AC/DCの音楽を一言で言えば男の欲望をむき出しにした歌だ。単純明快な「今夜一晩中楽しもうぜ、ベイベ」みたいな大雑把に言ってしまえば全部こんな感じの究極の煩悩全開のロックンロール。


そこには知性も品性の欠片も存在しない。そんなAC/DCの世界観を、バンドは極めて硬い極上のハードロックで押しまくる。音の質感はツェッペリンの様な硬質さに近いか。


それから音楽性は違えど、そこで歌われる世界観はセルジュ・ゲンスブールに近いものがある。つまりAC/DCとはツェッペリンとゲンスブールの融合体みたいなものか。もっともツェッペリンも特に初期はブルースに起因する、充分過ぎるくらいお下劣な歌詞だったんだけどね。(笑)






日本映画の名作「仁義なき戦い」のスピンオフ作品「広島死闘篇」に於いて、千葉真一演じる大友勝利の名言「わしら美味いもん食うてよ、マブいスケ抱く為に生まれて来てるんじゃないの」を地でいくAC/DCは、ある意味男として生きていく上での、人生の方向性を極めて明確に指し示してくれる水先案内人の様な存在だと言ったら言い過ぎか(笑)