このアルバムは名盤レット・イット・ブリードのレコーディング時に、ピアニストのニッキー・ホプキンスとギタリストのライ・クーダーを招いて行ったセッションの様子を捉えたもので、何故かキース・リチャーズが参加していないのだが、そこらへんの経緯はよくは分からないが、まあ大人の事情というやつだろう。


ストーンズという生粋のライブバンドが如何に音楽を作り出していくのか、それが手に取るように分かるアルバムで、オフィシャル・ブートレッグの様な立ち位置のアルバムだ。


ここでのバンドの演奏はハッキリ言ってこのセッションに、キースがいない事など全く問題にならないくらいの素晴らしいものになっている。ニッキーのピアノもイアン・スチュワートに勝るとも劣らない見事な転がるピアノを弾いているし、ライ・クーダーのスライドギターも光るセッションなのだが、何故かアルバム、レット・イット・ブリードではライのスライドは一切収録されず、キースが俺がストーンズのギタリストだと言わんばかりの素晴らしいスライドギターを披露しているのも面白い。


このセッションにキースがいないのは、まあ、そういう事なんだろう、多分。





エルモア・ジェームスの激渋カバーのこの曲を、当時20代のストーンズが熱く演っている事にも驚嘆する。