自分もまた、その道を辿るだけのこと | 阿蘇の国のクララ

 

5月11日(火)...

 

ママなら郵便局にいます。

 

母の日に買っておいた

高塚愛宕地蔵尊の御念珠を

大切な人に送るためです。

 

「...クララママです♪開けてください!」

 

午後5時、社務所

 

本来ならば

「御礼・御守」は参拝して

直接受けることが本義ですが、

参拝がかなわない人には...

 

「...どうぞ♪」

 

ボワ・ジョリ

 

「ママ、早く開けて!」

 

「その前に、ムーちゃんにご挨拶して♪」

 

「クー♪」

 

2018年6月

 

「...クーちゃん♪」

 

「ムーちゃん♪」

 

琥珀色の光が

窓から差し込み、

手造りの小さな店を包み込む

アジサイの葉のシルエットを、

床に落としています。

 

山では野鳥たちが、

ねぐらに帰る前の歌を

うたっています。

 

季節は移り変わっていクー。

 

ムーちゃん...

 

私だって、

いずれこの地上から

去って行くんだから...。

 

ライオン岩へ...

 

でもそれは

必ずしも悲しいことではないと、

私は知っている。

 

古今東西のたくさんの人類と

そして名も無い生命たちが辿ってきた道。

 

例外はなく、

自分もまた、その道を辿るだけのこと。

 

魂が最後に向かうその旅路は、

きっと故郷に帰るような、

穏やかで懐かしいもの...。

 

南郷谷

 

 

「そうだよね?アリスおねえさん!」

 

すべて良いものはみんな...

 

時の彼方へ去って行く。

 

「クララ...」

 

「クー!」