アルバム発売当時、セールス的には好調だったのだが、現在の世間的な評価では「山羊の頭のスープ」はかなり低評価だという認識を持っている。


つまり「山羊」から「ブラック・アンド・ブルー」までの三作は、ストーンズのアルバムの中で駄作としての評価が定着している感があるが、果たしてこの三作はそんなに出来が悪いのだろか?



個人的にはこの三作はストーンズのアルバムの中でも好きなアルバムの部類に入る。そもそもミック・テイラー在籍時代のアルバムで低評価ってどういう事だ。


じゃあ一体全体何処がこの三作はダメなのだろうか?各アルバムを見ていった場合、全てに共通する事はそれぞれのアルバムの中に、必ず必殺のラブバラードが収められているという事。それに相反して「ブラウン・シュガー」や「ダイスをころがせ」みたいな極上のロックンロールがない事が目につくが、総じてクオリティの高い楽曲が揃っている。


そして今回「ストーンズのアルバムを救いたい」第一弾として(笑)「山羊の頭のスープ」を取り上げる事にする。


このアルバムの何が素晴らしいかと言って、「夢からさめて」と「ウィンター」という究極の名バラードが収録されているという事。この超絶的なバラードがあるだけで僕は「山羊の頭のスープ」は名盤だと言い切りたい。


ミックの歌詞も相変わらず胸に突き刺さる様な圧倒的リアリティで迫って来て、これらの曲を聴くたび僕は、ただその歌の情景に投げ出されて呆然と立ち尽くすだけなのだ。