アリスお姉ちゃん、
私、７歳になったよ。
７歳はアリスお姉ちゃんが
この世からいなくなった歳...
人生何が起こるかわからないけれど、
私は元気。
まだ動きは俊足で、
走るのだってパパには負けない。
...あのね、
アリスお姉ちゃん。
最近、ママとパパは、
コロナに罹ったんだよ。
ママなんて、３９度近い熱が続いて
立つことも出来なかったの...
周りの人はワクチンを打たないからだよって
怒ってた。
「...チッ！」
ママもパパも一週間家にこもって
なんとか脱出できたよ。
それからすぐにママは外来で、
脳のMRIを撮ったの。
すると不思議なことに
全部のがんが小さくなってたんだ。
先生にパパは言ったんだ...
「コロナで熱が出たからじゃないですか？」
医者
「...いえ、薬が効き始めたんです」
パパ
「...２月から飲んでて今頃？」
ねえ、アリスお姉ちゃん、
あの日...
ママのがんが小さくなった、
病院の帰り道。
アリスお姉ちゃんが旅立った
夢眠舎（むーみんしゃ）に
虹が架かったんだよ。
ママとパパが叫んでた。
「アリスがサインを送ってる！」
「ママ、よかったね」って。
本当は、
がんを小さくしたのは
アリスお姉ちゃんじゃないの？
ありがとう、
アリスお姉ちゃん。
私、阿蘇の国のクララでよかったよ。
みんなもそうでしょう？
ママの子でよかったでしょう？
