はっきりと要求も言ってこないクレーム。

要求はあったけれど、とても受け入れられずお断りしたクレーム。

 

クレーマーから連絡が来なくなってしまう

 

この時に、

「私は相手に連絡をしたりして、『あの件、いかがしましょうか?』と聞いたほうがよいですか?」

と相談を受けることがあります。

 

連絡する必要はありません。

クレームは既に終わっています

 

私がお伝えしたいメッセージですが、

承知状態になったクレームは、もう追いかける必要はありません

これは、

「あきらめた」と解釈するべきです。

 

 

クレーム応対で勘違いされやすいのは、

クレーマーの納得を目指さないといけないといのは完全な間違いです

ということ。

 

 

+++承知(しょうち)+++

 

もう仕方ないな」

「もういいよ」

「覚えてろ!警察に通報してやる!」

「弁護士に相談させてもらいます」

「おたくは何もしてもらえない企業なんですね」

という

諦めの言葉や状態

のことです。

 

+++++++++++++++

 

まとめです。

 

クレーム応対の場面で、一番やってはいけないこと。

「お客様が納得されるまで最後まで頑張る」

これでは、スタッフが疲弊してしまいます。

 

クレーム応対では承知を目指しましょう!!

14年近くクレーム応対をおこなっていると話をすると、例えばセミナーの場で、質問されることがあります。

 

いままでで、一番もめたクレームはどのようなエピソードがありますか?そこでの気づきを教えてください」というものですが、私は必ずその時にいつも同じ話をすることにしています。

これが今日、皆さんにお伝えしたいエピソードですが、

 

絶対にクレーム応対では「第三者」を入れてはいけない

 

ということです。

 

 

理由はいくつかありますが、

介入してきた第三者がクレーマーと同調をはじめてしまい、誘導したい結論に到達できないことが多いからです

私はこれを「シナリオの崩壊」と考えています。

 

 

++++++本当にあったクレーム+++++++

 

中堅アパレル企業の総務部より対応依頼

店長の接客態度が悪いと本社にクレームを入れてきた。

本社対応していたが、一向に要望通りに進まないとのことで、テナントが入る百貨店にクレームを入れた。

 

百貨店の対応は「お客様のご意見は積極的に介在する」という方針であった。

私はこれを拒否してもらよう、クライアントに強く要望を出したが、力関係で断れなかった。

 

当初、百貨店側は仲介役を自称していたが、段々と様子が変わった。

クレーマーと親しくなり、最後はクライアントを一緒になって攻撃したのであった。

根拠ない金銭要求に対して「道義責任を果たすには金しかない」と主張し、最後は出店の権限をもちらつかせながら、早期解決、早期和解を要求してきた。

 

+++++++++++++++++++++++

 

 

 

ストックホルム症候群と呼ばれる奇妙な現象があります。

 

一言で言えば「犯人と長時間ともに時間を過ごすと、人は犯人と仲良くなる」という現象で、クレーマーとクライアント側のスタッフが共労してクライアント企業を攻撃して来るケース、クライアント側スタッフがクレーマーに正義と称して情報を流すケースなど、非常によく知られた現象です。

 

見た目が怖いクレーマーや、感情を露わにして怒鳴り声を上げているクレーマーと、仲介役の第三者が長時間に渡って接するなどした場合、この現象が起きやすいと考えられます。

 

このケースでは、毎日のように仲介者にクレーマーが電話をかけ続け、応対に困った仲介者は、もはや単なるスパイとしてクライアントの情報を流し続けました。

 

必要の無い金銭示談をクレーマーを代弁して持ちかけるなどしたため、クライアントは弁護士に業務委託をせざるを得ない状況となりました。

時間も長時間立つこととなり、結局最後は裁判となりクライアントは勝ちましたが、苦い経験となりました。

 

 

もう一度、確認しておきましょう。

 

絶対に、第三者を介在させてはいけません。

仮に第三者が介在することとなった場合、味方となることは少ないことを知っておきましょう。

特に、情報漏えいが発生しますので、クレーマーに対する批判的な言動などは、一切を慎むようにして下さい。

 

 

「どうして、私より先にあいつが通されたのか」

・店内の呼び出しを聴き逃して、私より後の番号の人が先に入った

・TELで予約していたのにスタッフのミスで予約が入っていなかった

圧倒的に飲食業が出くわすことが多いクレームです

 

お客様の離席が原因となったり、スタッフの予約ミスや案内ミスが原因で生じることがありますね。

今日はこの問題の応対方法を考えてみます。

 

まず、結論です!

 

 

お金を頂いた予約以外の場合は、店は順番通り案内しなくても良い

この原理原則をまず知っておきましょう。

 

 

では、お金を頂いていたら?

