津波てんでんこ
~被災地からのメッセージ~
津波に首まで漬かり命からがら助かった人がいます。今後の生活に不安いっぱいだけど、避難所の仲間を励まし続ける人がいます。一人一人の震災体験、生活再建の歩みを共有し、語り継ぎたい。被災地の方々のメッセージを紹介します。
「てんでんこ」の意味 人にかまわず逃げろ
本紙掲載の「津波てんでんこ」のタイトルカットは、大船渡市三陸町綾里の津波災害史研究者山下文男さん(87)が揮毫(きごう)しました。「てんでんこ」は「てんでんばらばらに」の意味で、「人にかまわず必死で逃げろ」と、山下さんが訴え続けてきた言葉です。揮毫に当たり、今回の津波で自らも被災した山下さんは「津波対策はハード、ソフト両面あるが、特にソフト面が非常に大切なことが証明された。各家庭で津波の時にどうするか、考え続けてほしい。それが集まることで真の対策となる」と思いを込めています。
▼10月29日
外で体育 気持ちいい
陸前高田市矢作町 村上 大晟(たいせい)君(矢作小6年)
学校の仮設グラウンドができた。校庭には仮設住宅があるので、震災から7カ月が過ぎて初めて外で体育ができた。天気のいい日にみんなと一緒に思いっきり走ると気持ちがいい。整備してくれた人への感謝を忘れずに使いたい。高田松原や気仙川など自然が豊かな陸前高田が好きなので、自然を大切に新しい街をつくってほしい。
釜石SWの活躍期待
釜石市甲子町 会社員 柏崎 洋之さん(54)
大槌町にあった自宅は津波で流失したため、4月上旬に釜石市に移ってきた。バレーボールをやっていたこともあって、スポーツは好き。初めてラグビーの釜石シーウェイブスの試合を地元で観戦したが、想像以上に迫力があって面白かった。釜石市や大槌町の復興のためにもトップリーグ昇格に向けてぜひ頑張ってほしい。
▼10月28日
たくさん勉強したい
山田町飯岡 真田 大暉君(山田南小5年)
地震で地面がグラグラ揺れて本当に怖かった。しばらくは水も電気も使えず不便だった。今は、友達と一緒にゲームができることが楽しい。1日に2時間ぐらいはやっている。好きな科目は算数と体育。特に割り算を解くのが面白い。国語の作文は苦手。宿題は嫌いだけど、たくさん勉強して、どの科目も得意になりたい。
登校見守り活動に力
釜石市小川町 千葉 勝次さん(67)
地域交通安全活動推進委員として児童の登校を見守る活動をしている。自分の住む地域にも仮設住宅が建設され、前より多くの子どもたちが通学するようになった。慣れない道を通う児童を心配していたが、今のところ大きな事故もなく元気に通学している。路面凍結など危険が増す冬場はこれまで以上の注意が必要。これからも活動を継続したい。
▼10月27日
きれいな海に戻って
大槌町赤浜の仮設住宅で生活 藤原里緒菜さん(赤浜小6年)
仮設校舎で他の学校と生活している。合同授業は慣れない部分もあったが、今は家庭科や音楽など楽しいし、大槌北小の子と友達になった。宇宙飛行士の古川聡さんと交信し、つながった時はうれしかった。宇宙に興味があるのでいつか行ってみたい。大槌の海が好きなので、きれいな海に戻ってほしい。
合奏仲間に励まされ
久慈市中央1丁目 会社員 吉田 英人さん(45)
久慈市長内町にある勤務先の店舗が浸水し、棚から転落した商品は泥だらけになった。津波警報を甘くみてはいけない。命を守ることが最優先だ。10年ほど前から、高齢者施設を訪ね、ギター演奏を行っている。店が復旧してもしばらくは意欲が湧かなかったが、合奏仲間に励まされ、徐々に演奏できるようになった。
岩手日報社