一昨年の10月24日に
北杜夫さんが亡くなられて丸2年過ぎました
その頃から刊行された書籍が10数冊
そのすべてではアリませんが
文庫本中心にしていて
折りにふれ、読んでいきました
(購入後、途中やらまだ読んでないのは今回の紹介、省いてます)
私の大切な北杜夫コレクションは露と消え
過去を掘り下げて読み直すこともできず
発刊(改版含む)されたら、購入して読んでいく
というまったりとしたスタンスで愉しんでいます
そんなふうに私の中で
北杜夫氏はたしかに大きく存在なさってます
これからもそんなかんじで心寄せていけたらと思います
けどまぁ、いつまでも素っ頓狂でいらっしゃって
やはり私の性質、幼き頃からこの方に多大な影響を及ぼされていると
再確認した次第です
2011.8.
マンボウ 最後の大バクチ (新潮文庫)/北 杜夫

¥420
Amazon.co.jp
2009年新潮社発刊
2011年新潮社文庫
久しぶりの躁期到来
この時を逃すまいとご家族でギャンブルはじめるのは
マブゼ共和国民たる所以か
ほんとにけったいなファミリーです
でもここにきてよくもまぁマンボウ翁に躁期がやってきてくれた!
と神様にお礼を言いたい
佳い思い出になられたであろうし
亡くなられてから読む者といて
歳晩までヘンチクリンであらせられた北杜夫氏に
畏敬の念を持って泣笑しながら読むことが出来ました
ココロより感謝です
2011.10.
マンボウ家族航海記 (実業之日本社文庫)/北 杜夫

¥630
Amazon.co.jp
2011年実業之日本社文庫
「週刊小説」から「月刊ジェイ・ノベル」に渡り25年間連載された
エッセイ連載の中から家族の出来事を中心に編集された読みもの
マンボウ先生が出版されることを知っていた最後の著書です
注文していたけど品切れだったらしく、自動的にキャンセル扱い
そのまま年を越して、思い出してまた再注文して、第三刷が届きました
書店通いをしなくなって幾年月
初版を購入できなくても仕方ないょ、と切り替え早くあきらめました
次々と湧き上がる騒動ごとに時系列に並べてあるので
この25年のマブゼ国民と私の人生を擦り合わせてみました
といっても、自分の歳とおおまかな経歴を年号ごとに記入したメモを見ながら
読んでっただけですが…
初期の頃はいつの作品かあまり考えず読みやすそうなのから読んだものです
(駄々こねて全集も買ってもらったりしたのだ)
過去の分読んでしまってからは文庫本で数年後に読むことが多かったので
この作業がかなり興味深いものとなりました
これから読むときは、その時代にさかのぼり
当時のことを確認しながらにしよう、って思ってます
そしてトーマス・マンを読みあさったり、
ドイツにかぶれて、ヴィスコンティ映画にハマったり
すべてマンボウ先生の影響だったんだなぁと感慨ひとしおでございます
2012.3.
白きたおやかな峰 (河出文庫)/河出書房新社

¥893
Amazon.co.jp
1966年新潮社発刊
1980年新潮社文庫
2012年河出文庫
ティーンのころ読んでるはず
けど、そのときの印象とはだいぶん変わったように思います
カラコルム未踏峰ディラン遠征隊のお話
山ガールで人気のハイキングやトレッキングを
愉しむ人が多くなりましたが
以前、日本では霊山は女人結界であったわけで
山男のお話は、とても隔たりを持って読んでいたのであろうか
いや、そんなことは考えてなかったろうけど
作品自体の内容をもっと深刻に受け止めていたように思います
断片の記憶ですがね
今回は、非常で過酷な世界を描いておきながら
どこそこにおもしろ話をちりばめた雪山男のお話だったんだなぁ、って
かるーい印象になってしまいました
「ドクター」は、もちろん当時のマンボウ先生をイメージして読みました
やっぱ主人公なのかな、ドクターが
けど、客観的にそれぞれの登場人物を代わりばんこに特徴的に著していくのでね
それぞれが引き立て合っているようなそんなかんじでした
そんな中で、調理人メルバーンが、回想記で早くに亡くなったことを知っていたし
マンボウ先生とのツーショット写真も見ていたので、
どうしてもドクターとメルバーンに移入しながら、読んでしまった次第です
作品には結果が描かれていないことですが、
このとき登頂できなかったことが、やっぱ残念でしたね
もし成功していたら、マンボウ先生はどんな結末を描いたんでしょうか
2012.4.
どくとるマンボウ途中下車 (中公文庫)/北 杜夫

