出来る様になったからだ。


つまりは人権など空気より軽い社会主義国家中国だからこそ制定出来る、中共に極めて都合の良い人権蹂躙ここにありと言った悪法。


西側の行き過ぎた人権を重視した思考もどうかと思うが、流石は19世紀の時代錯誤な「資本論」「共産党宣言」から派生したマルクス・レーニン主義という、負の遺産を最終到達地点だと謳うDQN国家だけの事はある。


ついでに言えば、やりたい放題、言いたい放題、外交トップの王毅の言動こそ、今の中国という国家のスタンスを如実に表しているから面白い。


いずれにしても周庭さんが二度と香港に帰る事は無いし、もしノコノコと香港に帰ったら最後、塀の無い香港島という島流しにあう様な一生を送らざるを得ないのは明白。



中国も香港もまだまだ夜明けは遠い。