千葉「京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんにお話を伺います。小出さん、今日もどうぞよろしくお願い申し上げます」
小出「はい、こんばんは。よろしくおねがいします」
千葉「お願いします。今日は毎日新聞論説委員の藤田悟さんと一緒にお話を伺います」
藤田「ああ、藤田です。よろしくおねがいしますうー」
小出「はい。藤田さん。よろしくおねがいします」
千葉「ではさっそく、今日はですね、このニュースからおおく…お聞きしてまいります。原子力安全委員会の被曝医療分科会は、今日ですね、もしも原発の事故が起きたときのために、原発周辺の住民…周辺に住んでいる人たちのために…ヨウ素剤を配っておくよう求める提言案を示したということです。え、原発から5キロ以内の場所に住む人達にヨウ素剤を配っておくということなんですが。 」
▼東日本大震災:福島第1原発事故 原発30キロ圏「家庭にヨウ素剤常備」 安全委分科会、「配布」見直し提言案 - 毎日jp(毎日新聞)
『内閣府原子力安全委員会の分科会は12日、甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤を、原発から半径30キロ圏内の各家庭に事前配布することが有効とする提言案を示した』
※報道では「半径30キロ圏内」となっています。
千葉「このヨウ素剤は飲んでおけば、事故が、あ…起きたとしても甲状腺癌を予防することができるんですよね」
小出「…そうですね。え…ただし飲んでおけばと、いうことですけれども。飲むタイミングというのが大変重要で。」
千葉「はい」
小出「事故がないのに飲んでも全く意味がありませんし」
千葉「はい」
小出「事故が起きたということがわかった後に、放射能が飛んできた…くるわけですが、その飛んできた後に飲んでも全く意味が無いのです」
千葉「はい」
小出「要するに事故が起きたということを知って、放射能が飛んで来るというその間に飲む、ということだけが意味のあることなのであって。え…今回福島第一原子力発電所の事故の時には、周辺の住民はいつ放射能がくるかも全くわからないまま、被曝をさせられてしまったわけですし。え…日本の政府のほうはむしろ…その…いつ放射能が届くということをSPEEDIという計算コードを使って知っていたのにもかかわらず、公表しないで住民を被爆させた…のですね。え…ですから、…今後もきちっとした対応が取れないのであれば、全く意味が無い、ことをやっていることに、なってしまいます。まあ今回原子力、え…安全委員会でしょうか、がそういうことを決めたというのですけれども、原子力安全委員会自身は今回の事故に関しても住民を全く守らなかったわけですから。その委員会がなんで今さら、そんなことを言う権限があるんだろうかと私はおもいます」
千葉「(苦笑)、あの事前にヨウ素剤配っておいたとしても、」
小出「はい」
千葉「その…ちゃんとした情報をきちんと提供して飲むタイミングっていうのを、お…きちんと測らないと何の意味もないということになるわけですね」
小出「そうです。大変微妙なことなのであって。え…情報を通知するほうがやらなければ、持っていても使えませんので。まずは意味はありません」
千葉「ほぉ……。それがまあ今回できなかった(苦笑)、状況だったということですね」
小出「できなかったというか、要するに積極的にやらなかった」
千葉「積極的にやらなかった」
小出「はい」
千葉「はい。……わかりました」
小出「はい」
千葉「それから次はですね、お隣韓国の原発のニュースなんですけれども。」
小出「はい」
千葉「韓国のキョンジュ市というところにある、ウォルソン原発というところの原子炉がトラブルで止まったというニュースが入っているんですけれども。」
千葉「それから次はですね、お隣韓国の原発のニュースなんですけれども。」
小出「はい」
千葉「韓国のキョンジュ市というところにある、ウォルソン原発というところの原子炉がトラブルで止まったというニュースが入っているんですけれども。」
▼原発でまた運転停止 企業が緊急節電へ=韓国 聯合ニュース
小出「はい」
千葉「実は韓国には原発が21基もあって。」
小出「はい」
千葉「日本海上にあるものあるということなんですが。」
小出「はい」
千葉「もし、もしですよ。韓国で原発の事故が起きたら日本にも放射性物質の影響は及んできますよね」
小出「はい。当たり前ですね」
千葉「ふぅーん。じゃあ、あの、日本にも事故の影響で、例えば、あの、人が住めなくなる地域が出るとかいうような可能性も出てきますか…?」
小出「…え…もちろんそうですけれども。実は今日、私…の研究室に韓国のテレビ局のひ…かたが取材に、来られました」
千葉「はい」
小出「え…そして、福島第一原子力発電所の事故を中心にしていろいろなインタビューを受けて、お答えしました」
千葉「はい」
小出「で…そのなかで、韓国の人たち…のまあ知りたいことの1つに、日本のもんじゅという原子力発電所が事故になったときに韓国までどういう被害が飛んで来るかということを私は聞かれました」
千葉「はあ……!」
小出「はい。で…、もんじゅという非常に特殊な原子炉があって、プルトニウムを大量に燃やそうとしてるわけですが。それ…で、事故が起きて、もしたまたま東から風が吹いていれば韓国にも影響が出るでしょうと私はお答えを、したの、ですが。」
千葉「はい」
小出「……もちろん韓国の原子力発電所で事故が起きて、西風が吹いていれば日本が、被害を受けると。ま、逆のことがあたり前のこととして起きる、わけですね。え…ただ、私は思うのですが、みなさん、なにか、自分が被害をうけるということを、が、何よりも関心事、のよう、なのですが。私にとっては、自分が加害者になるということが、1番嫌なことなの、です。」