¥600
Amazon.co.jp
1966年中央公論社発刊
1973年中公文庫
2012年改版
いつ頃読んだのかな
小学生の頃でしょうね
途中下車っていうか、脱線かも(^_^;)
なんで、こんなにもマンボウ先生に惹かれたのか
って答えがいくつか見つかりました
器用になんでも無難にこなすタイプではないということ
まったりとしていて、のらくら者でぐうたらであること
こんなんでも大手を振って生きてゆける、って
安心感をもらってたんですね
ほっ、とするかんじ
懐かしくって、早く早く気が急いて
もの凄く速読できちゃいました
表紙ってこんなんだったかな、としみじみ
改版してくださって、ありがたい
旅立つ前にひと騒動あるのだが(狸毛の歯ブラシを求めてさすらう場面)
今の職業柄かなりくいついたが
以前は歯科に興味もなく、ちっとも覚えてなかった
そんなもんだろうけど、ちょっと面白くも感じますね
2012.6.
どくとるマンボウ医局記 (中公文庫)/北 杜夫

¥780
Amazon.co.jp
近年双極性傷害なる名称変化をとげた病気ですが、躁うつ病を
(痴呆症が認知症になったみたいね)
多くの人びとが知るきっかけともなり得た作家さんでしたのょ
中年以降発症され、生きる証として
その可笑しなありのままを自己申告してしまわれた生涯でありました
その前の段階の、作家で暮らしていけるまで
精神科のお医者さんをなさってましたので
その頃の医局時代のことを振り返って執筆された作品です
1993年中央公論社発刊
1995年中公文庫
2013年改版
ってことは、20年、18年前ですね
文庫本初版持ってたと思います
若いころのものではなく、ちょっと前に読んだように思っていましたが、
結構な昔でした(^_^;)
そして93年時で17年ぶりの「どくとるマンボウ」シリーズだということです
本人の定義付けで、「一定のテーマに基づいて集中して書いたもの」ということで
「自分なりの自負を抱くことができる」とあとがきで著されてます
時間が流れたことで書くことができるようになったこともあり
こんなんだったっけ、って驚くくらい、当時の医局時代を辛辣に暴露なさってます
今読んでも趣深い作品です
2012.7.
北杜夫 ---追悼総特集 どくとるマンボウ文学館 (文藝別冊/KAWADE夢ムック)/著者不明

¥1,260
Amazon.co.jp
届いた時、表紙見ながら「うううぅ~」ってなりました
名前の横の追悼総特集の文字が浮かび上がってきたの
お亡くなりにならなければ作られなかったこの本を手にして
感傷的になって、しばらくは中を開けなかった
とんでもない目にあった人たちも故人を偲んで悼んでくださるのを
グジュグジュすすり泣きながら読んでいき
川上弘美さんのを読んで、堰を切ったようにワンワン泣きじゃくりました
忘れていたけど、似たような思いの中に自分がいたのか、って…
ここまで読み込んだ作家は他にいないしね
本当にこのけったいなマンボウ氏はいなくなってしまったのだ
としなければならない切なさは、どうにも持っていきようがない
数日かけて読み終わっても唸るように号泣してしまった
2012.10.
私はなぜにしてカンヅメに大失敗したか (実業之日本社文庫)/北 杜夫

¥630
Amazon.co.jp
2012年実業之日本社文庫
氷をドバドバいれなきゃなんにも飲めなくなっちゃったマンボウ先生
私もワイン飲むとき氷いれますぅ(いっしょ^^)
せっかく帝国ホテルで執筆活動させてもらいながら
妄想のひとり舞台を延々演じて、とうとう小説書けなかった理由を
ありとあらゆるアホさ加減満載に記したこの一冊
自分のすべてをさらけ出せるお姿に敬意を払います
北杜夫という人が大好きです
2013.7.
マンボウ思い出の昆虫記 虫と山と信州と/北 杜夫

