あの頃の僕は本当に幸せだった。だってあれだけ好きだったCちゃんと毎日みたいに出会えて、電話で話が出来て、手紙を交換したりしていっぱい交流出来て。


もう直ぐ一学期も終わり夏休みになる少し前に、高校2年全員でキャンプをする学年行事があったんだ。キャンプファイアーを囲んでフォークダンスを踊ったり、カレーを作ったり皆んなで楽しんだ後、僕は友人のMに頼んでMの知り合いの女の子にCちゃんを呼び出して貰う様に頼んだ。というか多分その前の日の晩の電話で、Cちゃんと就寝時間になる前に二人で落ち合おうってそんな話をしていたんだと思う。


フォークダンスの時間になって、遂に僕はCちゃんと手を繋ぐ順番が回って来た。キャンプファイアーの火の明かりでCちゃんの綺麗な顔がハッキリと浮かび上がって、僕は酷く恥ずかしかったけどCちゃんの顔を見たら、Cちゃんも僕以上に今まで見た事もないくらいに恥ずかしがっていた。


僕は視線を感じて横を見るとCちゃんの女友達が冷やかす様な目つきで僕達を見つめている。Cちゃんがあんなに照れ臭い顔をしている訳がそれで分かったよ。


僕はあの日あの時Cちゃんと初めて手を繋いだ。それからCちゃんの手のひらと綺麗で長い指先から伝わってくるCちゃんの温もりを感じながら只々幸せを噛み締めていたんだ。