命のきらめきを追いかけながら | 阿蘇の国のクララ

 

8月9日(火)...

 

パパ

「臼杵の前に竹田に寄ろうか?」

 

ママ

「じゃ、但馬屋に行きたい」

 

竹田市

 

但馬屋老舗...

大分県下で一番古い和菓子舗。

 

ママ

「ここの和菓子が一番好き...」

 

三笠野・荒城の月

 

「どれにしょうかな?」

 

竹田美人

 

臼杵市へ...

 

パパ

「遅かったか...」

 

ママ

「残念...」

 

国宝臼杵石仏の蓮の花

 

パパ

「まあいいや、魚食べて帰ろう!」

 

ママ

「うん♪」

 

海鮮料理ぶんご鮨

 

パパ

「これにしなさいって...♪」

 

ママ

「本サバに手作りの鯛みそ...、

サービスしてくれた♪」

 

「今度からカウンターに座りなさいだって」

 

パパ

「次は幸花さんを連れてこようか♪」

 

8月10日(水)...

 

下阿蘇ビーチ(延岡市)

 

「...子供用、貸してくれた♪」

 

「クー!」

 

「海で泳ぐの、久しぶり~♪」

 

「浮いてるだけじゃん♪」

 

8月11日(木)...

 

パパ

「今日は山の日なんで、阿蘇山にしょう!」

 

私が病気のママにしてあげられることって、

ふっと顔をあげたら私がそこにいた...

 

それだけなのかもしれない。

 

「ママ...」

 

楽しいな、

今、この瞬間が楽しいな、

生きているんだなと思わせる。

 

「クー!」

 

でも、逆にそういうことを

いつもママに教えてもらう。

 

山をいっしょに歩いていて、

ふっと顔をあげたら

ママがそこにいた。

 

楽しいな。

 

...今年もそんな夏だった。

 

でもきっとやっぱり

特別な夏だったんだ。

 

金魚すくいをするときのように、

そっと、ママといっしょに

命のきらめきを追いかけながら、

夢中で瞬間を見つめていたんだ。

 

「ママ、帰りたくない」

 

「そんなこと言うとパパに抱っこされるよ」

 

「それもいい」

 

杵島岳