¥1,785
Amazon.co.jp
2013年信濃毎日新聞社
文庫本でないこの本を購入するなんて、なんとも貴重
昆虫記と青春記の大好きだった私は
どうしても欲しくなってしまったのでした
直筆の記録も綴じ込んであって、ニンマリ
小学生のころアニメも好きでしたが
昆虫採集の好きな少女でありました
息吹く春の頃、そこらへ出かけるとき網と虫かごは必須アイテムでした
アゲハチョウは羽化まで導いてあげた実績を時折自慢します
父はその昔、山ザルか、というほどの野生児でしたから
私の師匠でした
私がバテていると、自分の小さいころは疲れたなんて思ったことない
勘違いしてるんだ、などと意味不明な暴言を吐いてました
その父から教わって、私、蝶々やトンボの持ち方など堂に入っておりました
赤トンボは左手に3匹、指の腹の間で持つという記録を持ってます
シオカラトンボはブンブン怖くってムリでした
一緒にアゲハチョウやシジミちゃん、シロチョウ・キチョウの標本作ってました
そんなことももはや遠い記憶のかなた
いつの間にやら、ある種のオタク系に変態
もうずっと童心には戻っていません
しかし、マンボウ先生はいつでもいつまでも
当時の世界にひょいと戻られ、夢中になります
そんないつまでも少年のようなマンボウ先生なのでした
大空襲で大切な標本80箱を焼失して
失望のあまり昆虫学者の道を断念した杜夫さんだが
ここにきて、私自身その喪失感を味わい、同じ心境になりえたことを思うにつけ
別にここまで近づかなくたってよかったのに、
と天井を見上げてしまったのでした
こんな思いは、あまり知らないほうがいい
胸がえぐられるような思いは
2013.10.
マンボウ最後の名推理 (実業之日本社文庫)/北杜夫

¥560
Amazon.co.jp
2003年青春出版社発刊
2013年実業之日本社文庫
ちっとも推理とはいえないし、人騒がせな北杜夫氏は
自分のことが恥ずかしかったんでしょう
「南」と自己紹介します(^o^;)
情けなくもくだらない、非常に時間のムダだったかな、
などと読了後思わせるこの本を
数日経って愛おしく思うのは往年のファンならではです
初心者は、どくとるマンボウシリーズを読んでいただき
じゅうぶん好きになってから読んでいただきたいですね
そしたらよさがわかるかな
もしかしたらわかるかも
2013.10.
人生のずる休み/河出書房新社

¥798
Amazon.co.jp
2013年河出新書発刊
マンボウシリーズの中から抜粋されたものでした
歳晩となり、哀愁たたえながら
ユカさんに言われるままちょっぴりムリしたり
(のらくら父には程よいアクセントになっている)
思うままに家族を欺くことをいとわず過ごし
(バレたらあきらめる)
周りの人々を散々巻き込みながら
自身の心身状態とそれなりにつきあってきたようすが伝わってきます
歯痛で、食事の時苦労されたことを読むにつけ
なんともかんとも、この時こそはおそばにいて
しっかりと治療ができるようになだめすかしてサポートして差し上げたかったし
(マンボウ先生に顔を見たくないなどど嫌われるであろうことを厭わずに、です)
治療後は口腔ケアして、なんでもワシワシ食べられるようにして差し上げたかった、と
胸がキリキリ痛くなるのでした
佐藤愛子さんとはこの期に及んでも金銭問題が浮上して
くだらなくも大騒ぎしますが
なにかしら前世やらでふかーいお金の因縁があったのかもしれませんね(^_^;)
小学校低学年のころのずる休みを回想されます
ぐうたらといえるだろうが、ある種罪悪感を持ちながらもやってしまう
そういうあそびの部分って必要な人もいるのだ
張りつめてばかりいては能力を発揮できない人もね
プレッシャーに押し潰されないようにする防衛本能なのでしょう
ココロの奥底で共感しますとも、こんなとこも、あぁどこそこで
2013.10.
どくとるマンボウ回想記 私の履歴書 (日経文芸文庫)/日本経済新聞出版社

¥630
Amazon.co.jp
2007年日本経済新聞出版社発刊
2013年日経文芸文庫
単行本持ってました…
その時々の写真が嬉しくって、
ルビーちゃんとキャッキャ騒いだことが思い出されます
再び文庫本となって手元にあります
その写真見て、今は泣いちまう
タイトルが「どくとる」なんです
大事な1冊です
どこそこで見知った話ながら
懐かしく振り返ることができます
長生きしてくださって回想記まで執筆してくださったことを
感謝しなければならないけれど
やはりまだまだ淋しくってたまりません
もうちょっと時間が必要です
過去の北杜夫氏関連日記
親愛なるどくとるマンボウ先生さようなら2011年10月26日
(2014年1月3日追記)
月が変わったら、下書きのままなのに忘却してしまい、
公開がひどく遅くなってしまいました…
コレ以降3冊読んだので、ここに追加しておきます
幽霊―或る幼年と青春の物語 (新潮文庫)/北 杜夫

