彫物個性が禁じられた時代があった。いつかというと昭和初期である。こうした状況は昭和二十三年(1948)五月まで変わることはなかった。つまり彫物は、長年にわたって禁じられた身体行為ということになる。しかし、考えてみるまでもなく、刺青の施術は人の身体に属し、それはまさに下着の中のことに過ぎない。それがなぜ取り締まりの対象になるのか興昧深い問題といえる。ところで、皮肉なことにこの一三七年というこの期間こそが、後年になって「日本の剃膏」として知られる刺青の形成期と重なることになる。