ツェッペリンの有名なブートは数あれど今回は取り敢えず僕の好きな「フィジカル・グラフィティ」リリース後の75年のUSツアーから。


ツェッペリンの75年ものではこのダラスとロンドン、アールズコートが有名。ただアールズコートはオフィシャルで映像がリリースされているので、希少度合いはこのダラスに軍配が上がるか。


オープニングの「ロックンロール」に関して言えば低音が割れていて、一瞬駄目ブートかと思わせるが次の「シック・アゲイン」で音質は立ち直ってくれる。多分ステレオ・サウンドボード録音なのでプラントの不安定なボーカルと、ペイジのヨレ気味のギターがクリアに聴き取れて、その部分は音質が良いのも考えものだが、ボンゾのスーパーヘヴィ級のドラムがしっかり堪能出来るのが嬉しい。






このブートではやはり誰がなんと言おうと「死にかけて」の超絶的な演奏が白眉。ペイジはレスポールからダンエレクトロのギターに持ち替えて、オープンAチューニングで豪快にスライドを弾きまくり、プラントもメンバー三人の素晴らしい演奏に引っ張られる様に、見事なボーカルを聴かせてくれる。


その次の名演が「トランプルド・アンダーフット」だ。ボンゾのヘヴィなドラムとジョンジーのクラビネットに絡むファンキーなペイジのギターと、プラントのボーカルの掛け合いが実に躍動感があって素晴らしい。


このニ曲を聴くだけの為に、ダラス75のブートを購入しても損はないと断言出来るくらい、ツェッペリンここにありと言わんばかりの圧倒的な演奏を聴かせてくれる。つまりツェッペリンマニアはマストのブートだという事だ。