6月25日(金)...
「祖母山は雨だね」
「クー、
手前の陽目の里で遊びましょう♪」
「暗くなってきたね」
大野川源流
「クー、降ってきた」
「...どうせ濡れるから平気♪」
「クー!」
「...楽しかった?」
「クー♪」
「クララは穏やかだね」
ぼそりとパパがつぶやきました。
「やさしいし」
今度は意思を持って、
伝わるようにいいました。
「私、そうしているしかないの」
私は言いました。
「穏やかにやさしくしてるのが、
ママにはいちばんなの」
白水の滝
もどり道...
「傘が置いてある...」
「雨が降ってきたから、
名水茶屋のお姉さんが心配して
ここまで持ってきてくれたんだ」
「...やさしいね♪」
「クー♪」
暗いと思っている空は、
本当にママが思うように暗い?
たったひとつの星もないの?
そんなはずはないよ。
ママが目指し続ける光は、
確かに今も輝いている。
そしてまた別の強い光も
必ず見上げた先にある。
「ママ、月が見える♪」