¥483
Amazon.co.jp
とうこちゃんがストレートプレイの
「幽霊」に出演されるんですが
イプセンのそれは、文庫本が絶版になっていて新品購入できなかったので
タイトル一緒の北杜夫氏の「幽霊」読んでみました(^_^;)
そんな安易な理由でしたが、読んでよかったぁ~
凄い作品でした
とうこちゃん、ありがとうぅ
コレいつ読んだかも記憶ないから、小中の頃でしょう
文体のすばらしさとかその他いろいろわかるのに
早かったと思う
20代で読むべきものでした
今では遅かったような…、けどいいんです
最近、記憶を辿ることが多いですが
そんな私にこんなにしっくりする作品に再び巡り会えましたから
北杜夫氏が作家デビューしたこの作品
気合いの入ってたことが、わかります
最初自費出版だったらしいです
この秀逸な作品で、この世に出た杜夫さんを心から尊敬します
今んとこ一番好きな作品
あんまり凄くて気持ちがまとまんないので、いずれ感想書きます
コミック版 どくとるマンボウ昆虫記/北 杜夫

¥1,260
Amazon.co.jp
大好きだった昆虫記のコミック版
手塚治虫さんところの小林準治さんの画で構成されています
ちょっと買い渋っていましたが、昆虫記だからね
自分へのクリスマスプレゼントにしました
昆虫たちの精密ながらもほのぼのした画に感心します
杜夫さんは、ファーブル昆虫記でも有名な
フンコロガシ(=スカラベ・コウチュウ目コガネムシ科)
の仲間たちをこよなく愛しています
コガネムシフェチの北さんの少年の頃からの昆虫話が漫画になりました
なかなか勉強になりますし、奥深い世界です
昆虫図鑑や百科事典をみながら読まずに
ダイレクトに視覚に訴えるところがいい
今はネットがあるからね
ありがたいね
甲虫類カブトムシ・クワガタは飼いましたが
越冬させられず、かわいそうなことを繰り返し、断念しました
コガネムシは、手のひらの上に置くとモジョモジョくすぐったくって
快感だったなぁ、って(@_@)
育てたことは、記憶にありません
好奇心の権化様のような幼きものの欲望を満たすために犠牲になった小さな命
大地の自然の畏敬と畏怖を心に植えつけていく作業が昆虫採集だったのだ
振り返って思うのだが、こどもって残酷なものでもあったなぁ、と
力加減がわからなくって、時々悲惨なことになってしまってました
日々生きるために人は殺生しますし、奇麗事ではすまされないもの
そういうことをしっかり受け止め、感謝することを学ぶ成長のプロセスの中に
昆虫との出会いは組み込まれていたのかな、と思ったのでした
また、モルフォ蝶とウラニア蛾の分類を文士にあてた手塚治虫さんの話
モルフォ型は、華麗さや国際性のある三島由紀夫氏や安部公房氏
杜夫さんはいぶし銀のようなウラニア型らしいです
言い得て妙、ですね
どくとるマンボウ昆虫記 (新潮文庫)/新潮社

¥452
Amazon.co.jp
「マンボウ想い出の昆虫記」「コミック版どくとるマンボウ昆虫記」とくりゃー
やっぱり読まないわけにはいかないぜ
大好きな想い出の1冊
虫屋の虫たちへの果てしなき愛を感じる言葉の数々
温かい文章にふれて、泣く
アホかと思うが、懐かしくって、泣く
引っ越してからハエや蚊すら見なくなった
秋にカメムシが洗濯物についていたな
5mm弱の茶色いのだった
ベランダから親指と人差し指でピーンと弾いて飛ばして、バイバイした
写真とって名前調べればよかったね
仕事場にハエは舞い込んでくるか
ハエ隊長のハイジィかキャサリンが一発でしとめてくれる
ほんとに虫と接してない自分が情けなくなる
それも、殺虫剤や電気蚊取なるものの登場により
動体視力をまったく鍛えずに過ごしてきて殺すこともできないのである
殺生は小さい頃だけでじゅうぶんさ、と言い訳しておこう
クモはよく見るが昆虫じゃないな
けど、今更網振り回し、虫かご持ってさろくわけにもいかず
昆虫記を読んで、懐かしむことで気を紛らすのである
あらっ、読んだから、懐かしがって、今とのギャップを感じたんだった
読まなきゃよかったのかな(^_^;)
最後に
「マンボウ思い出の昆虫記」の中にもあるのだが
「ゼゲン屋さん」こと平沢伴明氏が発見した新種のコガネムシに
和名「マンボウビロウドコガネ」
学名「ユーマラデラ・キタモリオイ」
と名付けていただいてます
この方との駆け引きが、なかなか面白く
マンボウ先生の人間臭さがにじみでていて、ケッサクであります
「マンボウビロウドコガネ」かわゆす
