「死者を送ろうとしたら前世の自分のワイフだとわかり、"その他の漏落者"の扱いにして2人で逃げたそうですよ」「それで?」「さぁその後はわかりません。多分捕まるんじゃないですか?」「前世をどうやって思い出したんだ」「わかりません。だからみんな不安がってますよ。僕も最近酒ばかり飲んでます。考えることが多くて…前世で大きな罪を犯して死神になるだなんて…いったいどんな罪を犯したのか。苦しむなという神の配慮でしょうかね…」「思い出すも思い出さないも神の御旨だろう。しかし忘れた記憶を戻そうとする神の御旨がどういうことか気になるだけだ。いろいろと」
ジニョンと呼ばれた少女と母親が手を繋いで目の前を通った。死神は帽子をかぶり立ち上がった。
「お母さんここどこ?」「喫茶店よ」「なに頼んだの?」「お母さんは"天国"を頼んだわ。ジニョンのために」死神がお茶を2人の目の前に持ってくる。「ご注文の"天国"です」「ありがとうございます」そう言って頭を下げた母親の目から涙がこぼれた。
「お母さんどうして泣くの?」母親は黙ってジニョンの手を握った。
ジニョンと呼ばれた少女と母親が手を繋いで目の前を通った。死神は帽子をかぶり立ち上がった。
「お母さんここどこ?」「喫茶店よ」「なに頼んだの?」「お母さんは"天国"を頼んだわ。ジニョンのために」死神がお茶を2人の目の前に持ってくる。「ご注文の"天国"です」「ありがとうございます」そう言って頭を下げた母親の目から涙がこぼれた。
「お母さんどうして泣くの?」母親は黙ってジニョンの手を握った。
扉が開き、男が顔を出した。
「ちょっとどけ」そう言ってシンは部屋の中に吊るされた縄に火をつけ「窓を開けて換気してボタンをとめろ」と、持ってきたサンドイッチを差し出した。「必要になるだろう」男にサンドイッチを渡し、ウンタクとその場を去るシン。
「お父さ〜ん」2人の間を抜けて男の元に走って行く少女がいた。「どうやって来たんだ?」「タクシーに乗って住所見せて…5200₩だった」
「安全ベルト締めてね」タクシーの運転手は例の謎の赤い服の女性だった。
「お父さん…お腹すいた」シンからもらったサンドイッチを娘に渡す男。
「安全ベルト締めてね」タクシーの運転手は例の謎の赤い服の女性だった。
「お父さん…お腹すいた」シンからもらったサンドイッチを娘に渡す男。
シンとウンタクは並んで歩く。「今日も素敵だったわね」「時には、親が、子が、兄弟がお互いに守護神になったりもする。俺はただサンドイッチを渡すだけだ。あの男が求めたのは俺ではなく、あの男の娘だ」「なるほど…それも素敵だわ」「サンドイッチ代もなかなかのもんだぞ。ユ会長が稼いでくれるからいいものを…」笑うウンタク。
「ところで剣のことだけど、いきなりなんで動いたのかしら。掴めもしなかったのに…でしょ?」
『それより強力なものがなきゃダメなんじゃないか?例えば真実の愛…』そう言った死神の言葉を思い出すシン。
「おまえ…俺に何か言うことないか?」「ないですけど?」「あるはずだぞ」ちょっと考えてウンタク「あぁ…ひとつあるにはあるけど…」「ほら!我慢せずに言ってみろ。見え見えだ(다 티나)大丈夫。おまえが何を言おうと偏見なしに受け止める人だって分かってるだろ?」期待に満ちた目でウンタクを見るシン。
「お金があるのは分かるんですけど…家にばかり居て大丈夫なんですか?高麗時代には国の仕事をしてたって…」「言いたいことはそれなのか?俺だって仕事はあるぞ」
『不滅とまでは言わないが、かなり酔わずにいられるのだ』(ドリンク剤の販売員)
『不滅とまでは言わないが、かなり長く芳しく香るのだ』(BODY SHOPの販売員)
『不滅とまでは言わないが、かなり長く団欒していられるのだ』(iloomの販売員)
『それより強力なものがなきゃダメなんじゃないか?例えば真実の愛…』そう言った死神の言葉を思い出すシン。
「おまえ…俺に何か言うことないか?」「ないですけど?」「あるはずだぞ」ちょっと考えてウンタク「あぁ…ひとつあるにはあるけど…」「ほら!我慢せずに言ってみろ。見え見えだ(다 티나)大丈夫。おまえが何を言おうと偏見なしに受け止める人だって分かってるだろ?」期待に満ちた目でウンタクを見るシン。
「お金があるのは分かるんですけど…家にばかり居て大丈夫なんですか?高麗時代には国の仕事をしてたって…」「言いたいことはそれなのか?俺だって仕事はあるぞ」
『不滅とまでは言わないが、かなり酔わずにいられるのだ』(ドリンク剤の販売員)
