と言っても食べるバターではありません。

柚木麻子氏著の2009年に発覚した首都圏連続不審死事件を題材にした本です。

 

内容は(Kindle本の詳細より引用)

男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子(カジマナ)。

若くも美しくもない彼女がなぜ――。

週刊誌記者の町田里佳は親友の伶子の助言をもとに梶井の面会を取り付ける。

フェミニストとマーガリンを嫌悪する梶井は、里佳にあることを命じる。

その日以来、欲望に忠実な梶井の言動に触れるたび、里佳の内面も外見も変貌し、伶子や恋人の誠らの運命をも変えてゆく。

 

柚木氏のインスタグラムより。

「日本では女性の社会的地位が非常に低く、

フィクションの中の女性キャラクターでさえ、献身的な世話焼きとして描かれる傾向がある。

私はこれに強く抵抗したかった。私の物語はそうした葛藤の成果である。」


もちろん実際の事件を下敷きにしているのでとてもリアルで、女性同士の複雑な関係性や現代社会が抱える偏見、欲望などが描かれており、とても面白く読めました。そしてこの中に出てくるバターを使った料理がどれも美味しそう。

特に温かいご飯にエシレバターを載せ、醤油を一滴だけ落としたもの!

その後に出てくるカルピスバター。これは30年くらい前に先輩に紹介され時々買っていたバター。日本に帰ってきてからもやはりいつも買ってしまうとても美味しいバターなのです。毎朝パンにつけて食べているのでなんか親近感。

 

でもこの本はバターを使った料理本ではなく、

バターという素材が象徴する濃厚で罪深いものが、登場人物の心情や事件の本質を暗示しているもの。

素晴らしいタイトル「バター」。

 

この本を読んだ数日後に次女から「バターっていう本知ってる?」と聞かれました。次女は日本語はできるけれど小説を読めるレベルではないので英語版を探しているとのこと。

「読み終わったばっかりよ。」とやりとりしそのままになっていましたが、ニューヨークの本屋さんでウインドーに飾られているのを発見。早速購入し次女へプレゼントしました。

現在、世界36ヵ国で翻訳されているそうです。

 

おまけ。山の家のゼラ。雷がこわいって。😅