私の存在 | 阿蘇の国のクララ

 

と(10)ざん(3)の日は、

祖母山の神原渓谷トレッキングへ...

 

 

「1、2、3、....8、」

 

「クー(9)台も停まってる」

 

神原登山口(一合目)から五号目を周回する

トレッキングコースは総延長約2.5km。

 

高低差200メートル、

往復約80分のコースです。

 

特別天然記念物のニホンカモシカや

希少魚イワメも生息する

精霊の渓谷とも呼ばれています。

 

「...行きますか?」

 

神原登山口

 

「クー!」

 

「本当に楽しそう」

とやさしい声がしてきました。

 

どこからともなく、

くりかえし、

子守歌みたいに、

私が生きていることを

肯定するかのように。

 

「こだま(もののけ姫)みたい♪」

 

「カタカタ」

 

「...足音がする...何か近づいてくる」

 

「...可愛いね♪」「お利口さんだね♪」

 

「みんな言う」

 

体もほかほかして、

気持も明るくなりました。

 

人生まだまだこれから

すてきなことでいっぱい、

というような気さえしました。

 

しかもそれは浮かれている感じではなくて、

とても静かな、ゆるやかな波でした。

 

いいなあ、

なんかずっとこのままこうしていたい

って思うくらい。

 

 

なんだか私は嬉しかったのです。

 

こんな短いあいだなのに、

私の存在がちゃんとこの場所に

影をおとしている。

 

まるで、私の人生みたい。

 

由布岳

 

「2台になった」