新生児スクリーニング | 阿蘇の国のクララ

 

12月20日(月)...

 

ミルクの里

 

「アリス、待ってて」

 

2017年12月

 

「ソフトクリームね」

 

「...お待たせ、どうぞ♪」

 

「テヘッ♪」

 

「アリスちゃん、どうぞ♪」

 

(テヘッ♪)

 

「...お前もか?」

 

「クゥ~♪」

 

「今日こそは、絶対夕陽を見るわよ!」

 

「クー!」

 

SMA...、

脊髄性筋萎縮症

(せきずいせいきんいしゅくしょう)

という病気があります。

 

全身の筋力が低下していく難病で、

生まれたばかりの赤ちゃんの

2万人に1人いるとされています。

 

発症すると

人工呼吸器なしで生きて行くのは

難しくなるとされてきましたが...

 

去年、

画期的な治療薬が承認され、

病気のない子と同じように

成長できるようになりました。

 

ただこの薬は、

症状が出る前に投与しないと効果が出にくいため、

患者の早期発見が重要になっています。

 

熊本県で暮らす武藤さん...

 

生後まもない頃から

煌季くんの治療のため

大学病院への通院を続けています。

 

煌季くんは脊髄性筋萎縮症の患者の一人です。

 

病気を発症すると

筋肉が維持できなくなり、

首がすわらず、

ハイハイも難しくなる

おそれがありました。

 

その煌季くんの発症を

食い止めるきっかけとなったのが、

「新生児スクリーニング」という検査でした。

 

全国の医療現場では

赤ちゃんのかかとから血液を採取して、

20種類の病気がないか検査していますが、

煌季くんの難病は対象に含まれていませんでした。

 

しかし熊本県では独自の取り組みとして

検査対象に加えていました。

 

小篠医師たちは検査の結果

煌季くんを難病と診断して、

生後1か月で新薬を投与、

症状が出る前に薬を投与できたことで

充分な効果が得られました。

 

新生児スクリーニングで

SMAが見つかった

日本で初めての赤ちゃんが

煌季くんです。

 

「医師になってずっと

脊髄性筋萎縮症については

治療法がなかったところが、

ここ数年で3種類の治療薬が

次々に市場に出てきて驚いています」

 

現在この難病の検査が行われているのは

熊本県や宮城県などの7府県、

栃木県でも来年度から始まることとなりました。

 

一人でも多くの難病の子どもたちを

救おうという取り組み、患者の家族は

取り組みが広がることを願っています。

 

「この子は奇跡の子だと私の中では思っています」

 

「たくさん、人がいる」

 

「鳥居の中に夕陽が沈んで行く。

奇跡の瞬間だね♪」

 

「クー♪」

 

永尾剱(えいのおつるぎ)神社の夕陽...

12月20日前後は鳥居の中に夕陽が沈みます。