CDやDVD、ゲームソフト、機器類など、先入金の予約のパターンも多いですが、この先入金というシステムには「債権債務」という状態が生じています。

相手側からの約束を果たさないと不法行為として認定される危険な状態」です。

 

なので一般的には、飲食業で先入金の形で予約をうけるケースは少ないですね。

例外的には、花火の桟敷席や、京都鴨川の床、などでは見受けることがあります。

 

では、お金を頂いていないケースで生じた、このトラブルの具体的な応対方法についてですが、

 

1,我慢してもらう

2,先に入ったお客様を追い出し、順番通りにする

3,割引などを提案し妥協案を図る

 

の選択肢がよく見られます

 

もちろん、2,など論外、ありえません。風評損害がでます

3は検討の余地がありますが、でも下記の場合は難しいわけです。

 

++++++本当にあったクレーム+++++++

 

飲食店でエリアマネージャーからのヘルプ要請

団体15名の予約を受けていたが、電話対応したアルバイトが、日付を間違えて受けていた

予約日は正月であり、本来予約は受け付けないはずであった

 

相手側の要求は

「他の客を移動させるなりしてすぐに座らせろ。出来ないなら他店に行くから交通費、飲食代を一部負担しろ」

 

+++++++++++++++++++++++

 

この解決方法は、

諦めてもらう。順番を待って頂けるなら、一部なりとも割引対応」が基本応対としては正解です。

 

時折、他店に流れた後、時間を経過した後に「幹事様だけで」クレームを言いに来ることがあります。

恥をかいた、どうしてくれるのだ、返金しろ」というパターンですが、これもはやり、「サービスを果たしご納得いただいたので料金を頂いた」という債権債務の考え方に戻り、何もしない、謝罪を行って終わらせるやり方が正解ですね。

 

 

この際の謝罪の方法は、この記事を参考にして下さい。

 

 

それにしても、間違えて予約を受けていたアルバイトは、さぞかし居心地が悪かったでしょうね。

いや、それとも「もうどうしようもない」と開き直っていたかもしれませんね。

 

大きなミスを起こしたアルバイトのその後の離職率は、極めて高いです。

いいフォローしてあげてほしいですね。

貴方の会社は、webで調べたけれど、○○法に違反しているのでないか?

 

飲食業、介護業、医業、リラクゼーション業、不動産賃貸業の業態でよくうけるクレームの形態です。

この「ネットで調べたけれど、法令違反ではないの?」という問い合わせの答えを考えてみたいと思います。

 

これに対応する方法は、

それはこちらでは判断できません」が正解です。

 

特に店長以上のスタッフは、思わず無知を隠すために、あるいはお客様の質問に対するまともな答えを探すために、法令を調べて解答しようとしたりします。

大きな会社となると、法務や弁護士に問い合わせを行うことすらあります。

 

 

違法かどうかの判断は、裁判所など役所が行う

 

 

ということを知らねばなりません。

 

 

+++++ほんとうにあったクレーム++++++

 

介護業態のクライアントより、助けてほしいとの要請があった。

 

利用者家族より「毎日」クレームが役所に届けられていた

「この施設は、人数や施設の管理体制に大きな不備があり、違法行為が行われている!」

 

役所は通報について無視は出来ないから、ほぼ毎日のように監査を行ってくる。

毎日の監査をうける担当スタッフは疲弊し、お客様のゴキゲンを伺うことに注力し、それ以外のスタッフは貧乏くじを引いたスタッフに近寄らず、手助けできない状況になっていた。

 

「違法行為が行われている事を認めろ!」

「違法ではないならそのことを、法律の条文などを揃えて証明してみろ!」

という申し出であった。

 

 

+++++++++++++++++++++++

 

本当に困ったお客様ですね。

こういうケースで、スタッフの精神的な疲労は労務災害に直結するほどのストレスを抱えていることが多いです。

 

離職者も発生していることも多く「理詰めクレーム型」の応対の難しさの一例でしょうね。

 

多くの企業では、丁寧に説明することや、利用契約上の文言をしっかりと調整するなどの対策を取っている例もあります。

 

 

法律では、

損害の立証については「被害者」が行わないといけませんし、

違法行為の認定については「役所」が行います。

つまり、企業側は「お客様の主張する利益」のために頑張らなくてよいのです。

 

 

なので、お客様のお申し出については、出来る限り誠実に応じますが、法理などの検証や、要請については「きっぱりと断っても良い」ということです。

 

 

医業などでは出禁措置について法律対応することは難しいのですが、

私の取ったこの事例の対応策としては、「契約解除」でした。

 

 

昨日の記事(http://ameblo.jp/claim-monster/entry-12284765233.html)の最後で触れた、「謝罪の言葉には基本形がある」

ということに触れたいと思います。

 

 

端的に申し上げると、

この本に全てが書いてあります。

などと、振り逃げすると申し訳ありませんので、少しご説明しますと。

 

私の敬愛する、谷厚志先生の「「怒るお客様」こそ、神様です! クレーム客をお得意様に変える30の方法」という本の中で紹介される、谷先生の名付けた「限定付き謝罪」というテクニックです。

 

謝るときには、

「〇〇でごめんなさい」

「〇〇で大変失礼しました」

「山田の接客態度が悪くて、本当に申し訳ございません」

という、

 

怒っている原因+謝罪

 

というパターンが非常に、非常に効果的です。

 

相手は「とにかく謝罪の言葉を引き出したい」という気持ちだけで、声を荒げる方もいらっしゃいます。

 

僕達、クレーム応対をしている人は皆、この基本応対法を身につけています。

特別な訓練もいりませんが、とにかく、つかってみることが重要ですね。

 

 

「今から、二次会に行くことになってしまって、本当にごめんなさい!!」

「二次会行くと言ってなかったからね、怒ってるよね?ホンマにごめんね!」

 

という使い方ですね。。