12月の診察 | 阿蘇の国のクララ

 

12月14日(火)...

 

空は白んで、

隠れることのできる闇はどこかに消えて。

 

気持とは真反対の澄んだ青色が、

頭上をおおって。

 

そうして、

息苦しい一日が、

スタートしてしまうんだ。

 

2022 CALENDER

幸せになった金色の天使達

 

モコたんかーさん、ありがとうございます。

 

「素敵なクリスマスを過ごせるかどうか、
今日の診察で決まるんだ...。

クララ、ママをたのんだよ」

 

「クー」

 

私たちは、

だれもが死に向かって行進している。

 

しかし、それは負け戦なんかじゃない。

 

だれもが、がんばって、

立派に生きてきたんだから。

 

がんばってきた自分を

精いっぱい褒めてあげようよ。

 

「ママ、いってらっしゃい」

 

「CT、入ってる...」

 

採血

 

レントゲン撮影

 

CT撮影

 

「ママ...、グー...」

 

「薬飲むの忘れてた...」

 

「今日は落ち着きがなかったね?」

 

「CTの撮影が長かったから、

結果を心配してたの...」

 

「腫瘍マーカーは上がっていたけれど、

なんとか切り抜けたね」

 

紅蘭亭へ...

 

「クリスマスもお正月もお家で過ごせそう♪」

 

「パパ、一年間ありがとう」

 

「さあ、阿蘇に帰ろう!」

 

いろんな思いで胸がいっぱいになり、

息をこぼしました。

 

人はみんな、

思っていることを全部表に出すわけじゃない。

 

ためらって口にしない言葉。

 

代わりに口をつく、

気持とは真反対の言葉。

 

本心を隠して作る笑顔。

 

裏腹な行動。

 

多かれ少なかれ、みんなそう。

 

だれもがなにかをかかえて、

それを見せないように日々を過ごしている。

 

怒りながら、泣きながら、恨みながら...

必死に、笑っているんだ。

 

こんな日くらい、

がんばってきた自分を

精いっぱい褒めてあげようよ。

 

「ママ、よくがんばったね!」