『不滅とまでは言わないが、かなり長く芳しく香るのだ』(BODY SHOPの販売員)
『不滅とまでは言わないが、かなり長く団欒していられるのだ』(iloomの販売員)
いずれも口調がエラそうで、販売員としては仕事になっていない様子。
「それで家にだけいらっしゃるのね…儲けもなく(남치 않아서)」「儲けがない?」「儲けがなくたって大したことじゃないわ。しぶといんでしょ(모질다)」「そんなこと初めて言われた。ほんと初めてだ!」
「初恋の方はそんなこと言ってくれなかったのね…初めて言われたっていうんなら!」「嫉妬してるのか?」「私が嫉妬なんか?高麗か朝鮮かいつの人かも知らないのに…朝鮮中期?後期?まぁ麗しい方ではあったようだけど。だけどね…初恋なんてもともと叶わないものなんだから」
「初恋の方はそんなこと言ってくれなかったのね…初めて言われたっていうんなら!」「嫉妬してるのか?」「私が嫉妬なんか?高麗か朝鮮かいつの人かも知らないのに…朝鮮中期?後期?まぁ麗しい方ではあったようだけど。だけどね…初恋なんてもともと叶わないものなんだから」
一気に言うウンタクの最後の言葉に少し寂しく笑うシン。「お帰りくださいな。待たないでね…遅れるんだから」プイっと背中を向けて去って行くウンタク。
「誰が言ったんだよ…叶わないって。イヤだからな…」図書館で再び女学生の幽霊に会って声をかけるウンタク。珈琲を一杯買って渡す。ウンタクの首筋の痣を見てかなりぼやけたんじゃないかと言う幽霊。歩きながらウンタクは鏡の中に血まみれの彼女の姿を見る。他の幽霊達はいろいろ解決してくれと言ってくるのになぜ何も言わないのかと聞くウンタク。それなら綺麗な花を買って坡州に訪ねてくれないかと言う。卒業式に行く途中で交通事故で死んだその女学生の幽霊は、会いに行くと言うウンタクに「待ってるから」と言う。
入ってきた客を見てびっくり…死神だった。
「どうして居るの分かったんですか?」「俺の方が驚きだよ。なんでよりによってこの店なんだ」「トッケビ氏が取りもってくれたんですよ」「助けにならんヤツだな」「今日は何なんですか。いきなり来て」「チキン店なんだからチキン買いにだよ。アレを…大根多めで」「ほんとに?」
何気なく外を見るとテヒと野球部員達がこちらに向かっているのが見える。「ほほぅ…あらかじめ約束された出会いかな?そこに俺の来襲ってワケか?偶然?」ニヤリと笑う死神。
慌てたウンタクは死神の持っていた帽子をかぶせた。「何するんだ。やたらに触っちゃダメなんだぞ!」「おじさんだって人の目についちゃダメなんですよ。あの隅におとなしく立っててくれたら鶏の足でもひとつ用意してあげるから」
死神を隅っこに押しやって、ニコニコとテヒに愛想を振りまくウンタクを呆れて見つめる死神。
「どうして居るの分かったんですか?」「俺の方が驚きだよ。なんでよりによってこの店なんだ」「トッケビ氏が取りもってくれたんですよ」「助けにならんヤツだな」「今日は何なんですか。いきなり来て」「チキン店なんだからチキン買いにだよ。アレを…大根多めで」「ほんとに?」
何気なく外を見るとテヒと野球部員達がこちらに向かっているのが見える。「ほほぅ…あらかじめ約束された出会いかな?そこに俺の来襲ってワケか?偶然?」ニヤリと笑う死神。
慌てたウンタクは死神の持っていた帽子をかぶせた。「何するんだ。やたらに触っちゃダメなんだぞ!」「おじさんだって人の目についちゃダメなんですよ。あの隅におとなしく立っててくれたら鶏の足でもひとつ用意してあげるから」
死神を隅っこに押しやって、ニコニコとテヒに愛想を振りまくウンタクを呆れて見つめる死神。
チキンを手に帰宅する死神。「考えてみたんだけど、今夜の夕食チキンどうだ?」「ほぅ…」
「なぜか今夜の夕食チキン食べたくないか?」
「勝手で悪いが、今夜の夕食チキン…(닭 タク)」「黙れ(닥쳐 タクチョ)」
「なぜか今夜の夕食チキン食べたくないか?」
「勝手で悪いが、今夜の夕食チキン…(닭 タク)」「黙れ(닥쳐 タクチョ)」
毎日毎日チキンを買って来る死神に呆れるシン。そこへウンタクが話がある…とやって来る。
「どうしてしょっちゅううちの店に?まさか社長が目的?」「そんなんじゃない。ただ会いに行くだけだ。俺が誰かお前さえ黙っていれば平和だと思うけど」「おじさんこそ黙っててね。テヒオッパがアルバイト先に遊びに来ること、私を見てにっこり笑うこと、帰りに2匹お持ち帰りすること…私たちだけの秘密ね」
