自分らしさを奪う、4つの完璧の幻想
このシリーズでは、
完璧主義を強化している
12の罠を3回に分けて
ご紹介しています。
第1回は「頑張りすぎ」
第2回は「止まれない心のクセ」
前回までの記事はこちら
【完璧主義の罠】シリーズ①完璧主義を強めてしまう「がんばりすぎ」の4つの落とし穴
最終回となる今回は、
-
家庭や人間関係で“理想の姿”を求めすぎること
-
数字で自分の価値を測ってしまうこと
-
ゴールに執着して今を見失うこと
-
人生設計に縛られ、自由を忘れてしまうこと
そんな
「外側の正解」に振り回されやすい
4つの落とし穴を紐解いていきます。
“もっと自分らしく生きたい”
と思うあなたに、
ぜひ読んでほしい内容です。
第9の罠:「完璧な家庭像」へのプレッシャー
整理整頓された部屋、
栄養バランスのとれたごはん、
子どもの教育や行事に熱心な親
そんな
“理想的な家庭像”を見て
「私もちゃんとしなきゃ」と
思ったことはありませんか?
SNSの投稿や
雑誌の特集。
そして
もっと根深いのは
「自分の中にある理想像」
たとえば、
- 幼い頃に見たテレビドラマの家庭像、
- 両親の期待、
- 周囲からの「◯◯ちゃんは偉いね」
という言葉
それらが知らず知らずのうちに、
あなたの中で
あるべき家庭像に
なっていることがあります。
「ちゃんとした母親なら、完璧にこなして当然」
「人を呼べるような部屋じゃなきゃダメ」
そう思い込んで、
自分で自分を
追い詰めていませんか?
けれど本来、
家庭とは“くつろげる場所”であり、
演出する舞台ではありません。
「ちゃんとしてる」より「ホッとできる」
その安心感こそ、
愛情や信頼の土台になります。
第10の罠:数値で自己価値を測るクセ
売上
SNSのフォロワー数
いいねの数
体重
一日の歩数
などなど。
今の時代、
あらゆるものが
“数値化”されています。
すると、
気づかないうちに
「数字=自分の価値」と
思い込んでしまうことも。
完璧主義の人ほど
「もっと上を目指さなきゃ」
「平均より下はダメ」と、
自分にプレッシャーを
かけやすい傾向があります。
でも、
人の魅力は数では測れません。
あなたの笑顔、
思いやり、
気づかい、
それはアルゴリズムでは測れない、
世界に一つだけの価値です。
第11の罠:目標達成への執着
「今年中に〇〇を達成する」
「この資格を取ったら次は…」
目標を持つこと自体は
素晴らしい。
けれど、
それが達成できなかったら価値がない
になってしまうと、
完璧主義の苦しさが加速します。
心理学者ミハイ・チクセントミハイは
「フロー理論」において、
今この瞬間に集中し、
夢中でいることが
幸福感を高める
と語っています。
ゴールだけを見るのではなく、
その過程にあるワクワクや
発見にも目を向けてみましょう。
第12の罠:「完璧な人生プラン」幻想
30歳で結婚して、
35歳で家を買って、
40歳で独立して…
人生をきっちり計画して、
思い通りに進めることが優秀と
思われがち。
ですがその裏には
「予定どおりにいかないと不安」という
完璧主義の根が潜んでいます。
でも、本当の人生って、
むしろ予定外に面白さがあるもの。
変化や失敗を
学びとして受け入れるしなやかさが、
人生の豊かさを高めるのではないでしょうか?
「こうじゃなきゃいけない」
を手放してみたとき、
予想外の幸せが
舞い込んでくるかもしれません。
完璧を手放して、自分らしさを育てよう
完璧を求める心には、
“不安”が隠れています。
ちゃんとしないと嫌われるんじゃないか
間違ったら評価されなくなるかも
そんな不安を隠すために、
完璧なフリを続けてしまう。
でも、本当の安心は
“完璧でいようとしない”
と決めた瞬間から生まれます。
完璧じゃなくても、
認めてもらえる。
これは「共感」が
人間関係の本質だからです。
むしろ、そのままの自分でいることで、
人と深くつながれる。
心理学の研究でも
欠けや弱さを見せる人のほうが、
周囲に信頼され、
共感されやすい傾向があることが
示されています。
完璧な人には近づきにくくても、
ちょっと抜けている人には
「私もそう!」と親近感が湧く。
そんな経験、
あなたにもあるのではないでしょうか?
あなたが今日、
ほんの少しでも
“がんばりすぎない”選択をできたなら、
それは自分らしさに近づく大きな一歩です。
完璧であろうとする緊張を手放すと、
私たちの脳と身体は
回復モードに切り替わります。
「安心・安全」の感覚は
副交感神経を優位にし、
創造性や共感性が高めることが分かっています。
つまり、“ゆるむ”という行為は、
単なる甘えではなく、
心と身体の健全な機能を取り戻すための
大切なステップなのです。
完璧主義を手放したとき、
私たちはようやく
「自分の声」に耳を傾けることができます。
もっと自分らしく、
もっと健やかに。
その土台に立てる瞬間こそが、
本当の意味での自由の始まりです。
シリーズを読んでくださったあなたへ
3回にわたり、
「完璧主義を強化している12の罠」を
一緒に見てきました。
どれかひとつでも
「これ、自分のことかも」と感じたなら
あなたの中にはすでに
変化の種がまかれています。
完璧じゃなくていい。
むしろ、“自分らしさ”を大切にすることで、
人間関係も、仕事も、生き方そのものが、
もっと軽やかに動き出すはずです。