活力ある社会は女性の健康から | 考えてみよう

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あなたは健康に気を遣っていますか?
自分の心と身体を、理解できていますか?
3月3日ひな祭りを中心に、3月8日国際女性の日までの8日間は、女性が生涯を通じて健康で明るく、充実した日々を自立して過ごすことを総合的に支援する、「女性の健康週間」でした。
忙しい日々ですが、ちょっと立ち止まって、ワーク/ライフ・バランスの基礎となる「自分自身の生涯の健康」について、考えてみましょう。


「女性の健康週間」は、社団法人日本産科婦人科学会と、社団法人日本産婦人科医会によって、産婦人科医が女性の健康を生涯にわたって総合的に支援することを目指して、2005年から活動を開始しました。

2008年からは、厚生労働省の主唱する国民運動として、市民、医療、行政と、立場が異なる人々がともに考える機会となりました。


ではなぜ「女性」の健康週間なのでしょうか?

それは性差を考慮した健康支援が必要だからです。

女性の健康は、女性ホルモンの分泌に密接に関係しています(男性は男性ホルモンが該当します)。

そのサイクルを理解した上での健康管理が必要です。

まず女性は子どもを授かる性です。

そこで月経、妊娠、出産、閉経といった、ライフサイクルに伴う身体の変化に合わせた体調管理が必要となります。
また更年期障害は、男女とも現れる症状ですが、女性ホルモンの減少が原因であるため、女性の方が、(個人差はありますが)、症状が重くなります。
さらに高齢になるとかかりやすくなる骨粗しょう症。

骨がすかすかになり骨折しやすくなる病気ですが、女性は、ホルモンのバランスが大きく変化する閉経後、骨の量が急激に減るため、男性よりもかかる割合が高くなります。
これ以外にも、女性特有の病気(子宮筋腫、子宮内膜症等)、女性特有のがん(子宮がん、卵巣がん、乳がん等)など、女性特有の体調の変化があり、きめ細やかな対応が求められます。



ところで私たち日本人は、どのくらい自分の心と身体を知り、毎日を元気に過ごす努力をしているのでしょうか。
実は日本人のがん検診受診率は、大変低くなっています。

平成17年度の子宮がんの受診率は18.9%、乳がんは17.6%と、ともに20%を割っています。

男女問わずかかる可能性のあるがんにおいても、肺がんは22.3、大腸がんは18.1、胃がんに至っては12.4%と、大変低い数字です。
また、望まない妊娠を防ぎ、生理痛を軽減する効果のある低用量ピルを服用している女性の割合は、2003年の国連の調査ではわずか1.3%(同年のドイツでのピル普及率は58.6%)。

更年期障害に伴う症状を軽減するホルモン補充療法(HRT)を受けている女性は、2004年の「Maturitas」によると1.5%(同年のオーストラリアでのHRTの普及率は60%)です。

「健康を自己管理して、自分らしく生き生きと過ごすための取り組み」も、諸外国と比較して、決して進んでいるとは言えない状況です。


女性は子どもを授かることのできる性。

つまり、女性の健康は女性だけの問題ではなく、次世代の健康につながる問題です。

女性の健康が、活力ある社会を創り出す原動力なのです。
自分の望む「ワーク」と「ライフ」のバランスは、心と身体の健康があって、初めて実現できるものです。

社会が制度を整えるだけでなく、私たち自身が考えなければならない問題も、たくさんありそうですね。


2008年3月1日付「日本経済新聞」より


「女性の健康週間」HPはこちらをクリック

 http://www.jsog.or.jp/public/health_week/whw_top.html
がん検診の受診状況をまとめた「平成17年度地域保健・老人保健事業報告」はこちらをクリック↓ 
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/c-hoken/05/index.html