私がセラピストになったきっかけは1人の清掃員さん
何度もブログには書いていますが、原点は自分が２０歳、短大2年生の頃、ストレスいっぱいで体を壊して生死を彷徨い、長期入院をしていた時、これからどうなるのか不安で仕方ないという状況でした。。
お医者さんや看護師さんは、傷や病気に対する処置はもちろんしてくれるけれど、そんな私の不安や恐怖など、見えない心、私という全体を見てはくれない。毎日の回診、頭の包帯の付け替えは、容赦なくビリビリ剥がされて血まみれ、痛すぎて、逃げ出したいほどに怖い…治療だから仕方ない、頭では分かってる、だけど回診の時間になると怖くてブルブル震える。
生きるか死ぬかなんて先のことはどうでもよくて、今を乗り越えることで精一杯。治療だから仕方ないやん！って、そんな恐怖を分かってくれる人もいなくて、入院生活はとにかく寂しさと不安と孤独が一番辛いのです。
そんな時、毎日部屋の掃除をしに来てくれるある清掃員さんの笑顔と「ちえこちゃん、今日はなんか顔色いいね〜！」って、病気や傷の症状ではなく、私を見て毎日声をかけてくれる方がいて、すごく心が和み涙が出るほど嬉しく癒されたのを今でも覚えています。
病気の症状やカルテ、検査結果など、私の一部に過ぎない部分ではなく、私を見てくれてる！それがすごく嬉しかったのです。
私にとっての心のセラピストは清掃員さんだった…。
自分が若くして、介護される経験をして、長期入院生活を送った事がきっかけで、私が元気になったら医療や福祉、介護の仕事がしたいと思っていて、でも資格がないからすぐには無理、資格がなくてもすぐに患者さんと接することができる仕事がしたい。
留年したから、学費を稼ぐことも目的だったのですが…私も介護型病院の清掃員のバイトを、留年中の短大三年生の時にしました。
医療や福祉の何の資格もない清掃員の私は患者さんの手助けをしたり、患者さんの体に触れる事は一切禁止されていたけれど、いつも患者さんの部屋を掃除するときに、患者さんの目を見て笑顔でお声かけして、患者さんの心に寄り添って、気持ちを込めて掃除する事を心がけていました。
体の麻痺が残っていてまだ思うように体が動かないから仕事は遅いし、もともと体力なくて、手際よくもないからたくさん迷惑かけるし、注意されるけれど、私は、自分に与えられた仕事を精一杯やろうと誇りを持って掃除していました。
そしたら、奇跡が！
患者様から「あなたが一番丁寧に掃除をしてくれるし、あなたに会えない日は本当に寂しい、ここが担当じゃない時も会いにきて欲しい」と、
初の、患者さんから指名が来る清掃員になりました。
目には見えない心が通じたことが本当に嬉しかったし、幸せでした。
それまで本当にやりたい事が分からず、見つからなかったのに
その病院にはアロマの先生がいて、こんなふうにアロマを活かして、人の心を元気にするお手伝いができたらいいなと思ったことから、短大を中退して、新たにアロマの勉強をして、セラピストとして活動を始めました。そしてその時の、天から自分に与えられた仕事、役割に誇りを持ってはたらくという気持ちのまま、今の仕事に繋がっています。
癒しの道に導かれて22年、一切気持ちがぶれることなく突き進んで来れたのは、あの時の清掃員さんがきっかけをくれたおかげだなって思います。
人を癒す、元気にすることは本当は資格でも、職業でもないんじゃないかと思ってます。
サロンという場所やセラピストという肩書きは、私を必要としてくださる方に見つけてもらい繋がるための口実、きっかけのためなのです。
つづく
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