千葉「はい」
小出「で…ですから…韓国の原子力発電所の事故を心配するよりは、むしろ日本で、の、原子力発電所で事故を起こして、他の国々に迷惑をかけると、いうようなことを何としても私は避けたいと…おもいますので。え……韓国の原子炉であろうと中国の原子炉、であろうともちろんみんな危険ですけれども、日本にある、今ある原子力発電所、それをどうするのかということを私たちが考えるべきだと思います」
千葉「ん……。そうですね。ま、あのいまの韓国の話でもそれぞれやっぱり自分とこが影響受けたらというところには、みんな…関心が行くんですけど」
小出「はい」
千葉「やっぱそこじゃないんですね」
小出「と、私はおもいます」
千葉「ん……。わかりました…。えー、そしたら次はですね、子どもに関するニュースが入っていまして。原子力発電所の近くに住むフランスの子どもたちは、白血病の発病率が通常の2倍であることが、フランスの国立保健医学研究所や、フランス放射線防護原子力安全研究所の専門家の調査結果であきらかになったというニュースが伝わってきていますが。」
▼原発付近に住む子ども、白血病の発病率が2倍=仏調査 | ワールド | Reuters
千葉「これは、小出さんは、どうごらんになりますか?」
小出「え…そういう研究はもう山ほど、あります。」
千葉「はい」
小出「はい。あの今回はフランスの原子力発電所の周辺ということですけれども。」
千葉「ええ」
小出「昔から米国の原子力発電所の周辺でもそういう…データーが公表されていますし。え…イギリスのウインズケールという、ま、現在のさ、しぇ、え………セラフィールドと呼ばれている再処理工場の周辺でも、え、白血病が多いということはもう確定的な事実として、え…みんなが認識して、います。ただし、それが本当にその原子力施設…の、からの被曝の影響なのかどうかということで、議論は継続して、いますが。え…原子力施設周辺で白血病が多い、ガンが多いということは、かなりのデーターがすでにもう、蓄積してきています」
千葉「うーん。そういう、まあ、事実はもうそうやって確認はされていってるということですね」
小出「そうです。ただしそれが、いったい何の原因なのか。本当にその放射線に、の、被曝をすることによるのか。あるいはまあ、原子力施設という特殊な街…という、ま、文化的な背景も含めて何か別の原因があるのかということで、未だそのハッキリと原因を突き止めることができないという、そういう状況にあるということです」
千葉「うーん…。わかりました」
小出「はい」
千葉「あと、もう1つ。こちらは、あの、全国の原発の状況を監視するERSS、緊急時対策支援システムというものに不具合があったというニュースを以前伝えましたが」
小出「はい」
千葉「その原因がわかったというニュースが入っていまして」
小出「はい」
千葉「え…原子力安全保安院によりますと、データを保存するために必要なメモリーが不足したために、システムのデーター処理ソフトがとまった、ということで。単なるメモリー不足、という単純な話でして。え、保安院は定期的に年2回メモリーをリセットすると話してるということなんですが。……これ、なんか緊張感がないなって感じがするんですが(苦笑)」
小出「(笑)。」
千葉「小出さんはどう思われますか(苦笑)」
小出「そうですね、なんか漫画のような話ですね。え、そんなメモリーなんてものはどれだけ、もともとあるということがわかってるわけですし。え……ある時間感覚でどれだけのメモリーを、が必要になるかということももちろん始めからわかってるはずですから。え…どういう管理をしなければいけないなんてことは、当然、始めから、分かっていることで。え…運用上、やるべきことだったはずですが。それがなされていないなんてことは、まさに驚きですし。なんでそんなことをやってるのかなと」
千葉「はい」
小出「思います」
千葉「はい。藤田さんいかがですか」
藤田「ぬーん、そうですね。で、その韓国のですね。その、テレビ局が取材にした、きたという件にちょっと関心がありまして」
小出「はい」
藤田「それはその、韓国のテレビの狙いとしましてはですね、その、事故後のその原発にそのこの懸念をいだいて取材に来た、ということなんですかね。どういう狙いで来られた、のでしょうか」
小出「まあ、よくわからない、です。私のところには沢山の…外国のメディアの方がこられます。え…ドイツの方からもくるし、イタリアもフランスも、きますし。そういう意味で言えば脱原発を目指している国のメディアもくるし、フランスのように原子力を推進しようとしているメディアも、くるし。え…韓国は今や原子力で世界に打って出ようとしてる、そういう国でもあるわけで。」
藤田「はい」
小出「え…その国からも取材に来てくれる、のですね。で…なぜ私のところなどに来るのかと。私は半ば首をかしげながら、ですけれども、え…私のことを聴いてくださるのであれば、なんでもお答えしようと思って、これまで、来ました。え…今日、韓国から来てくださったかたがたも、え…どういう思惑で私のところに来てくださったのかはよくわかりません。え…まあ、日本、で今、放射性物質を放出しながら、韓国にももちろんその放射性物質、飛んでいってるわけですし。海へ流してるものに関しても韓国という国が大変敏感に反応してきたと、いうこともありますので。え…なにがしかそういうことを国内で、ん…報道されるのかなと、思いますが。申し訳ありませんが(笑)私自身は、え…相手方の意図ということに関してはよくわかりません。」
藤田「はい、わかりました」
千葉「はい、わかりました。小出さん、どうもありがとうございました。」
小出「はい、ありがとうございました」