やはりジョン・レノンは僕にとって特別な存在なんだよな。
常日頃パンクだストーンズだフーだの言ってるけど、ジョン・レノンは更に別のところに存在している。
僕とジョン・レノンとの出会いは最悪だった。
出会いと言っても実際に出会う訳もなく、レコード店で見た「ダブル・ファンタジー」のジャケットでの、オノ・ヨーコとキスをしている写真に軽蔑の眼差しを浴びせていた学生時代。
その頃僕はジョン・レノンがビートルズの元メンバーだったという事は知っていた。勿論ビートルズが世界的に有名なロックバンドだったという事も。
でもこんな軟弱なジャケットがロックな訳がないと思っていた。それから僕はザ・クラッシュやストーンズやフーにのめり込んで行ったんだ。
ある日テレビでビートルズの特集をしていた。何気なく見ていたその画面からジョン・レノンが強烈なシャウトをしている曲を聴いてぶっ飛んだ。まさしくこれこそロックンロール。
こんなカッコいい曲を演っていたんだと正直びっくりした。ビートルズって、ジョンってこんなにカッコ良かったんだとその時初めて知って、「ダブル・ファンタジー」からずっと抱いていたジョンに対する嫌悪感が全て消え去った。
だからロックンロールを演っている時のジョン・レノンは勿論の事、情けなく女々しいラブ・バラードを赤裸々に歌うジョン・レノンが僕はもっと好きだ。
そんなジョンのラブ・バラードの中でもこの曲は極めつけの名曲。