「秘密だと!」シンが飛び込んで来た。「アルバイト先に遊びに来るって?にっこり笑うって?」「だけどにっこり笑うのが秘密だとしてお持ち帰りがなぜ秘密なんだ?ヤツにクーポン何枚やったんだよ」と死神。「お前は黙れって。で、何回来たんだ?」「ヤツが5回来て、クーポン何枚になるんだ?」
「黙れって!おいアイツが誰のおかげで野球上手くなったと…前に守護神をな…何も知らないで」「まぁそうだとしても、ほんとにおじさんのおかげ?全部私の初恋のテヒオッパの意志でしょ?人間の意志わかる?ほら見てよ、おじさんの剣…掴むことできたじゃない結局…。美しくしてあげないんだから!」
「おい!おいッ!」一気に言って去って行くウンタクに怒りが収まらないシン。「おい…非業変死システムってどうなってる?規模がどのくらいか教えてくれるだけでいい。チキンのクーポンどうにかしてやるから…」と死神に頼む始末。
「秘密だと!」シンが飛び込んで来た。「アルバイト先に遊びに来るって?にっこり笑うって?」「だけどにっこり笑うのが秘密だとしてお持ち帰りがなぜ秘密なんだ?ヤツにクーポン何枚やったんだよ」と死神。「お前は黙れって。で、何回来たんだ?」「ヤツが5回来て、クーポン何枚になるんだ?」
「黙れって!おいアイツが誰のおかげで野球上手くなったと…前に守護神をな…何も知らないで」「まぁそうだとしても、ほんとにおじさんのおかげ?全部私の初恋のテヒオッパの意志でしょ?人間の意志わかる?ほら見てよ、おじさんの剣…掴むことできたじゃない結局…。美しくしてあげないんだから!」
「おい!おいッ!」一気に言って去って行くウンタクに怒りが収まらないシン。「おい…非業変死システムってどうなってる?規模がどのくらいか教えてくれるだけでいい。チキンのクーポンどうにかしてやるから…」と死神に頼む始末。
怒りで雷が鳴り響く。
高校三年間同じだったクラスメイトが声をかけて来た。塾にも行ってないのに試験が上手くいったなんてちょっとムカつく…と言いながらも同じ大学になるかと気になったと言う。ウンタクは同じ大学だとしても自分は『社会配慮者選考』だからと言う。クラスメイトは本当は幽霊が見えるかというのが気になったようだ。ウンタクは、ただ見えるだけで何かを教えてくれることはないと言う。面接頑張って…と言われ別れる。
面接試験の朝。シンが送り出してくれた建物の扉を見て一緒に走ったことを思い出して思わずにっこりするウンタク。しばらく歩くとシンが立っていた。「行こうが行くまいが気にもしてないくせに…」拗ねて見せるウンタク。「置いて行った物ないのか?」言われてマフラーを忘れたことに気づく。「おじさんが挨拶もしてくれなくて気にして…」
ウンタクの言葉が終わらぬうちに持って来たマフラーを巻いてくれるシン。「ビビらずに…怖がらずに…一緒に行ってやろうか?」「子供じゃないもん…」「まだ拗ねてるのか?」「そうだけど、マフラーのせいでそれもおしまい…」
「やっぱり嫉妬してるな?」「なによ…私が嫉妬してうれしい?」「ああ…嬉しかったよ。一日中…」
「面接頑張って来ます!マフラーありがとう」機嫌が直ってバスに乗るウンタクを見守るシン。
その時、背後から女性の悲鳴が聞こえた。自転車に乗った男が財布をすり、駆け抜けたからだった。その男は死神の財布をすった男だった。シンはその男の未来が見えた。
露天の靴下売りに突っ込んだはずみで道に飛び出した自転車の男はタクシーに撥ねられ、数台もの車が玉突き事故を起こす。そこにウンタクの乗ったバスが突っ込み、そのバスの横腹にトラックが突っ込むのだった。バスの乗客は皆血まみれで倒れている。その時刻、8時37分。
シンは腕時計を見た。8時20分。まだ事故まで17分ある。
その時、背後から女性の悲鳴が聞こえた。自転車に乗った男が財布をすり、駆け抜けたからだった。その男は死神の財布をすった男だった。シンはその男の未来が見えた。
露天の靴下売りに突っ込んだはずみで道に飛び出した自転車の男はタクシーに撥ねられ、数台もの車が玉突き事故を起こす。そこにウンタクの乗ったバスが突っ込み、そのバスの横腹にトラックが突っ込むのだった。バスの乗客は皆血まみれで倒れている。その時刻、8時37分。
シンは腕時計を見た。8時20分。まだ事故まで17分ある。
「なんでお前が…?あの場にお前はいないはずなのに…」
一方シンはいくつもの扉を抜けて、自転車の男よりも早く事故現場の靴下売りの行商人のところに駆けつけた。「今日は商売はやめて家に帰ってください。全部買いますから」と箱の中身が靴下であることまで言い当てた。その時8時30分。
③へつづく