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福島第一原発で重機10台を500m離れて操作

2012/05/07
森下 慎一 [日経コンストラクション]

 鹿島は、建設重機10台を同時に遠隔操作できる「無人化施工システム」を開発した。光ファイバーと無線LANによるネットワークを構築することで、作業現場から約500m離れた場所の作業員が、カメラ映像や音声で現場の状況を確認しながら重機を操作できる。

 初弾として、東京電力福島第一原子力発電所3号機の原子炉建屋で、建屋上部のがれき解体・撤去工事に採用した。工事は、2011年8月初旬に着手している。

福島第一原発3号機の現場での無人化施工システムの計画概要(資料:鹿島)
福島第一原発3号機の現場での無人化施工システムの計画概要(資料:鹿島)

 同工事でのシステム構成は次のとおりだ。作業現場から500m離れた地点に設置した遠隔操作室と、作業現場内の通信基地局4カ所やクローラークレーン2台との間をそれぞれ光ケーブルで接続。さらに、各基地局と8台の解体用重機を無線LANでつないだ。

 有線でつながるクローラークレーンを含む計10台の重機は、すべて遠隔操作室で作業員が操作する。重機の内外には監視カメラやマイクを設置しており、作 業員が作業現場の映像や警報音などを確認できるので、運転席にいるような感覚で重機を操作できる。重機への燃料供給についても、遠隔操作できるように給油 口を工夫した。

東京からの遠隔操作も可能

 システムは、複数台の重機の操作信号や大容量のカメラ映像を、光ケーブルで確実に長距離伝送する技術を確立したことで可能になった。同社によると、東京に遠隔操作室を設置することも技術的には可能だ。

 無人化施工は、雲仙普賢岳噴火の除石工事や有珠山噴火の緊急砂防対策工事などで、安全な場所から復旧工事を進めるために活用されてきた。これまでは、作業員からの重機の見通しを確保するために100m程度の遠隔操作が限界だった。

無人化施工システムによる原子炉建屋上部のがれき解体・撤去のイメージ(資料:東京電力)
無人化施工システムによる原子炉建屋上部のがれき解体・撤去のイメージ(資料:東京電力)

 福島第一原発3号機の工事では、現場付近の放射線量が高いため、より離れた地点から遠隔操作する技術が求められた。500m離れた地点の遠隔操作室は、 放射線量が1時間当たり5マイクロシーベルトと低いので、作業員の被曝(ひばく)線量を低減でき、作業時間の制限も減らせた。

 重機の制御機器や通信機器、カメラ装置には鉛シートによる放射線防護を施し、放射線の機器への影響を低減している。