あなたは1日何時間働いていますか?
「ジャパニーズビジネスマン、24時間戦えますか」という栄養ドリンクのCMが話題となった時代もありましたが、会社から求められるものは、「何時間働けるか」という『長さ』から、「どれだけの生産性を上げられるか」という『質』に、変わりつつあります。
そんな中注目されているのが、結婚、出産、育児のため退職した女性たちです。
日本経済研究センターは、「人的資本(働き手の知識や技術や技能を含めた総合的労働力)研究報告」をまとめました。
これによると、日本は「長期雇用、(専門性重視ではなく)ローテーション中心の雇用システム」を重視するため、結婚や出産等で退職し、「仕事を主」とすることができない女性たちの能力を活用しきれていないことが明らかとなりました。
また女性が出産後も就業を継続するためには、「正規雇用のままでの短時間勤務の選択が可能となること」が最も効果的である、という結果をまとめています。
「仕事を主」とすることができないため、正規雇用のままで働き続けられない女性たちは、非正規雇用で就業しています。
正規雇用と非正規雇用の割合を年齢別に見ると、男性は、非正規雇用が正規雇用を上回るのは65歳以上のみですが、女性は35歳以上の全ての年齢で、非正規雇用が上回っています。
また、非正規雇用の中で最近増えているのが、人材登録会社に登録された、派遣労働者です。
2007年の派遣労働者は133万人と、5年前の43万の3倍強に増えています。
このうち女性は80万人と、全体の60%を占めています。
また年齢ですが、25-34歳が52万人ともっとも多く(うち女性は33万人)。次いで35-44歳が31万人(うち女性は23万人)となっています。
人材派遣会社では、景気の回復により、人材への需要が高まっていることから、より多くの人材、とりわけ結婚、出産、育児のため退職した女性たちを獲得するため、様々な取り組みを行っています。
主婦層に特化した人材派遣サービスを展開するビースタイル様は、2008年1月から、短期派遣サービスを本格化しました。
キャンペーン期間等の繁忙期のみ人員を拡充したい企業に対応するとともに、子育てや介護で長期の就業が難しい主婦層にも、就業機会を広げています。
テンプスタッフ様は、結婚・出産退職後の復職を考える女性をサポート。
「就業前の知育発達セミナー」「復職ママの授乳ケアセミナー」といったセミナーの開催、登録者が子どもを預けることのできる保育所「ピュア・テンプ」の運営、母親同士が情報交換・交流できる場「ママずパーク」や、SNSサイト「ママキャンパス」の開設等で、女性のチャレンジを支援しています。
また、パソナグループ様は、りそな銀行様と共同で、女性の派遣社員向けの専用ローンを開発しました。資格取得等のスキル向上にも利用できることで、育児のために会社を辞めた主婦らを掘り起こし、派遣社員の増員を目指しています。
先の「人的資本研究報告」では、人的資本形成に重要なポイントとして、1)時間の価値を重視し、ワーク/ライフ・バランスを改善することで、自己啓発の時間を増やすとともに、女性の就業を継続する、2)高い潜在能力を持つ女性の価値を重視し、十分活かす、の2点を挙げています。
生活を犠牲にせず、生産性を向上させることのできる人材、つまりワーク/ライフ・バランスを実現できている人材が、日本経済の成長への原動力となるのですね。
「長く働ける人材ではなく、質の高い仕事をしてくれる人材が必要である」と気付いた企業に負けないよう、私たちも、仕事で高い生産性を上げ、日常生活を満喫できる、「ワーク/ライフ・バランス」を実現していくことが求められていますね。
2008年1月16日/2月5日/3月7日・17日付「日本経済新聞」より
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